へたれロマンチストの平和は破られた。

 とうとう安保法案が可決された。


 何年も掛けて地道に説得するでも無く、世論調査でも大勢が反対し、大規模なデモにまで広がったにも関わらずだ。


 僕のように不勉強な国民には理解のしようがない、政治的な判断とやらが介在しているから是が非でも通したかったのでしょう。



 だが、それがどうしたというのだ?





 野党が猛烈に反対するのはいつもの光景ではあるが、世論が大きく割れて反対者の方が多いくらいであるのに、選挙で与党になったのだから我々の言葉は国民の声であるとし、国民投票を行わず強引に可決へと踏み切った段階で法案の正当性なんぞ吹っ飛んでいる。押し切ってしまえば周囲は折れるしかない。そう踏んでいるのでしょう。グレーな立ち位置の人達が仕方なく受け入れることまで計算しているに違いない。1票でも多く貰った者が何をやっても全部「民意」であるというのは本当に馬鹿げた話だ。



 この法案により、いきなり戦争になる。そんなことは無論ありえない。しかし、目の前の柵を除けて一歩前へと踏み出した我々に周囲はどう感じるだろう?特に近頃仲を拗らせているアジア圏の人達は。


 自分達がどう考え言い繕ったところで、相手がどう思うかは別なのである。どうせアメリカの圧力に屈しただけだと見抜かれているでしょうが、この法案可決により公的にアメリカの前線基地であると認めてしまったも同然だから、完全に日本を見る目が変わるはず。アメリカが戦争を起こせば日本も参加するだろうし、アメリカが憎まれれば日本も一緒くたに憎まれる方向へと加速して行くことだろう。







 戦争が起きる時というのは、自分は相手より正しいと信じ込み出すところから始まり「命より大事な物がある」精神が蔓延り始める。どうせ最悪の事態が過ぎ去った後には「命より大事な物は無い」と口にするくせにである。生き物は例外なく生存競争から降りられない存在であるから、戦後何十年も経った今こうした流れになってしまうのも必然であるのかもしれないが、日本唯一のアイデンティティとも言える専守防衛の精神を損なう所業はやはりショックだ。


 どんなに周囲に臆病者、卑怯者と罵られても、突き通し続ければ本物の理念になれたかもしれないのに、これで全ては水の泡であります。





 まったく良い未来に繋がっているように思えない改正と新法ですが、とにかく決まったからには慎重に運用して頂いて、無益な火種の原因にしないよう最善の努力をしていただきたいものだ.........


posted by lain at 07:21北海道 ☔雑記