上手に生きられないとお嘆きのアナタに朗報?です「残響 1巻」高橋ツトム/小学館/漫画/感想

 いつも救い難い人間ばかりを描いている高橋ツトムさんだが、本作は久しぶりにドロドロの汗臭いヤクザが絡む内容だったから、シリアスな場面でもつい笑って(嬉しくて)しまった。

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 とある工場町で、漫然と日々を過ごす智(さとる)。彼が暮らす安アパートの隣室には、元ヤクザの老人、瀬川が住んでいた。ある日、瀬川は智に「500万渡すから、自分を殺してくれ」という依頼を受ける。躊躇する智だったが、瀬川から、智の中に巣喰う狂気を見抜かれ、彼自身の心にも変化があらわれはじめ…!?




 嫌ぁ〜な中年を描かせたら右に出る者は居ないツトムさんのヤクザ絡みはやっぱりストンと胸に落ちて来る。死を覚悟したヤクザに銃と金をやるから殺してくれと主人公が見込まれてしまう冒頭も”らしい”なと思った。

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頼む方も頼む方だが、他にやることも無いからって相手をする主人公もアレである




 生きてる実感の無い主人公がまたなんとも言えず、自分では何も変えられず弱い者に対してしか牙を剥けなかった青年が、ヤクザのオヤジのおかげで人を殺す覚悟を身に纏い、どんな生を実感して行くのか見守っていると、悪い意味で生々しい渇きに満たされ気分が引き攣られます。

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酷い顔をする主人公

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ヤクザと癒着する刑事

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目の前で手下がヤられ、自分も銃を向けられているのに剛毅笑う親分




 自分が殺した相手の遺族に香典を渡してくれと言い残したヤクザのオヤジの望み通り、遺族の元を渡り歩くことになる主人公。すると、とっ始めからヤクザと渡り合うことになってしまい、そこの組の親分が囲ってる綺麗な女装男と逃避行を始めることになるのですが、こうした捻じれた愛の形も高橋ツトム節全開で僕的には美味しかった。

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何処となく、ちゃんとオカマっぽく見えるのがとても良い




 どんな形であれ、活きる為に生きている人の姿は見飽きない。

 だからこそ、俺がルールだと言わんばかりの高橋ツトム漫画を性懲りもせず読んでしまうのかもしれません。
posted by lain at 06:57北海道 ☔Comment(0)漫画