片付け物を朝やろうとして放置しておいたら寝坊した。
「あんた疲れてるのよ」
母親にはそう言われたが、口が裂けても”オーバーウォッチ”のやり過ぎのせいだとは言えず、苦笑しながら「おはよう」と言った。
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兎に角FPSは疲れる。やっているうちはアドレナリンが出ているから平気なのだけど、寝て起きた時の疲労感は半端ではない。一時期FPSから離れた時などは、心身共に健康的なせいで仕事を頑張り過ぎてしまい損した気分にもなったが、FPSに熱中し過ぎた時の疲労感に比べればそよ風みたいな物だった。
オーバーウォッチは当初、ライトなユーザーでも楽しめる作品だと言われていたが、他作品で言うところのランクマッチにあたる”ライバル・プレイ”が始まってからは、一瞬の気の緩みが命取りとなるガチゲーとしての面がはっきりし始め、やればやるほど遊びじゃなくバリバリ仕事をこなしているような気分になっていった。
なんと言っても、PT・野良問わず組織力が物を云うゲームだから、尚の事そう感じるのかもしれない。特にライバル・プレイのシーズン2に入り(ライバル・プレイは一定の周期で初期化され、シーズンごとの戦績が残る)、サポートキャラであるゼニヤッタばかりを使っていたから物凄く忙しかった。味方の体力ゲージを逐一確認し、入り乱れる味方の中から疲労している者へ迅速に回復のオーブを取り付けつつ、ダメージを増加させるオーブを前に出過ぎた敵や、真っ先に倒すべき相手へすかさず投げ、自らもガンガン攻撃していかなければならないし、基本味方後方での位置取りが多いため、裏取りして来る敵への警戒も怠れない。ゼニヤッタで遊んでいると、まるで時間外どころか休日出勤分の賃金まで貰えないまま事務仕事から現場まで何もかもこなさなければならない中間管理職気分になり非常に見につまされる....
お陰様で上手くいか無い時のストレスも酷いもので、負けが込んでいる時の自分のTwitterを眺めると、味方プレイヤーへの悪態と運営のマッチングシステムへの不満で溢れており、こんなものを見せられているフォロワー達はさぞかしうんざりしているんだろうなと、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
そうまでしてなぜ止めないのか?それは勿論勝利の味を知っているから。ボイスチャットも無い野良プレイヤー同士が"今自分が何をすべきか"を考え行動し、それが上手くハマるとこの上なく気持ち良いのだ。仕事もこれくらい噛み合う瞬間があれば、どれだけ気が休まることか....
以前より上手くなっているのを実感すると、尚更またやりたくなってしまってタチが悪い....
ライバル・プレイを初めてプレイする際、認定マッチという物があり、たった数戦でスタート位置が変わって来る。それはまるで受験の理不尽ささながらに格差を生み、実力以上の位置でのうのうとする者と本来の力を発揮する間も無く振るい落とされた者との確執に繋がっていたりする。正直言ってこの認定マッチには納得が行かない。何故せーのでレート1からスタートではいけないのだろう?たまたま良いマッチングに当たらず低いレート帯に落とされたプレイヤーは、よほどの根気が無い限り遊ぶのをやめてしまうような仕様だ。勝ちが続くと自分よりレートの低いメンバーと組まされる場面が増え、懲罰マッチとまで言われるようなマッチングシステムも相俟って、オーバーウォッチは社会の縮図そのもので、キャラクターの愛らしさに闇が深い。
僕は昨夜やっと一つレート帯が上がりプラチナへと昇格したものの、ここまでの道のりがあまりに険しかったため若干燃え尽きている。このレートまで来た事で、どう立ち回るかを理解したプレイヤーが増えた今こそ楽しめそうではあるのだけど.....
それでも、なんだかんだでオーバーウォッチを遊んでしまうんだろうな。たまには違うゲームやらないか?俺.......
(´-`).。oO女性キャラの尻ばかり見て喜んでいた頃が懐かしい......