おっさんとゾンビと悩む旅「Deadlight」Tequila Works/Microsoft Studios/Xbox360/PC/感想  

 日曜の夜、明日からまた始まる労働の日々に備え、誰も彼も今を噛みしめるようにまったりしている中、僕はコントローラーをがっしりと握り締め、無駄にイライラしていました。






 最近じゃまったく珍しく無い、大規模なパンデミックが起きてそこら中ゾンビだらけになってしまったという世界観で、主人公は娘と妻を探す為、一緒に生き残った仲間と離れて奔走し、パンデミックから半年ほど経った街がどう変貌してしまったかを目にしてゆきます。

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 冒頭から感染者に噛まれてしまった仲間の一人を主人公が”処分”するショッキングな場面から始まり、最後に哀しい真実が突きつけられる王道の自己満贖罪ストーリーなのですが、2.5次元ゲームらしい止め絵でのデモシーンが案外ツボにハマり、個人的には凄く良い話だったと感じました。

 ゲーム的にもパズル色が強いため、結構楽しめる物になっているのですが、若干操作性に癖があるというか、キャラの動きがリアル寄りのゲームのためモッサリしているから、強制的に急がされるようなシーンになるとトライ&エラーの繰り返しにウンザリさせられます。パズル要素も比較的難易度が高く、ごちゃごちゃしたオブジェクトに惑わされ悩む場面も何度かありましたし、最後まで根気良く付き合わないと行けないのは少々胃にもたれました。

 長らく積んでいたからかもしれませんが、僕の中ではボリューム的な不満は無かったものの、中盤より手前で積んでいたにも関わらず、3時間一気にプレイしたらクリア出来てしまったので、尺としては短い方なんでしょうね。まあ、どうしても分からない部分はネットの攻略サイトを使って進めましたし、収集物を全て集めるなどしてまともに攻略していたら、まだまだ時間がかかったに違いありません。




 不景気、気候変動、エネルギー問題、国際情勢、上げればキリが無い不安要素に揉みくちゃにされている僕らの心。そんな僕らの心情をそのまま糧にしてゾンビ物は増え続けています。

 いつか、

「ゾンビ物?なにそれ?」

 なんて言われる時代がやってくるのでしょうか?



 10月からは「ウォーキング・デッド」のシーズン6が始まることだし、今度の積みゲー消化はウォーキング・デッドのゲーム版にしましょうかね?( =ワ=)






posted by lain at 06:59北海道 ☔Comment(0)ゲーム

戦争は非情?んなこと分かってる!っていうボーイズに”りこめんど”「裸者と裸者〜孤児部隊の世界永久戦争〜」打海文三(原作)/七竃アンノ(漫画)/感想

 原作の味わいがあまりにも好き過ぎて、今まで敬遠していた漫画版をようやく読み始めました。

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 否応無しに戦争へと駆り出され、沢山の出会いと別れを経験しつつ綺麗事で片付けられない世界を歩き続けることになる少年の物語である「裸者と裸者」

 漫画版という形で本作を振り返って改めて思うのが主人公である”佐々木海人”の人脈の拡がりです。


 恩人で愛人な魚屋のおばちゃん

 おでん繋がりのロシアンマフィア

 正道に目覚めた外国人傭兵部隊隊長

 女ホルを打たれた家庭教師

 性的マイノリティ集団

 イカすほどイカれた双子姉妹

 etc...

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 何をどう引き合わせたら繋がるのかわから無い連中が、佐々木海人を中心に固まってゆくのが本当に面白い。

 少々真面目に戦争と向き合っている佐々木海人の物語と対をなす、こんな世界だからこそ人生を楽しもうと考えるイカれたふたご”桜子”と”椿子”が結成したパンプキン・ガールズの物語も”応化戦争記”の魅力ではありますが、男ならば少なからず海人のような人生に身をやつしてみたいものだと心の何処かで望んでいるのでは無いでしょうか?背中を預けられる仲間との絆、切っても切れ無い肉親との愛、複雑な男女の素直な情事、悪の定義が曖昧になっても揺るが無い自分のルール。けして望んで戦争に加担したわけでは無いのに、知らず識らずのうちに戦争の中で生きることを望むようになっている主人公は、実に打海文三テイストのハードボイルドを体現した存在でした。実に救い難く格好良い。

 漫画化により、ちょっとキャラが戯け過ぎているように思えるところもありますが、原作のなんとも言え無い物悲しさや後味の悪さを上手く出せているようにも感じ、漫画版らしい要素も徐々に魅力的に受け取れるようになっていきました。要所ではちゃんと原作のセリフが活かされており、それを目にするたび初めて原作を読んだ時の感慨が蘇って来て胸が熱くなります。

 こいつは後でこうなるんだよなぁ、こんなこともあったっけ....と、思い出すたび切なくなるし、図解が多く使われているから戦況が分かり易いのも漫画版の良いところかもしれません。



 思っていた以上に面白い漫画版応化戦争記。裸者と裸者の上下巻分しか漫画されていないのは実に寂しいです。

 パンプキン・ガールズのお話は残念ながら未完でありますが、独自のエンディングをオリジナルで作ることも可能であるし、出版社にやる気があるのならば、我こそはと手を上げてくれる漫画家さんが出て来ることを期待したいですね(=ワ =;)

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 関連過去記事


posted by lain at 07:23北海道 ☔Comment(0)漫画

芸能人は眼が命?「顔のない眼(原題:Les Yeux sans visage)」ジョルジュ・フランジュ(監督)/1960年

 雨が降る中車を走らせる女。

 曇るフロントガラスを頻りに気にして何処か落ち着かない。

 ふとルームミラーを弄って後部座席に眼をやる。

 そこには帽子を深く被り、ぐったりとした誰かが映る。



 車がようやく停まる。

 女は後部座席から”誰か”を引きずり出すと、川に捨てた..... 









 それなりに名の売れた医者の男が、車の事故で顔に怪我を負った娘の為に、自分を慕ってくれる秘書と共に何度と無く女性を拉致して顔の皮を剥がすというスリラーなのですが、怖いというよりエグかったです。古い映画だから特殊効果にしてもカメラワークにしても、現代のように完成されてはいないものの、顔の皮を剥がすシーンが微妙に長かったり、医者の男が報いを受けるシーンの激しさなどは今観ても結構キツイ。

 せっかく移植した皮膚が、どんどん壊死してゆく過程を収めた写真が流れるシーンもあり、当時劇場で本作を観た女性達は相当ショックを受けたのではなかろうか?



 何故「眼のない顔」ではなく「顔のない眼」なのかと思っていましたが、見終わればとてもしっくりと来るタイトルでした。娘は顔に怪我を負っているために、父親から仮面を着けるように言われているので、両目と身体の動きで感情を目一杯表現しなければならず、娘役の”エディット・スコブ”さんも相当役作りには苦心したに違いありません。

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 まるで自分を実験台にしているような父の呪縛から解放され、娘が森へと歩み去るラストシーンがとても詩的で美しかったです。人によっては恐ろしいと感じるのかもしれませんが、僕は彼女のマスク姿も綺麗だと思いました。一旦移植に成功した時の彼女の顔より何倍もです。

 白黒映画は暗い部分と明るい部分がハッキリと出るので、顔を失った娘の仮面の白さが本当に印象に残ります。無駄に毛穴まで映るような現代の映像作品より、よほど詩的な情緒を出せる時代だったのだと変に納得していました。

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全然関係無いけど、劇中に登場する車がシトロエン製で独特



 オードリー・ヘプバーン主演の「ローマの休日」をわざわざカラーに着色してリメイクするなど、カラーにしたがる人も多いですが、白黒は白黒として楽しむのが吉な気がしてならないっすね(´・Д・)
posted by lain at 07:14北海道 ☔Comment(0)映画