逝くアニメに掛ける言葉があるとしたら.....

 2015年も365日目がもう直ぐ終わる時になって、ようやく今期最終回のアニメを見終わった。

 全くもって季節感無しの大晦日の過ごし方であります。






 今期は非常に粒揃いの作品が多く、非常に時間が足りない日々を送って来たが、続編を匂わせるような終わり方を迎えたり、連続2クール放送する作品ばかりのため、年内終了の作品にはそれほど思い入れがある作品は無かったような気がする。「ワンパンマン」「ノラガミARAGOTO」「ご注文はうさぎですか??」「進撃!巨人中学」「すべてがFになる」「終物語」などなどの原作付きは当然普通に楽しかったし、「スタミュ」「ハッカドール」「影鰐」「ヴァルキリードライヴ マーメイド」のように期待して無いところが地味に良く出来ていたりした。地元が舞台だったからというのもあって「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」もそれなりに楽しんでしまったわけだが、どれもこれも終わってみれば飛び抜けて凄いと言うのとはちょっと違う、優等生アニメばかりだったように思えてしまった。ツブゾロイだったのが災いしたのだろうか?

 他の作品もいつも通りの画面が光るエッチなアニメや、笑えるイケメン達に乙女達があれこれ妄想したくなる作品、更にはネタが被りまくるライトノベル勢など、相も変わらず似たり寄ったりな物ばかりだから、半分BGMとして流していただけになっていた物もあった。無駄なセリフの多いアニメになればなるほど、耳で聴いているだけでストーリーが分かるし、声優を愛でるのにも十分なのである。


 そんな中、たとえ微妙でも足掻いている作品達もあった。真っ先に思いつくのは「アクエリオンロゴス」。初代、そしてEVOLと、雰囲気や繋がりを残したままやって来たのをガラッと変え、ベクターマシンの存在や不動GENの言葉遊びを特化させた世界観、そして激しい愛憎の捻じれと言うコンセプト以外はまるで別のアニメを見せられているような気分にさせられ、何度と無く不満や違和感が込み上げた。

 当然無理に変えようと努力しているのだから、まとまる物もなかなか纏まらずツギハギの無様なアニメに終わった。中盤から方向性が纏まり安定感が増したものの、最終回に初代アクエリオンの名曲を挿入してしまうなど、製作陣のプライドを疑ってしまう場面は最後まであったのである。

 だが、何か唯一の物を作ろうとしている気持ちだけは見えた気がする。与えられたコマ。目の前に鎮座する偉大な壁。テレビの向こうからの圧力。様々な困難に頭を悩ませながら、ちゃんと26話作った事は尊敬に値する。作らざる者より作って非難される者の方が断然格好良い。


 Kやコメット・ルシファー、ファフナーもそうだ。Kはあざとくファンの心を握りつつ、野心的な色使いとカメラワークで意味不明な世界を魅力的に楽しませてくれていたし、両手いっぱいに名作の輝きを掴んで走り出したら、どうにも上手く行かなくなって、なるように任せてみたらちょっとだけ良い感じに終わらせることがコメット・ルシファーにも出来ていたように思う(微妙は微妙だけど)。ファフナーはシリーズ一つ一つの間が開き過ぎて、何が何やら全然着いて行けないのに、作品全体から伝わるテーマだけは物凄く心に届くから、とても良い後味が残り最初のシリーズから一気に彼らの足跡を辿りたくなった。

IMG_9994.jpg 一騎と総士が手を握り水平線を眺めるラストシーン







 歳を取るたび「見たことがある」が増える


 遥か昔のように口伝や質の悪い紙にしか創作物を残せなかった時代と違い、今はほぼ永遠に寸分の狂いも無い状態で偽りの世界を残せてしまうから、次から次へと作品が生まれ歴史の隙間を埋めてゆく為、どんなに新しい物を作ろうと足掻いても、あっさり「パクリ」と切り捨てられることが多い。本当の意味でオリジナルの創作を行うなら、誰も踏み入れたことの無い土地にたった一人生まれ堕ちるしか方法は無いのかもしれない。

 だがそんなことは無理だ。人の赤子は一人では絶対に大きくなれない。第一子は生れながらにして、模倣することにより人間らしさを学んで行くのだから、たった一人では言葉さえ話せ無いことだろう。いっそ腹をくくり、優れた文化を受け継ぐのが使命であると、割り切って生きられれば良いのかもしれないが、新しい世界を夢見ることを捨て切れないのが人間の性と言うものである。

 安心、安定は必要な物ではあるが、不安や不安定も僕らを生かすエッセンス。一度しか無い人生で、まんまと見知らぬ世界を作る仕事にありつけたなら、是が非でも無茶を承知で駆け抜けて欲しいものだ。傍観者の戯言に耳を貸す必要も無いが、真に自分が遣り甲斐を感じる創作にこそ、命の時間を割いて貰いたいと心から思う。





 『来年こそ』

 そんな言葉が頭によぎるうちは、まだあなたの中で燻り続ける物が死んでいない証拠だろう。たとえ同じ風景でも、見る角度を少し変えるだけで新しい発見が必ずあるはず。まだまだ絶望してる暇は僕らには無い。古くて新しい世界を来年も探しに行こう。




 ララァには、いつでも会いに行けるから.....(唐突)



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posted by lain at 23:14北海道 ☔Comment(0)アニメ

大人にもガンダムを愛させて下さい「機動戦士ガンダム サンダーボルト 第1話」太田垣康男(原作)/松尾衡(監督)/サンライズ/感想

 好きなガンダムは?・・・・

 そう問い掛けられて全く答えられない人は、若い世代にそれほど居ないのでは無いかと思うほど、アニメファンに限らず一般的に受け入れられるようになったガンダムシリーズ。それぞれに一番しっくり来る作品があり、赦せない作品もあることだろう。


 僕にとって一番のガンダムとは初代ガンダム劇場版の3作目”めぐりあい宇宙”。おかげで”宇宙”と書いて”そら”と読ませる歌詞や文章を見掛けると、全てガンダムの影響だと勘ぐってしまうほど毒されている。兎に角アムロとシャアの因縁が大好きだから、当然Zや逆シャアも大好きだ。

 どれだけ後に作られたガンダムの方が戦闘シーンが綺麗でストーリーのまとまりが良かったとしても、富野監督だけの手腕では無く、安彦さんや大河原邦男さん達との仕事っぷりが上手く噛み合ったからこその奇跡とでも言うべき初代は永遠に特別なまま僕の胸に刻まれ続けることだろう。




 僕だけではなく大勢が愛して止まないであろう初代には外伝作品も非常に多い。

 最近なら、シャアこと”キャスバル・レム・ダイクン”とその妹である”アルテイシア”の過去話を安彦氏が新たに掘り下げた「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」が映像化されたし、ジオンの工作員がガンダムの試作機との不毛な戦いに身を投じ、その一部始終を目撃してしまった少年がちょっぴり大人の階段を上る「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」や、ガンダムシリーズの中でも異色な主人公の一人であるシロー・アマダが理想と愛する女の為に命を張る「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」など、挙げればキリが無いほど様々な作り手が自分なりの一年戦争を描いて来た。

 そこに、太田垣康男さんも仲間入りしたわけである。





 サイド4”ムーア”があったと言うサンダーボルト宙域で、二人のエースパイロットが出会い、一年戦争後も長きに渡り因縁が続いて行くというストーリーなのだけど、もう隅から隅まで太田垣康男さんの持ち味であるSFな脚色が行き届いた、今までに観た事が無いガンダムになっていて、原作コミックを初めて読んだ時は本当に痺れたものだった。何より思春期の子供ではなく、人を殺すと言う事がどういうことなのかをちゃんと理解している大人の軍人を主役に据えているのが素晴らしい。”ニュータイプ”と言う言葉を使えば、便利に何歳でも許されてしまうというのは、やはり大人の目からするとリアリティに欠けるのである。

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タイトルコールのバックを彩る美術だけでも飯がお代わり出来る


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見るからに問題児なイオ・フレミング

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艦長と言う重圧に押し潰されそうなクローディア・ペール

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イオと最悪の出会いを果たす両足義足のもう一人の主役”ダリル・ローレンツ”

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ダリルに亡き恋人の仇を討ちを願う”カーラ・ミッチャム”教授


戦争に正義も悪も有りはしないことを痛いほど代弁してくれる4人である




 MSのデザインにしても、宇宙で運用する為にはこういう物が本当は必要だろうと言う細かな設定の付加が行われていて、特に特徴的だったのが様々な作業をこなす補助アームである。宇宙空間、特に戦闘宙域には当然デブリも多数あるはずで、それらを防ぎつつ戦闘をせねばならないと考えた時、両手に武器を持ったままデブリ対策は取れないわけで、じゃあデブリや敵の弾を防ぐ為に複数の盾を通常の腕とは別に取り付けたアームで操作すべきだろうと太田垣さんは考えたのだ。アニメ版の1話冒頭でも、スナイピングの姿勢時にカメラの視界へと入り込んだデブリを補助アームで取り除くシーンがあって、ついおおっ!と思ってしまったものである。

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 原作とほぼ同じではあるけれど、アニメとして分かり易くする為、セリフや場面構成がかなり弄られており、原作と比べるとスッキリシェイプアップされた印象を受けた(もしかするとこの辺りは賛否あるかもしれない)。元々ガンダムが悪役っぽく扱われているのもあるけれど、アニメ版の方がガンダムのパイロットである”イオ・フレミング”の性格が凶悪そうに描かれていてドキっとさせられる。知れば知るほどそこまで悪い奴では無いことが分かって来るイオだから、彼の二面性を出す為にもこれくらい派手に悪ぶらせた方が面白いかもしれない。

 作画にしても流石はガンダムUCを作ったサンライズの第一スタジオだけあって良く動く(MSが飛び回るシーンはなんと手描きだそうだ)。これまた太田垣ガンダムの特徴である主役二人がコックピットで聴いている音楽(特にイオが好きなジャズ)に乗せ、宇宙空間を自在に飛び回るMSの姿は圧巻だ。この先腐るほど、MSに生身で乗ることがいかに大変か伝わるシーンがあるし、サンダーボルト独特のギミックの数々が動くのが待ち遠しい。





 配信が開始しているアニメ版第1話は20分無いくらいの尺ではあるものの、『一年戦争に挑んだ者たち~ドキュメンタリー オブ サンダーボルト~』と題し太田垣康男さんの仕事現場を押さえた特典もあって充実していた。普通に有料配信で観るもよし、原作コミックの新刊第7巻の限定版に付属したコードを使用して鑑賞(限定版ではドキュメンタリーの半分ほどしか観れない模様)するのも良いだろう。レンタルで250円、何度でも観れるセル購入(こちらならドキュメンタリーもフルで観れる)も500円と言うから割安でもあります。


 これまで何度も大人向けを謳ったガンダムはあったけれど、本当に今度こそ大人が愛せる宇宙世紀であると僕は思う。

 『MOONLIGHT MILE』ファンも、今しばらくサンダーボルトにお付合い願いたい。

 紛れも無いガンダムで、紛れも無く太田垣康男漫画の真髄を楽しめる作品だと思うので。






 公式サイト http://gundam-tb.net/index.html

 機動戦士ガンダム サンダーボルト 外伝 http://www.ebigcomic4.jp/title/?title=340051 

 【インタビュー】大人が読んで共感できるガンダムが作りたかった 『機動戦士ガンダム サンダーボルト』太田垣康男【前編】 http://konomanga.jp/interview/4281-2 







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posted by lain at 14:39北海道 ☔Comment(0)アニメ

あ〜んたっちゃぶるっ「Guns, Gore & Cannoli」Crazy Monkey Studios/PC/Xbox One/PS4/感想

 ホリデーシーズンに入ってから、巷じゃ”STEINS;GATE 0”だの”Fallout4”だので大騒ぎなのに、僕は未だにWarframeのアップデート責めに乗せられているから、イマイチ他のゲームが進められずにいる。

 それでも流石にお正月休みだと積みゲーも捗るというもので、なんとか本作を年内にクリア出来て、1cmくらい、いや1nm、1ymくらいは嬉しかった。









 禁酒法が存在した1920年代のアメリカを舞台に、マフィアの主人公がゾンビにクリーチャー、そして対立組織の人間や軍人相手に銃をぶっ放して進む横スクロールアクション。

 PS4やPCでも遊べる本作だが、あまり遊んでいる人が居ないのか日本語の攻略サイトや翻訳をしている人がほぼ皆無。5、6月の段階では今年中に日本語へとローカライズされたPS4版が出るとか出ないとか言う記事が上がっていたもののそれっきりである。なのでストーリーは完全に脳内補正しか無かった。

 親分に人探しを命令された主人公が、他所のシマまで行くのだけど、そこで待ち構えていたのはゾンビだらけの荒廃した街並みで、何故こんなことになったのかなんてそっちのけで、気に入らない連中をぶっ潰しまくるハードボイルドっぽいお話だって事は、なんか分かったつもり。

 と言うかストーリーなんてどうでも良いゲームではあった。ガシガシ銃を撃ち、手榴弾をぽいぽい投げ敵をバラバラに(演出がコミカルだからそれほどグロく感じない)して、まずは視覚的に楽しむゲームだったからだ。個人的にお気に入りなのは貫通力の強いマグナムでヘッドショットが決まった時である。他にも火炎放射器、テスラコイルなんて物もなかなか楽しい。

 しかし、ゲームを進めるうちに、それだけではないことに気付いて来る。少々難易度がキツイ場面でも死んで死んで死にまくれば攻略の糸口が見えてくるようになっている(イージーでもかなり死ぬようなバランス)し、各ステージのギミックも工夫を凝らしてあって案外飽きが来ない。だが武器の切り替えがあまりスムーズに出来ない仕様だから弾薬切れの時焦って死ぬ場面が非常に多く、案外骨太なシューターであるからプレイヤーによっては何処かでぷっつりと心が折れてしまうかもしれない....



 『Guns, Gore & Cannoli』と言うタイトルであるから、当然飛び道具が楽しいゲームなのだけど、個人的には接近戦用の武器も欲しかったし、左右だけではなく360度弾を撃ち分ける事が出来た方がストレスを感じず遊べたかもしれない。まあ2方向にしか撃てないからこその遊び心地と言うのも無くは無いと思うが、プレイスタイルの幅を狭めているように感じるのも無理の無い話だろう。

 ただ、一つ一つの弾薬を少なめにして、数ある銃を余すところなく使わせようとする匙加減は上手かったかもしれない。銃を使うどんなアクションゲームも、結局幾つかのお気に入りばかりに終始して、全く使わない(使えない)銃と言うのが生まれるものですからね。




 ゲーム自体は何処でも良く見かける物はあったけれど、マフィアのおっさんが主人公であること、荒ぶる人達が生き生きしていた時代背景であること、ゾンビがコミカルであることなど、独自の雰囲気を醸し出していたし、意外とマリオを遊んでいるような感覚に陥る調整具合が悪く無いゲームでした。

 日本がこういうジャンルを和製な世界観(極道、ヤクザ)で海外に輸出したら、結構ウケが良さそうな気がするけど、何処の会社も作らないんでしょうな。勿体無い。










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posted by lain at 08:29北海道 ☔Comment(0)ゲーム