救済が必要なのは大人か子供か?「U12 1巻」闇川コウ/講談社

つい先日、様々な漫画家の現場を”浦沢直樹”さんが紐解いてくれる番組「漫勉」を観て、まんまと”東村アキコ”さんの「雪花の虎」を購入して来たのですが、その際ちょっと前に話題になっていた本書も見掛けて買ってみました。

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事前に見聞きしていた通り、本当に悪趣味な作品でありました。

幼い子供達に性犯罪を犯した受刑者の『人権』を”最大限尊重”するために何の罪も無い少女達をあてがって、性犯罪者達の欲求を満たしてやる法律が制定されたと言う、理不尽で本末転倒な設定に半端じゃなく「はぁ?」ってなります。

「バトル・ロワイアル」や最近で言うと「ダンガンロンパ」なんかもその類ですが、無理矢理弱い存在を手のひらで弄ぶような内容は、それでなくも嫌悪感を煽るというのに、そこに性犯罪者と幼い少女を組み合わせてしまうのだから、そりゃ良い気分がするわけがありません。

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しかも、性犯罪者達を化け物じみた存在として描き、それをなんとかして排除=殺害しようと少女達が抵抗しようとする姿すら、ロリコンからするとご褒美なんじゃ無いかと思えて来ます。作者自身がそうなのか、あえて狙っただけなのか分かりませんが、脆弱な自分には自殺さえ出来ないから純粋無垢な可愛らしい少女達に、このクソッタレな世界と自分に引導を渡して欲しいという、他力本願な願望が見え隠れしているようにも感じます。要するにロリコンが理想とする死について描いているのかもしれないということなんです....


極端に偏ったシチュエーションですから、こんな物は最低だ!と言う方が居て当然なのですが、タブーとも思える際どい内容や、本当に気分が悪くなる描写の数々からつい目が離せなくなるのも事実。完結した時、結局何がしたかったんだ?と、なるのは火を見るよりも明らかですが、講談社とアフタヌーンの話題作りの上手さを痛感する作品なのは間違いありません。

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にしても”闇川コウ”っていうペンネームは初めて見る名前(雑誌をチェックしてないので)ですが、同人誌では描いていたりしたんでしょうかね?かなりベースのしっかりした漫画家さんな気がします。何処かで見たような作画でもありますし、有名漫画家が作風の違う作品をやりたくて別ペンネームで描いているのかもしれませんね。





posted by lain at 07:21北海道 ☔Comment(0)漫画

お前が罪を犯すなら、私も罪を犯そう「裸者と裸者 -邪悪な許しがたい異端の-」打海文三(原作)/七竈アンノ(作画)/少年画報社

 最近なかなか高まらない漫画熱が連休も最終日の夜(三連休しか貰えなかった勢)になって燃え上がったので、一気に三冊読み切って思ったのが、案外「裸者と裸者」の上下巻だけで完結だと言われても納得出来る内容だったんだなということでした。

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 戦争は一応の決着を迎えているし、衝撃的な結末に終わらない暴力の救い難い性をしみじみ噛みしめることが出来るから後味も素晴らしい。良いも悪いも無い戦争は、永遠に付き合い続けるしか無い代物なわけで、再編して行く勢力との小競り合いを最後まで描く必要なんて実は無かったのかもしれません。続編である「愚者と愚者」で描かれるゲイ・ヒロイズムを掲げカイト達に反旗を翻す”黒い旅団”の救いの無い話も大好きですけどね。

 裸者と裸者以降、かなり辛い別れの連続(これまでも十分辛かったけれど)が待っていますし、漫画版だけを楽しんだ人達はこのまま原作を読まずにしておくのも有りなのでは無いかと思いました。


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 ↑好き勝手に逞しく泣き笑いする月田姉妹を見ていると、真剣に戦争をするのが馬鹿馬鹿しくなって来る。

 生きるか死ぬかなんて考えず銃をぶっ放し。偉そうに戦争の在り方を押し付ける男達の言うことは絶対聞か無い。やりたくなったら男でも女でも関係無くやる。何度仲間を亡くしても、全部背負って笑い飛ばす。そんな彼女達が大好きだ。


 ハードボイルドが一体どんなものか定義するには、僕の読書量では圧倒的に少ないですが、打海文三さんのハードボイルドを彩る人々は、子供の純真さを持ったままである、もしくは拗らせた人々ばかりだから、こんなにも僕の心を鷲掴みにしているのでは無いかと感じます。漫画版は、かなりキャラや勢力が分かり易いように脚色しているのに何故ちゃんと打海文三さんの世界だと感じられるのか不思議でしたが、そういった純真さ故の〜を、しっかり出せていた点が良かったのかもしれません。

 それにしても自由度の高いコミカライズでした。何処から何処までオリジナルだったか分からなくなるくらいぶっ飛んでいました。原作者である打海文三さんが既にこの世に居ないことが功を奏したなんてこともあるんでしょうかね?....




 あぁ、凄く原作を読み返したくなって来た.......






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posted by lain at 07:01北海道 ☔Comment(0)漫画

本日の死神道具はお幾ら万円?「境界のRINNE」高橋留美子(原作)/菅原静貴(監督)/ブレインズ・ベース

 ♪あ〜かずのドア ひらけごま〜で ちょいとうでだ〜めしぃ〜....


 あ、どうも。

 いつの間にやら”高橋留美子”作品はアニメでしか楽しまなくなった僕です○┓ペコリ

 「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」「人魚シリーズ」その他短編まで沢山楽しませて頂いたものの、現代から遠い戦国時代を舞台にした「犬夜叉」に乗り遅れ完全に単行本から離脱した口になります。

 だからぶっちゃけ「境界のRINNE」も書店の平置きで見掛けてもスルーしてまして、アニメ化のおり”あぁ、そういや高橋留美子さん新しい連載してたっけ?”くらいの感覚で観始めました。





 恨み辛みの戦いばかりだった犬夜叉から転じて、高橋留美子さんらしい毒とコメディの程良いぬるま湯具合が最高でした。

 霊が見える体質の女子高生”真宮桜”が、ひょんなきっかけから人間と死神のハーフである”六道りんね”の死神仕事に巻き込まれ、毎度馬鹿馬鹿しい霊退治に付き合うことになる話なわけですが、とにかく六道りんねのジリ貧な生活感溢れた設定や、もしかすると高橋留美子作品史上最強のヒロインではないかと思えて来る真宮桜の何事にも動じないマイペースっぷりがしっくり来ます。これだよこれ!これが俺の知ってる高橋留美子だ!!と、凄く思いました。

 陰気なほど嫉妬してみせるキャラが居たり、六道の父親が子供の名義で借金しまくる社会不適合者であったりと、主人公の周辺は生々しい人間関係ばかりな上、悪質な霊が登場することもあるけれど、どいつもこいつもどこか詰めが甘いから本気で憎めないのが相変わらず上手いなって感じます。アクの強いキャラクターの中を逞しく泳ぎきる主役二人のタフさも実に留美子さんらしい味付けです。付かず離れず煮え切らない人間関係。これぞまさしく高橋留美子さんの真骨頂。ご本人の中じゃ、新しいことしたい気持ちもあるんでしょうけどねw



 なんちゃって霊界物ではありますが、値段が高い死神道具(金額設定がある)を使う時に出し惜しみする六道を見ていると、つくづく”地獄の沙汰も金次第”だなって思うし、そういう貧乏臭い生活感溢れた設定に何故かリアリティを感じてしまうのが不思議。

 無事2期の製作も決まり、これでまた単行本を買わずRINNEが楽しめてしまうので、嬉しいやら申し訳ないやら複雑な気持ちでいっぱいです。




=3=)<六文っていうか、すっとぼけた感じの役の時”生天目 仁美”さん可愛いよね♡

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posted by lain at 07:14北海道 ☔Comment(0)アニメ