アンハッピーハロウィン ヘ(゚д゚ヘ)「白い家の少女」ジョディ・フォスター(主演)/ニコラス・ジェスネール(監督)/1977年/加・仏・米 合作

※ネタバレ感想






明日10月31日はハロウィンなのですが、お祭り(現実逃避)好きの日本人が10月の頭からハロウィンと称した活動に御執心だから一体いつがハロウィンなのか今じゃよく分かりませんね...


ハロウィンの夜に誕生日を迎え、独り鏡の前で”Happy Berthday”と自分を祝福する少女の家に仮装した男がズカズカと入り込み、彼女の両親の不在を確信すると彼女の身体を触り始める。なんとかサイテー男を追い返しその場を切り抜ける少女だが、次から次へとクセのある大人が彼女の生活を脅かしに家へとやってくる。しつこいロリコン男、家具の配置にケチを付ける家主のババア、親切で小者のお巡りさん、それらすべてが彼女にとっては敵なのだ。

父親と二人暮らしだと口にする少女だが、父親は一向に姿を現さない。貸金庫からお金を取り出す時も少女一人きりだし、料理も薪を焚べるのも何もかも独りだ。いや、正しくは一人と一匹(ハムスター)かもしれない。当然湧き上がる何故彼女は独りなのか?という思考。家に再三やってくる大人達とのやり取りや不幸な事故の連鎖で少しづつその理由は明らかになってゆくけれど、その結果少女は引き返せない泥沼の生き方を享受せざるおえなくなって映画は終わります。





大人に負けるなと教えた父親の教え通りに逞しく生きる少女の気丈さと、唯一の心の拠り所になった青年とのやり取りがとても印象的な作品でした。少女にとっての敵となる人々を演じた役者達が見事な嫌らしさを出せていたからこそ少女達が際立ったのでしょう。冒頭のロリコン男が目の前で息絶えて行くのを、まるで自分の罪と向き合うかのように一切目を逸らさず見つめている少女の顔のアップをエンドロールが終わるまでカメラが抜き続けていたのも実に印象深かったです。

凄く風格のある子役だと思ったら、役柄と同じ当時13、14歳だった”ジョディ・フォスター”でした。泣いたり笑ったり難しい顔をしたりヌードを披露するシーンまであって非常に難しい役どころでしたが、演じていたのがジョディと聞いて酷く納得してしまいました。子供の頃にこれだけ揉まれていたら、そりゃあれだけ素晴らしい役者に成長しますよね。




残念ながらハッピーなハロウィンとは行かない映画でしたが、一人の少女の孤独な戦いが胸に染み入る良い映画でした。

いつか嫌っていた大人にいつの間にか成っている事に彼女自身が気づいた時、一体どんな選択をしてしまうのか、意地悪い好奇心が頭によぎります。あのラストシーン後を想像すると、なんとも言えない気持ちになってしまうなぁ.......





posted by lain at 07:24北海道 ☔Comment(0)映画

主役を廻る争いの哀しい結末「MotoGP 2015 第17戦マレーシアGP」

あ、しまった。

MotoGPの再放送を録画し忘れた!

と思っていたら、珍しく3度目の放送があって小躍りしつつ予約しておいたマレーシアGPでしたが、あまりにショックな出来事が起きて一晩明けても憤りが収まりません....





今シーズンのMotoGPは、そろそろロードレースでのキャリアも終わりに近づいているバレンティーノ・ロッシが、去年同様の好調さを維持し、シーズン頭から良いレースをしていて古参ファンの一人としては大いに盛り上がっていたのですが、第16戦オーストラリア後にマルケスがロレンソを援護しているとロッシが非難し出して一気におかしな空気になり、今回の17戦では抜きつ抜かれつの見ている側からしたらハラハラしっ放しの面白いレースであったにも関わらず、いよいよマルケスの執拗なアタックに腹を立てたロッシがコーナーでマルケスをアウトへ追いやりわざと転倒を誘う真似をしてしまいました。

マルケスがロレンソを援護したしない、ロッシがマシンを蹴った蹴らない、その辺りはとりあえず置いておくとして、何故こんな事態に至ってしまったのか?が気になって仕方がない。

ロッシの言い分としては、後半戦に入り追い上げを見せているロレンソをなんとかしなければいけない場面で、今期のチャンプはもう無いであろうマルケスが空気を読まずにレースを掻き回すのは我慢出来なかったということでしたが、これも案外根の深い話で、第3戦で不可抗力とはいえマルケスをリタイアに追い込んでしまった負い目がロッシの心のどこかに残っていたから、マルケスのしつこいライディングに自責の念が追い立てられ有りもしないマルケスの悪意を夢想し被害妄想を膨らませてしまった可能性も否定出来ません。

遡れば二人に軋轢が生まれてしまったきっかけがいくつか思い浮かぶし、こればっかりはサーキットでギリギリのやり取りをしているライダー同士で無ければ確かなことはおいそれと言えないことでしょう。



結局、ロッシの紳士的では無い態度を問題にされ次戦は最後尾からのスタートとなり、実質ロッシの2015年シーズンは終わったと言っても過言ではありません。もしもロッシの言い分通りマルケスにも含むところがあって意図的に絡んでいたのだとしたら、まさに彼の思い通りに事が運んだと言えます。

僕が思うに、ロッシがあれだけマルケスを非難したのは、既に2年連続のチャンピオンを獲得した一人前のライダーとして認めているからだと思うのです。お前ほどのライダーなら俺にとって今1番大事なのは何か分かるだろう?と言いたいのでしょう。ロッシのやったことは残念でなりませんが、"死なば諸共"と言わんばかりにロッシの足を引っ張ったマルケスも褒められたものではありません。

モーターレースは操縦する者の技量やマシンの性能以上に、エゴの大きさが勝敗を分けます。だから今度のようなことがどうしても起きてしまうものです。後味が悪いしこんなことはそう何度も起きて欲しく無いけれど、チャンピオンを争う者ならこれくらいの負けん気が必要なのも確かだなと思いました。



こうした衝突を繰り返して世代交代は進んで行くのでしょうね。はたしてロッシは最終戦出場するのか?来期以降もMotoGPで走り続けるのか?

若手ばかりのサーキットに彼の居場所は無くなってしまったかもしれません.....









馬鹿は蹴られても治らない「優駿の門-チャンプ-」やまさき拓味/秋田書店

 訳有りな”馬”は放っておけないタチの光優馬が、鮮やかな遣り様で馬達の能力を引き出して行く光景につい夢中になってしまう優駿の門も、最新のシリーズ「優駿の門GP」の1巻目で69冊目(番外編3冊を含め)。


 「優駿の門-ピエタ-」は痩せ細って行く国内競馬を背負って戦うピエタの献身的走りや優馬の強烈な人間関係に何度となく胸が熱くなりましたが、今度は落ち着き払ったピエタとは真逆に好きな牝馬に手痛いひと蹴りを貰っちゃうようなお馬鹿馬チャンプの話になり、ピエタとは違う意味で癒されました。

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おでこには勲章の蹄痕

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絵に描いたような馬鹿面w


 なかなか良い成績が出せないチャンプをあえて連闘で使い、調教ではなくレースの中で一人前に育てて行こうとする荒技も凄かったけれど、その後チャンプがダービーを獲って天狗になった時、今度はわざとチャンプのライバル馬に乗って競馬を甘く見るなとレースを通じて優馬が教えているのも面白かった。

 そうこうしているうちに新シリーズになった頃には優馬のお手馬は優駿だらけになっているから贅沢な話であります。優馬と”やまさき拓味”先生は馬のことになると本当に欲張りさんですね🏇

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チャンプも良いけどやっぱピエタだよなぁ




 優駿の門のように馬と通じ合うなんてことはまず無理がありますし、馬が事細かに人間たちの事情を汲むことだって現実にはありえない。競馬自体人間のエゴイズムの産物でしか無いことでしょう。

 でも優駿の門みたいな奇跡を夢想せずにいられない魅力を競馬は秘めているのも事実な気がします。ここ十数年競馬からは遠ざかっていますが、1990年代には名馬達の姿に毎週熱いドラマを感じていたものです。


 舞台裏は相当生臭いに違いない競馬。

 いちファンとしてしか関わらずにいたのが正解だったなと思うのと同時に、有名な牧場に入る為真剣に勉強していた友人が今どうしているかをちょっぴり考えてしまう秋の夜でした。




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こういったぐさっと来る言葉がまた良いんですよね優駿の門は.....
posted by lain at 07:14北海道 ☔Comment(0)漫画