これは懐古主義じゃない。漢の美学だ。「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」虚淵玄(原案・脚本・総監修)/感想

僕が素直にアニメを楽しんでいた時代から長い時が過ぎ、今じゃ題材や言葉使いもまるで別の国に来たみたいに様変わりした。近年の作品でセリフやシチュエーションに違和感を覚えない作品はほぼ皆無で、僕が老いて来たことを差し引いてもお釣りが来るくらい物語と言葉がディスカウントされている印象がある。

そんな折、PCゲーム畑からアニメ業界へと踏み込み大成功を収めて来た”虚淵 玄”がまさかの人形劇を放り込んで来た。流浪の剣客が訳有りの女性を助け、一癖も二癖もある連中と共に悪者を懲らしめに行く、と言うのが大雑把な内容だが、ラスボスまで雪崩れ込むまでの揺さぶり方が実に堂に入っていて気持ち良い。少し古めかしいくらいの虚淵節が見事なまでに世界観にマッチしていた。




豊かな表情を浮かべる人形達の細かな動きから、少々グロいまでのアクションシーンの切れ味まで、隅々からスタッフの優秀さが伝わり下手なアニメの何倍も面白く、脚本家としてでなく演出家としての手腕も虚淵さんにはあるなとつくづく思った。時代は3DCGに傾きつつあるわけだけど、どんな先端技術よりも、もっともアナログな場所にこそ表現の基礎があり、それが廃れることは無いのだと実感出来たことも嬉しかった。


人形劇だからと云って観るのを止めた人は実に勿体無い。同じベタならこれくらい格好の良いベタを若いクリエイターにはやって欲しいし、是非見て欲しい。

そうすれば自分たちがいかに矮小な物作りをしているか思い知るだろうから.......
posted by lain at 07:20北海道 ☔アニメ

Not die Heroine!!!

 普段はキャラ見アニメがどーの、ハーレムアニメがどーのと、文句ばかり言ってる僕ですが、なんだかんだ言って可愛い女の子キャラは大好きだ。なんなら女の子に見えれば少々声が野太くてち○こがあろうと気にしない(逆に好物)ほど節操もない。


 そんなザマだから、夏アニメのヒロインにも目移りしていた。演技力や作品の内容込みで真っ先に好きになったのは「orange」の”高宮菜穂”(CV 花澤香菜)。今時高校生でこんなにしてる女の子は居ないんじゃ無いかと思うものの、やはりする女の子は可愛いもので、すっかり一緒になって泣き笑いしてしまった。


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 同じように「Re:ゼロから始める異世界生活」の”レム”も一途で眩しかった。もはや絶滅危惧種と思われる男に尽くすタイプだから、世の駄目男達に絶大なる支持を集め、はっきり言ってメインヒロインを完全に食っていた。ある意味、そんな尽くすタイプのレムではなく、厳しい言葉を投げつけて去ったメインヒロインを選んだ主人公は偉いのかもしれない。なんにせよ、レムは「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」で”シャミール・キトラ・カトヴァンマニニク”も演じていた水瀬いのりの演技力が光るキャラだったと思う。ちなみにシャミール殿下だが、公務の際お召しになる衣装が個人的には凄くツボに入った。女の子の鼻の穴をあえて描くセンスも気に入った。少々クセのあるアニメ化だったから賛否は割れてしまったが、原作の表紙よりアニメ版の方が僕は好きかもしれない。


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 どうしても原作物は原作から入ったファンに難しい顔をされる場面が目に付くけれど、僕が原作から好きだった「甘々と稲妻」のアニメ化は本当に上手くいっていたように思う。キャストが発表された時、兎に角俺得人事でさいこー!だと感じた通り、実際"つむぎ"と小鳥ちゃん(CV 早見沙織に動きと声が付いたら”めんこい”ことになっててひたすら顔が緩んで仕方なかった。特に寝込んだお父さんのために”つむぎ”が一人で小鳥ちゃんの所へ行く回は原作以上のつむぎを描いていて素晴らしかった。それと、めぞん一刻を今作るなら絶対に管理人さん役は早見沙織しかいないと常々思っているのだけど、今回の早見沙織嬢は天然の可愛らしさと包容感溢れる演技に磨きがかかっていて、つむぎ役の 遠藤璃菜ちゃん共々本当に癒された。蛇足ながら、小鳥ちゃんのお母さん(CV 新井里美)もエロ可愛いくて大好きです(はぁと)


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もう早く籍を入れて下さい先生っ


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「愛情を沢山込めて作ったからですよ♡」




 こんなふうに脳みそが膿んだ糞中年とはいえ、最低限の倫理観は有るもので、「プリズマ☆イリヤ ドライ!」の”イリヤスフィール”と”クロ”のべろちゅーにはヒヤヒヤした。もっとひっそりと同人でやるならまだしも、よく公共の電波でやれるものだと他人事ながら汗が出る。あれなら首が吹き飛ぶシーンの方がよほど健全なんじゃなかろうか?見たいけど見ちゃいけない魅力が危うい危うい。


 女の子同士の危うさでいうと、「あまんちゅ!」の二人、特に”大木双葉”通称”てこ”の方がかなりイケナイ香りをぷんぷんさせていたかもしれない。中の人が茅野愛衣さんだからというのもあるんだろうけど、真面目ゆえの危うさが艶っぽく感じられるキャラだったように思う。マイペースな”小日向 光”への想いがどんどん高まって、最後にはこんなに私が想っているのに!とか、こんな一方的に想ってる私が悪いんだ.....に、なってしまう未来をつい想像してしまう。悲恋な百合の同人誌にはもってこいな作品だ。


 初めは好きじゃなかった「ラブライブサンシャイン」も百合要素はあったけれど、そんな物より尻上がりに人間的魅力を増した”高海千歌”の真っ直ぐさが意外と良かった。最終回のステージが始まると、それまで抱えていたモヤモヤ(キャラの描き分けが微妙。無印をなぞるような展開)が少し晴れたような気にさえなった。それもこれも作り手の狙い通りだったら凄いが、どうだったのだろう?


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 今や1作品1ヒロインとは言えない時代。彼女達がいかに輝くかは原作者やアニメの製作陣の匙加減一つ。「ダンガンロンパ3」の”霧切 響子”や”七海 千秋”、それに”雪染ちさ”のように命運が別れてしまうのも世の常だ。


 秋アニメはどんなヒロインが輝き、どのヒロインが引き立て役に終わるのか?


 より多くのヒロインが輝く為にも、とりあえず気持ち悪い主人公(♂)のハーレムアニメが無ければ良いな.....




posted by lain at 06:45北海道 ☔アニメ

空っぽな男がスタート地点に立つまでの壮大な回り道に血の涙を見た「Re:ゼロから始める異世界生活」長月達平(原作)/渡邊政治(監督)/感想

 10月の三連休初日、本当はSound Scheduleのライブに行く予定だったのだが、結局一日中「Re:ゼロから始める異世界生活」を観て過ごしてしまった.....





 Sound Scheduleのことは「ピーターパン・シンドローム」で知った。大人ってなんだ?俺たち大人なのか?大人にならなきゃならないのか?....そんなことをいくら口にしても否応なしに大人にならざるえない戸惑いを形にしたような歌詞が、当時の僕にはとてもしっくり来たものだった。たった七年でバンドは解散するも、焼けボックリに火がついたとでも言えば良いのか、期間限定の再結成ライブ後普通に活動を再開。このチャンスを逃さずにライブへ行かねば!と息巻いていたものの、ライブ当日の朝は鼻水が酷い有様で出掛ける気力は枯渇。なんと間の悪い....




 その代わりにというわけでも無かったが、これほどまとめてアニメを観たのは久しぶりのことだった。ジャージ姿でだらだらコンビニで立ち読みをし、カップ麺とスナック菓子を買って外に出てみたら何故か異世界へ来ていて、まごついているところをゴロツキに絡まれ美少女に助けられるという酷く有りがちな導入ではあったけれど、その後のショッキングな惨状とやり直し展開がなかなかに生々しく、まるでシュタインズ・ゲートやダークソウルを遊んでいるような感覚で一気に楽しんだ。


 春に放送が開始した当初、おそらく僕はAパートだけを観て切ったと思う。不自然にお人好しなヒロインとキモオタ丸出しな主人公のやりとりを観ているだけで、またこういうアニメかと思い見切りを付けてしまったのだろう。Bパートまでちゃんと観ていれば、絶対先が気になって続きを見ていたはず。


 今回改めて観る気になったのは、かなり不純な動機からで、ヒロインの1人であるレムのコスプレをネットで見かけたからだった。もう兎に角ここ数ヶ月コスプレ界隈でレムのコスプレを見ない日は無くて、いよいよなんの作品なのか気になり調べるとRe:ゼロだったというのだから我ながら情けない。実際見てみると作中の女の子は皆可愛かった。イケメンや男の娘やキチガイ、女王様に子持ち女性、渋い叔父様まで出て来るから、キャラ見の面としてはかなり幅広い層にウケたことだろ。


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 しかもメインキャラクターごとの背景がしっかり描かれているため、より一層思い入れが湧いて来るのがたまらない。主人公を最初に助けたメインヒロインより、濃厚な時間を過ごしたもう一人のヒロインであるレムの方が断然メインヒロインに思えてしまったのも、そういった掘り下げが十分になされていたからだった(原作はもっと掘り下げているんでしょうな)これはレム人気が高くて当然だと思った。


 主人公が死に戻りする度、少しずつ自我が壊れていって、死に戻りしていることを話せない苦しみに押し潰され体面を取り繕うことすら不可能となり、駄目な自分を何度となく曝け出して美少女達に甘えるのも真に迫るものがあった。これぞ駄目男と駄目男に優しくしてしまう駄目女の痴情のもつれ!といったシーンに何度となく胃がキリキリしてため息が出た。こんな三角関係がマクロスΔで見れたら、どんなに良かったことか........(まだ言う)


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醜く歪む主人公の顔が最高に良かった


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主人公の最初の女性(意味深)となるエルザのサディスティックな表情や、それを演じる能登麻美子さんの声には心底ゾクゾクした....(ドM意見)



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報われない愛に直向きなレム。本当に愛おしくなる女の子だ。最初の頃はガ○ダムハンマーで主人公を....としていたのに....





 新しいことは何も無い作品かもしれない。でも、男心を擽ぐるツボの押さえ方や貰い物の魅力を貼り合わせるバランス感覚が上手い作品だった。ゲスいシーンはゲスく。エグいシーンはエグく。可愛らしいシーンは可愛らしく。戦闘シーンはムラがあったかもしれないが、大事な場面での登場人物の表情や中の人の演技はすこぶる良かった。演出と演技の勝利だと思う。


 まだ描いて居ないことが多いから普通に先が気になるところに、2ヶ月連続刊行の新刊でアニメの続きが読めるというのも巧妙なタイミングで出版社もやるものだ。まあ小説投稿サイト『小説家になろう』にて、作者がかなり先まで投稿しているから、わざわざお金を払わずとも読めるそうなので、どうしてもお金が無い人はそちらで楽しむのも良いかもしれない。無駄に食い荒らされている感のあるラノベ業界。こういった一般投稿サイトからの引き抜きの場面が更に増えて来るのでしょう。ネットの世界には、まだ手付かずの原石がアニメ化を待っているに違いない.....




 Re:ゼロを見ていたら僕らプレイヤーの思うがままにリスポーンさせているゲーム内のキャラクターに申し訳ない気持ちが湧いて来た。これからは1機でも大事にゲームを進めようと思う....


 あぁ、それにしても膝枕羨ましかったなぁ.......







小説家になろう連載ページ


TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オフィシャルサイト

posted by lain at 13:48北海道 ☔アニメ