心の死んだ社畜御用達あにめ?!ハイッ「がっこうぐらし!」安藤正臣(監督)/Lerche(制作)

 まだ冬も訪れて居ないけれど、卒業のシーズンであります。

 そう、夏アニメ達の....



 今シーズンはこれだ!って頭一つ飛び抜けているような作品は無かったかもしれませんが、逆に質の高い良作が多かったからそう感じるのかもしれません。珍しくアニソンにも熱くもなりましたし。

 そんな中で、卑猥で幼稚な作品を除けば、今季1位2位を争う面白い作品が「がっこうぐらし!」でした。

 学校で寝泊まりする”学園生活部”ってまた斜め上からの日常癒し系アニメが始まりやがったなぁ....と、怪訝な顔をして1話を観ていたら、まんまと最後に唖然となり、魔法をかけられたみたいに毎週楽しみにしてました。





 ネガティブに聞こえるかもしれませんが、日本人らしさが上手く機能した作品だったんじゃないかと思います。
大規模なパンデミックが起こり、理由は分からないけれど主人公達の通っていた学校が”それ”が起きたとき用の設備を備えていた為に少女達だけで立て籠もり生活が送れているというのは、普通で考えるとまず無理がありますが、今更海外のド派手な映画やドラマの真似ごとをしても二束三文で終わってしまうのが目に見えているので、あくまでもほのぼのした学園物をベースにしていたのが良かったと思います。

 その分ゾンビ作品特有の常に張り詰めて心が荒んでいる、といった描写は弱いけれど、日常系アニメ特有の大騒ぎと現実の非情さが良い対比になっていたから、終盤に近づくにつれて登場人物への思い入れや、到底幸せな未来を想像出来ないストーリーの続きが気になって仕方なくなるように設計されていて上手かったです。最終回の絶体絶命な危機の際も、感傷的な日本人らしい設定で乗り切っていて、ちょっと切なくなりました。原作者がシリーズ構成から脚本まで手掛けているから、バランスの良さを随所から感じられます。


 がっこうぐらし!のゾンビは、皆生前の記憶が何処かに残っているらしく、だから”みんな”学校に戻って来るのだと少女達が話していました。ここが他のゾンビ物と少し毛色の違うセンチメンタルを掻き立てるのだと思います。僕らは学校を卒業して社会で働くようになるわけですが、”お金”を手にする為に働いていると、色んなことに挫けて心を殺してしまわないと日々の生活すら困難になる。中には誰にも何にも気を配らず好き勝手に生きている人もいるでしょうが、ほとんどの場合望むと望まざるに関係無く、生ける屍すなわちゾンビにならないと社会では生きて行けないことが多い。そうなって来ると思い出されるのは友達と馬鹿騒ぎした学生の日々では無いでしょうか?勉強は嫌で仕方ないけど、友達とわいわいやれたあの時代は、なんだかんだ幸せな時間でしたよね.....

 だからこそ、ゾンビになっても大好きな学校へと戻って来る生徒達と、それを切なく見つめる少女達のサバイバルな日常を愛おしく感じるのでしょう。ちゃんとゾンビに意味合いを持たせている辺り、ロメロゾンビの正当な血筋に「がっこうぐらし!」はあるのかもしれません。意味深なラストが2期に繋がることを期待したいです。

 


 それにしても「ふ・れ・ん・ど・し・た・い」はまだまだ頭にこびり付いて離れない.....

 はいっ!


 
posted by lain at 07:19北海道 ☔Comment(0)アニメ