泣いて笑ってそれがどーした?!<3月期〆アニメ感想>

 もう4月も10日となり、新入学だの新年度だのと世の中妙に忙しない中、呑気に録り溜めたアニメを観まくって目がしょぼしょぼしている僕ですが、ようやく3月いっぱいで終わったアニメを観終わりました。時は金なりなんていうけれど、本当、オタクにはお金以上に時間が足りないものですね。

 既にマザコン臭(悪い意味では無い.....はずw)のする美味しいアニメ達を片付け、お腹一杯な感もあったものの、ネタがあまり被らない作品が多かったからか、別腹でまだまだいけてしまいました。それでなくともアニメの製作本数が増え続けている今時代、ジャンルや方向性が被らないように製作会社同士積極的に談合するのも必要かもしれない。



  
 それにしても本当に色んなアニメがあったと思う。特にイケメン達のド直球な青春に焦がれてしまう「プリンス・オブ・ストライド オルタナティブ」は、「ペルソナ3」のコミカライズや「旋光の輪舞」のキャラデザなどでお馴染みの”曽我部修司”さん原作であるせいか、乙女ゲージャンルであっても男が普通に夢中になれる作品で、まったく期待せず観始めたから完全に不意打ちを食らった。パクリとは言わないが、何処か3以降のペルソナ(ゲーム)の演出を彷彿とさせる見せ方も上手く、作画の色味、掛け合いのテンポ共々ゲーム好きには堪らないものがある。純粋なスポーツ物の「ダイヤのA」や「ハイキュー!!」に負けじと迫力のある競技シーンも実に熱かった。

 その「ダイヤのA」「ハイキュー!!」も一旦終わりを迎えてしまい寂しい。少々作画やテンポの問題はあったが、監督を辞めさせない為にもと頑張った選手達やOBの気持ちに普段見せることの無い涙で応えた”片岡鉄心”の男気を見れただけでも十分ここまでアニメ化した価値があったと僕は思った。片岡監督役の”東地 宏樹”さんに抱かれたい漢達が、次のシーズンを求めて列を成しているのが容易に想像出来る最終回だった。 

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 ハイキューはハイキューで、相も変わらず子供染みた意地と意地のぶつかり合いがヒリヒリと感じられたのが嬉しかった。無心になった時の選手の物凄い形相が特に印象的で、若干怖いくらいに見えるのが妙にリアルに感じられるのが、やはり良い。どう考えても次は負ける予感がするが、何度打ちのめされても這い上がる日向と影山の姿をまた見たい気もするし、敗北も蜜の味になってしまうのがハイキューなのかもしれない。あと、バレーって格闘技だったんだなって、ちょっと思ってしまった。



 汗臭さの次は、斜め上から攻殻機動隊の世界へ切り込んだ「紅殻のパンドラ」の話でもしようか。正直最初は、少女の股間を触りたい中年が自分で触ると犯罪だから、少女に少女の股間を触らせようという仕様も無い発想から出たトンデモナイ作品だなと思ったものの、随所で攻殻機動隊への愛あるネタや、オタクだけがニヤけるようなオマージュが見られた事が地味に良かったのと、主人公である”七転 福音”の破壊力ある天然っぷりや、小動物感のあるクラリオンの愛らしさにじりじりと毒され最後には結構お気に入りのアニメになっていた。『憎めないネタの宝庫』そんな作品だったかもしれない。

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 憎めないというか、憎みようが無いネタの宝庫だったのは「おそ松さん」だったろう。イケボに操られる一癖も二癖もある六つ子達の凶行の数々には何度となくドン引きしたけれど、それでも嫌いになれなかったのは、六つ子達が僕ら現代人の鬱憤をこれでもかと体現したキャラだったからだろう。したい仕事が無い。そもそも働く気が無い。お金は欲しい。彼女(彼氏)も欲しい。幸せそうなやつを見るのは嫌い。でも幸せにはなりたい..... 都合の良いことばかりを思い浮かべ、足の引っ張り合いをし合う彼らの姿はまさに僕ら自身で虚しくも愛おしいのだ........ こんな作品が大人気というのは、実はかなり社会的には良く無いことだと思うが、ただ鬱々と過ごすよりは、六つ子達のように思い切り馬鹿をやって肩の力を抜くのも必要なんだろう。このままで終わりそうに無い彼らの活躍にひっそりと期待しておこうと思う。

 期待を裏切らなかったと言えば、「ルパン三世」の新TVシリーズが素晴らしかった。片目を瞑って見ると3Dに見えるというOPの遊び心も憎いが、なんと言ってもイタリアという舞台設定が凄く良かった。古い建物が残る美しい街並みにルパンの姿は見事にハマり、カリオストロの城以来久々に美術の良さを感じるルパンだった。新ヒロインのレベッカにしても、成熟した女”峰不二子”とはまた一味違う未成熟だが良い女になるだけの素質があり、ルパンらしいヒロインだったように思う。反響音から獲物の位置を見つけられる能力を持つMI-6のエージェントや、現代に甦ったダヴィンチがこの世を憂いてルパン達の前に立ち塞がったのも面白く、何かと新要素が投げ込まれている割に、とてもルパンらしいルパンが凝縮されていて楽しめた。 栗田貫一氏に声が変わってから、惰性で続けていたTVSPからの脱却を目指した「LUPIN the Third -峰不二子という女-」「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」を経て、ようやくここまで本編を立て直したスタッフに感謝したい。もう要らないとさえ思った時期もあったのに、今は嘘みたいに次のルパンが見てみたい。

 ルパンでのダヴィチ登場のように、偉人が現代に順応したら、一体どんな活躍を見せるのだろう?といった僕らの好奇心を刺激するような作品が近年複数見られるが、こんな偉人の使い方もあったものだと思ったのは「石膏ボーイズ」だ。まさかのの石膏がアイドルをしてる!ていうか喋ってる!!それだけでも空いた口が塞がらないのに、ちゃんと彼らが社会に受け入れられているのが本当に変で最高だった。枕営業的なアレでスキャンダルをなんとかしようとする回などには、2次元の隙間産業化も来るところまで来たなとつくづく思ったものである。表情一つ変わらないはずの石膏に声を当てるだけでここまでドラマが成立出来てしまうことが凄く恐ろしい.... まあ、角度や影の入れかた一つで石膏像の印象はガラリと変わるから、あながち無茶でも無いのかもしれないが、色々とシュールで本当に楽しかった。 同じ枠内で放送していた「おしえて! ギャル子ちゃん」は”能登麻美子”さんのナレーション込みでドギマギしたし、別の誰かの手で作り直されても色褪せない”新海誠”さんの良さが仄かに香る「彼女と彼女の猫」は、雨や雪、生活音、そしてセンチなモノローグが物静かな中に木霊して、寂しいけれど何処か温かい作品になっていて、猫への愛おしさが止まらなくなった。「ウルトラスーパーアニメタイム」にはこれからも期待したい。

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※原作










 本当の本当に沢山アニメを見て、沢山泣いたり笑ったりした。普段の嫌なことも吹き飛ぶ良い時間だった。「いとしのムー子」で無邪気な犬に萌えたところで、実際の犬に触れることは出来ないし、世界の存亡をバディファイトで決めるような作品を見たって現実の自分にはなんの能力も芽生えはしないだろう。死んでも死なない新人類と人類の痛みの伴う戦いを目撃しても同じことである。
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※えげつない割に可愛らしいお目目の「亜人」サトーさん


 駄菓子好きの巨乳と女装子にしか見えない幼馴染が可愛いアニメを見たって、自分がモテモテになるわけでも無いし、どこぞの王子とたまたま知り合った薬剤師が、トントン拍子に妃へと近づいて行く「赤髮の白雪姫」のような甘い出会いだってまずありえない。

 だがそれがどーした?

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「ねぇ、それがどーしたの?」IMG_1310.jpg
「いや、どーしたって言われても...」




 退屈な現実なんてものは日常に腐るほど溢れているのだから、ありえない物こそ見たい。それが人情だ。それがアニメだ。

 どんなに時間の無駄と言われようが、逃避だと言われても構わない。事実そうだろうとも思う。でも、今更止めるなんて出来そうも無いほど、アニメは僕の人生に染み付いてしまった。酸素が無ければ生きてこれなかったのと同じように、アニメが無ければ今の僕は居ないのである。才能が足りない分を気合で乗り切る主人公に勇気を貰い、理不尽な環境の中で成長して行くストーリーには忍耐を教わり、才能と相反する志の前に倒れた紅茶好きの中年には人生そのものを学んだ。 正しいかどうかなんて分からない。たとえそれが刷り込みに過ぎないとしても、実感が伴うからこそ共感したのは確かなのだ。もう血と肉になったこれらを僕から引き剥がすなんて事など出来はしない。全部込みで僕なのだから。



 本当に救いようの無い人生である。きっと、もっと気楽な生き方があったことだろう。身の丈のあった人生を心から望むことが出来たなら、アニメに狂うことも無かったはずだ。

 ほんと、何もかも叶えるには人生は短過ぎる!

 遺伝子をちょちょいと弄れる時代よ早く来い!!

 だなんて思ってしまうけれど、それこそ創作物じゃないとまだ味わえない話だから残念極まりないなぁ.....
posted by lain at 01:13北海道 ☔Comment(0)アニメ