叢雲の肋骨は、水葬にします.....

刑事「なんでこんなことしたの?」

僕 「ただの出来心だったんです....」

刑事「大破したままダメコンも積まずに進めば、こうなるってことくらい今時小学生だって知ってるでしょ?」

僕 「本当にすみませんでした.......」

刑事「俺に謝られても困るんだよ貴方。亡くなられた方と、その家族に伝えなきゃ。もう戻って来ないんだよ?叢雲さん.....」

僕 「うぅぅぅぅ.....」


刑事「とりあえずどうしてこうなったのか最初から話て」

僕 「はい....あれはそう、確か北方海域での事でした....」



初めて、艦娘が轟沈した。

今までに見たことも無いで告げられ、本当にあっさり居なくなった.....



普段からダメコンは積まずに遊んでいた。ダメコン積むぐらいなら少しでもアイテムでパラメーターを上げたかったのだ。どうせ危なくなったら引き返せば良いのだから。

ところが、その日の僕は本当にどうかしていた。既にボス手前で大破していたにも関わらず、後はボスだけだし大丈夫だろうと高を括ったのだ。

結果は当然のように轟沈。まさにヒューマンエラーの見本のようだ.....

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ひたすら自分の好きなデザインや性能の良い娘を選んで戦略もへったくれも無い遊び方をしていたせいで、少し前から壁にぶつかっていた。特に軽巡と駆逐艦だけで進めというキス島沖の撤退作戦に泣かされていて、たいした装備も無いまま何度も何度も運任せで強引に出撃させたものである。

ようやくレベル上げが進んで、今度こそという気持ちがきっと強すぎたに違い無い。少年漫画じゃあるまいし、気合いや根性がプログラミングにまで影響を与えるわけも無いのに、なんとかなると思い込んだ僕が阿呆だったのだ.......

特別強いというわけでもなかった”叢雲”だが、最初に選んだ”五月雨”の次に好きになった艦娘であったし、思っていたより喪失感が漂っている。それこそただの止め絵とCVとプログラミングの産物でしか無いのだから、代わりの叢雲を拾ってくればそれで良いだけであるのに、あの叢雲は帰って来ないと思うと寂しくなるのが不思議だ。

しかもこういう時に限って叢雲がドロップしないからヤキモキする。こちらとしては早く新しい叢雲を迎えて忘れてしまいたいのに、まさかロストさせた艦はわざと出難くしているんじゃ無いだろうな?!と、疑心暗鬼にまでなる始末.....


新米提督の僕が言うのもなんだが、油断してると本当に轟沈する羽目になるので、手塩にかけた娘たちを失いたく無かったら無理だけはさせちゃいけませんぜ.........

あぁ....俺の肋.......俺の黒タイツ........俺の眉...........艦バック叢雲っ!

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posted by lain at 07:20北海道 ☔Comment(0)ゲーム

息継ぎも忘れて潜ってしまいたい....「深淵を歩くもの」小中千昭/徳間書店/感想

徳間が”デュアル文庫”を立ち上げたあの頃、2、3点気になる作品の一つだった本作。lainの小中千昭さんだと分かっていても、何故か買わずにスルーして「野望円舞曲」だけを手に取っていました。まだ”田中芳樹”氏の本ばかりの偏った読書をしていたせいかもしれない。その数年後買おう思った時には微妙に価格が高騰してなかなか手に入らなかった....

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 ”伊藤郁子”さんのイラストが可愛らしい表紙には、タイトルより大きく小中千昭と書かれてある。何処かでド派手に連載して来た長編では無く、細々と続けて来た短編であるし、脚本家としてはメジャーであっても、小説家としての知名度が低い小中さんを象徴した装丁なのだろう。

 「魔法使いTai!」で親しくなって伊藤さんに表紙を依頼したのでは無いかと思うが、内容は実に古典的なホラーでドロドロ。「稀人」の元ネタになった「部屋で飼っている女」は勿論のこと、病んだ主人公ばかりの短編一つ一つがあとひと手間加えるだけで映画化出来そうだった。 

ただ、これぞ小中千昭の本業といった趣きなので、淡白だがコンパクトによく纏まっている今のままでも下手に長編で書くよりホラーの見せ方が直に伝わって良いとも思う。小中ワールドは、あまり踏み込むと本当に精神を病んでしまいそうになるので、もうちょっとこの先を覗きたいくらいの距離感も悪く無いのかもしれない。

それにしても、巻末の”あとがき”までホラーな内容だったのには思わず顔がにやけてしまった。









 活字でしか刺激出来ないツボというのが僕らの身体にはあると思う。だが小中千昭作品から漂う得体も知れない感覚を活字だけで終わらせるのは本当に勿体無い。意味不明と言われても、小中さんのイメージ通りにアニメや実写で表現出来たなら、それこそ百人百通りの感想が生まれる作品に仕上がるはずだ。

 僕自身、いつまでもlainの亡霊に取り憑かれているから、こんなことを書いているだけなのかもしれないが、セリフや説明の多さに食傷気味になる最近の作品に触れていれば、自然と感覚だけが頼りの深淵を歩きたくなるというものである......










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posted by lain at 07:16北海道 ☔Comment(0)小説

素敵な不幸、要りませんか?「昨夜のカレー、明日のパン」渡辺ペコ(漫画)/木皿泉(原作)/幻冬舎/感想

物語というやつは、大抵嘘っぱちの作り物だ。どれだけ客観的に作られていようとも、形にする為の手順を踏んだ段階で、どうしても何者かの作為が働いてしまうからだ。極端な話、ドキュメンタリーでさえ例外ではありません。カメラを向ける者、向けられる者が、どれだけ意識せずに行動しようとしても、そう易々と互いを意識の外へ追い出せるものでは無いのです。

いっそ対象に許可を得ず、完全なる盗撮をノーカットで収めたならば、本当の意味でのドキュメンタリーが成立するのかもしれないけれど、それはそれで別の問題が起きてしまうし、第一テンポが悪い上”見たく無い(見せたく無い)”物まで露呈しては洒落になりません。虚構でも真実でも、僕らが望むのは”それらしい”物であって、”それ”そのものである必要は無いのです。”真実はいつも一つ”だなんて言ってる名探偵も、結局のところ誰かが望む物を提供するサービスマンですしね。

そういう意味で言うと、本作を書いた”木皿泉”さんと、本作を描いた”渡辺ペコ”さんは優秀なサービスマンなのかもしれません。


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この話を端的説明すると、一人の男がさっさとくたばって、彼と関係のあった人達がそれぞれの気持ちを整理するかのように過ごしている、何気ない日々の一コマ一コマを味わい深くオムニバス形式で描いた作品です。一人目の主人公は、くたばった男の妻で、義父と二人暮しのテツコさん。大して親しく無いご近所さんと虹を見て笑ったり、お付合いしている男性のプロポーズを躱したり、変わり者の義父とたわいも無い会話を楽しみつつも、旦那を喪ったショックを引き摺る女性。独特のセンスを持った困った人だが、何処か愛らしい。

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死にゆく人を看取った者だけが口に出来る重いセリフ

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他人と少しズレた道徳観念が魅力的




二人目は男の幼馴染でご近所さんの女性。三人目は自分に無い物を持っている男に憧れていた従兄弟の青年。そして最後には......といった風に、様々な人の視点で一人の男の死と生が描かれて行きます。

なんていうか、感情の抜け具合がとても良いなと思いました。胸にぽっかり穴の空いた人間の表情が凄く”それらしく”見えるんです。

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ぶっちゃけ生き死に翻弄される人々のドラマなんて使い古されていて、今更何も驚くべきことは無いのですが、これだけ丁寧に優しく嘘を扱われたら、流石にじんわり来る物がありました。脚色とリアリティのバランスが上手いので、ベタであっても安っぽくなっていません。テツコさんと大事な時間を過ごす男二人や、死んだ男への愛おしさが自然と湧いて来ます。甘みの足りないスイカに塩をかけるように、程よい不幸は人生に必要なのかもしれない。

恋も結婚も別に絶対しなければならない物では無いけれど、こんな素敵な不幸に胸を締め付けられると、やっぱりいつか、誰かと........なんて思ってしまう今日この頃でありました...........

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posted by lain at 07:00北海道 ☔Comment(0)漫画