【暗殺】= 人をひそかにねらって殺すこと。「暗殺教室 (21完)」松井優征/集英社/感想

人間は有史以前から星を眺めてメルヘンチックな気分に浸って来たはずだ。

なんの根拠も無いが、七夕の夜にふとそう思った。


天の川を挟んでこの時期よく光る星を眺め「あの二つの星、なんかあたしらみたいじゃん?」と言ったか言わなかったかは分からないけれど、誰かが思いついたロマンチックなストーリーが様々な形で広まったり、流れ星が流れているうちに願い事をすると叶うという迷信を楽しんだり、無駄にあれこれ空想してしまう人間という生き物は元来幸せな思考回路を持っているのかもしれない。

夜空には、2000億以上の星があるというけれど、我々地球人にとってもっとも親しみがある星は月に違い無い。有人の宇宙船が辿り着ける今の所唯一の星だ。別にそこまで行ったからなんだということは無いが、SF好きとしては一度は遊びに行ってみたい場所でもある。そして、そんな月をドラゴンボールぶりに(僕が知ってる限りの話)ジャンプで破壊した漫画が暗殺教室だった。

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 とある学校の3年E組に突如月を破壊したという化け物が担任として赴任して来て、地球も月と同じ目にあいたくなければ、来年の3月までに自分を殺してみせろと言う、わけのわからない導入だったが、化け物を教師として受け入れている生徒達が暗殺を通して成長してゆく過程が実に良い漫画だった。Twitterのフォロワーさんの呟きでこのタイトルを知った時は、流石少年誌で”暗殺”とか大丈夫か?と勝手に心配していたけれど、内容は至極現代を生き抜く術を子供達に伝えたいという気持ちに溢れていて、少々の無理は勢いで乗り切ったりしているが、ここぞというところはしっかり向き合い描いており、”殺す”よる”生かす”精神の作品だったなと今にして思う。暗殺教室に生きるヒントを貰った幼い世代が大人になったら、どんな価値観で社会を乗り切って行くのか気になるところだ。

 にしても、マッハ20で動き回れる化け物教師”殺せんせー”の生徒全員相手になんでもかんでも教えられるという行き届いた教育は本当に理想的。現実には人件費の問題で1生徒1教師とはいかないものだし、そのうちAIが一人ずつ生徒の相手をするような時代が来るかもしれないが、それはそれで何かしらの弊害が生まれそうである...




 流石に作中の時間と連動し1年間で完結するなんてことは無かったけれど、ジャンプ漫画らしく発刊ペースが速かったのも個人的には良かった。雑誌は買わず単行本が出てから読む人になってから、次のが出る前に内容を忘れてしまうことが多くなったし、記憶が新しいまま次が読めたのは本当に助かりました。松井優征さん、そして編集の皆さんお疲れ様です。



 この表紙に心奪われる僕も十分ロマンチストだ......

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posted by lain at 07:04北海道 ☔Comment(0)漫画