神父。性欲を持て余す。「渇き」ソン・ガンホ(主演)/パク・チャヌク(監督)

去年の同じ時期に、役所広司が年甲斐もなく「渇き。」で荒ぶっていたのを思い出し、なんとなく韓国の「渇き」も観てみようという気になった。









敬虔な聖職者である”サンヒョン”(ソン・ガンホ)は、自殺を望む者を諌めたり、助かりそうにない病人を励ます毎日を送っていたのだが、とうとう自分の無力さに打ちのめされ、感染者の80%が宣教師の独身男性であるという致死率の非常に高い感染症の治療法を探している研究所の被験者に立候補するも、当然、彼はウィルスに侵され死にいたるのだが、死亡確認後息を吹き返し、50人いた被験者の中でたった一人生き残った者として、周囲に神聖視されるようになる。

ところが、いつもの生活に戻ってから様子のおかしいサンヒョン。血の匂いや周囲の音、目に見えないはずのミクロの世界まで見えて来るほど感覚が鋭敏になってゆく。朝日に体を焼かれ、完治したはずの病魔が再発し出すと、瀕死の状況にある女性に祈りを捧げに行っても滴る血液にばかり目が向かう。どうにも抑えきれなくなった衝動を抑えるため、昏睡状態にある男性の血液を点滴のチューブから摂取した途端、自分の顔から病の影響で現れる水泡がみるみるうちに消えてゆくのを鏡で確認し絶望。あれだけ自殺は罪深いと口にしていたくせに、すぐさま飛び降り自殺を決行するがやっぱり死ねない。そう、彼は吸血鬼になっていたのだ....

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※なんとも滑稽である...






感染しているのが独身(DT)の宣教師ばかりというのがなんとも皮肉なウィルス。僕も速攻で感染しそうだ(白目)

敬虔な聖職者というのは、僕ら日本人にとって正直馴染みが無い。キリスト教徒が3割ほどになる韓国ならではの設定だと思いました。

とにかく真面目な男が、どんどん血と性欲に塗れて行く作品なので、ある種の爽快さもあるような気がします。いくら取り繕ったところで、この世に生を受けた者は罪深い者なのに、それをいちいち罰しているような聖職者の化けの皮が剥がれて行くわけですから。

子供頃の同級生の女房との情事に溺れ破滅へと向かう神父と女の浅ましい姿の滑稽さ、そして儚さがじわじわ来ます。

人が座ったままのソファーを軽々持ち上げる笑い所があったり、旦那を殺した罪悪感に苛む二人の心理描写もかなりシュールで面白い。何段階かに分けて面白さの性質が変化しているようでした。





誰がどう見ても優雅さとは無縁の吸血鬼なのだけど、この泥臭さは愛さずにいられない。

馬鹿みたいに長いソン・ガンホとキム・オクビンの野性的な濡れ場も含め、「渇き。」に負けないエログロさ、嫌いじゃないです(´_ゝ`)

posted by lain at 07:16北海道 ☔Comment(0)映画