突然ですが、僕は眼鏡の地味巨乳が大好きだ。
もしかしたら巨乳じゃなくて良いのかもしれないけれど、”眼鏡で地味”というのは譲れない。
だからこの漫画の作者とは非常に気が合いそうだ。

一見素敵な両親を持つ”倫汰郎”は、朝から川柳の切り抜きをスクラップするような変り種な高校生。花の香りで一句詠もうとするくらい重症である。
しかしそんな変わった精神構造の高校生でも、やっぱり気になる女体の神秘。父親と浮気しているお隣さんの谷間に思わず一句詠んでしまったり、クラスの女子の誰と付き合いたい?と、下世話な会話をしている男子生徒の話に聞き耳を立て自分の好みの女生徒を値踏みするくらいのことはする。
倫汰郎が白羽の矢を立てたのは、ドジでスカートも長く周囲とそれほど付き合わないタイプの地味な眼鏡のさそり座の女”八ツ木あずさ”。
自分の理想像を押し付け、エスコートしてあげたいと勝手に思い込む阿呆なムッツリが好みそうな女子である。意外にしっかりしていて、ここぞと言う時には度胸もある女の子だから倫汰郎には勿体無い話だ。
そんな倫汰郎の周囲で、妙に欲情した女性が急増し始める。電車では痴女、保健室ではクラスメイトが倫汰郎に襲いかかる。それらを持ち前のズレた頭脳を駆使して乗り切って行く倫汰郎は、どうやら蚊に刺された女性達がおかしなことになっていることに気づき、自分の理想の女の子である八ツ木あずさを蚊の魔の手から護ろうとするのだが.....



「その劣情は感染する」
帯にでかでかと書かれたその言葉通りに次から次へと欲情した女性で溢れかえっていて、次はこの人か....と、思わず生唾を飲み込んでしまうほどの思春期エロだなって思いました。
内容的には蚊に刺された女性が痴女に変わってしまうという物だから、男にとって美味しい展開のはずなのに、どことなく拗らせた女性が性的欲求を爆発させたがっているように感じ、これ描いてるの男性じゃ無いんじゃないか?と思いググってみたらやっぱり女性でした高田サンコさん。主人公が女性の値踏みをするシーンや川柳趣味、そして倫汰郎の苦手な同級生”大川の下品さや回想シーンの柔らかさなんかも、今思うと女性らしいセンスが垣間見えていたように思えて来ます。
照れ隠しのように挿入されるギャグ要素も、本作のバランスを整える意味で良いところかもしれません。正直冒頭の10ページ辺りまではこの先面白くなるのか?って訝しんでいたんですけど、倫汰郎が大袈裟にカラスのフンを躱すシーンで、もう少し先を読んでみたいと思いました。
果たして倫汰郎は不自然な誘惑に負けず、八ツ木あずさを蚊から護り抜くことが出来るのか?
実にスピリッツらしい青春漫画で安心して楽しめそうです (= ワ =*)