何を以って親とするか?「そして父になる」是枝裕和(監督)/福山雅治(主演)

 親は言うことを聞かない子どもに「あんたはウチの子じゃないんだよ」と、口にすることがある。

 大抵は勿論冗談であったり、子どもの反応を面白がっているだけではあるが、実際に夫婦の不義で生まれた子、施設から引き取られた子ども、そしてまさかの新生児の取り違えというケースも無いわけでは無い。

 三つ挙げたウチの子じゃない理由の中で、今はまずありえないのが新生児の入れ違いだろう。ベビーブームの頃は杜撰な管理のせいで入れ違いが頻発していたそうだけど、現在はお母さんのお腹から取り上げられた赤ちゃんの足の裏に油性マジックで名前を書き、腕や足に名前付きのタグを付けるとのことなので、故意にやらない限りまず起こり得ないようだ。






 バリバリのエリートが子どもを取り違えられたことで、親として大きく成長してゆく物語で、父親役がまるで似合わない福山だからこそ、逆に未熟な父親っぷりがハマっている映画だったかもしれない。

 裕福だけどたかが血脈で簡単に壊れる家族と、貧乏だけど血の色なんて関係無く繋がれる家族を並べ、親が親であるためにどうあるべきか、生臭い話も交え描いているのが妙にリアル。それぞれが思い悩みつつも事実を受け入れ絆を深め、一番の問題児であるエリートパパが凝り固まった心を開いて父としての愛に目覚めてゆくまでがなんとも言えない。




 誰に何に怒りを向ければ良いのか分からない中、自分のことばかり考える福山パパには本当にイライラするが、彼がどうしてそんな人間になってしまったかが垣間見れるシーンもちゃんとあるし、福山パパにちょいちょい父親とはこうあるべきでは?と、態度や言葉で示す”リリー・フランキー”パパの調子の良さが凄く良い。リリーパパは電機屋さんらしく子どものおもちゃも直してみせるので、湯川准教授から一転して機械音痴な福山パパとの対比がこういった場面でも分かり易い。


 僕は結婚などしていないし子ども居ないが、ちょくちょくウチに預けられる姪っ子達に対する僕の態度は、きっと福山パパより酷いことだろう。もしも自分の子どもが取り違えられたりしたら、僕はどうするのだろう?どう感じるのだろう?何処かこの子は自分とは違うと違和感を感じ続けるのだろうか?

 どんな生き物でも長い間一緒にいれば愛着が湧くものだし、もし取り違いの憂き目にあっても、絆は血で決まるものじゃ無い!と、力強く口に出来るような関係を子どもと築けていると良いなと思った。



 多分一生独身だと思うけど(´Д` )







posted by lain at 07:04北海道 ☔Comment(0)映画

子供に嫉妬する季節がやってきたっ「真夏の方程式」福山雅治(主演)/東野圭吾(原作)/西谷弘(監督)

 アニメ以外で地上波を目にすることがめっきり減ったせいか、浮世の流れがどうでも良く感じるようになり、その結果季節感も失って来た気がする今日この頃ですが、それでもまあ流石にこれだけ蒸し暑い時期になると、否が応にも「夏」だなと、思わざる得ませんね。暑さに託けて薄着の男女がいちゃいちゃするのにもってこいのお祭りシーズンも本格化し出すことでしょう。

 そういえば近頃の学校祭って、下半期は勉強が忙しいから夏休み前にやるんですってね。僕が学生だった頃は、夏の終わり頃にやる行事だった気がする。体育祭も早い時期に行うようになったし、夏休みが終わると息苦しい毎日が長い間続きそうに思えてなんだか嫌な感じ。いよいよ夏休みをいかに有意義に楽しむかが子供達の希望になっていそうだ。


 大人になると、よほどの会社で無い限り夏休みなど無い。せいぜい実家に帰って墓参りをするお盆休みを数日から1週間ほど取れるくらいだ。だからあともう少しで夏休みを迎える子供達のソワソワした感じが羨ましくて仕方ない。夏休みにだけ帯で放送している子供向けアニメを流しっぱなししつつ、ダラダラとアイスを食べながら手元はDSやスマホで忙しくしている風景が目に浮かぶ....

 家の手伝いや宿題もしろよっ!

 ちなみに、僕の場合”宿題”は夏休みが終わってからやりました(ドヤ)


 夏休みはキャンプや海、各地域で行っている何かしらのレクリエーションに参加したり、おじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行ったりするんでしょうね。

 僕の夏休みは、後半になると稚内の祖母の家に家族で泊まりに行くことが多かった。特に何があるわけでも無い場所だけど、車中でウォークマンを聴きつつ長い道程の見慣れない風景を楽しみながらいつの間にか寝てしまう贅沢な時間の使い方が嫌いじゃなかった。旅行をしてる間だけは手伝いだの勉強しろとは言われないしねw

 自宅では滅多に食べさせて貰えない焼き鳥を食べたこと、ひとりで大丈夫だと言っているのに銭湯で無理やり女風呂に入らされ恥ずかしかったこと、科学館で電動の船を操作して遊んだこと、様々なことが思い出されます。子供だからなんでも新鮮に映ったのもあるでしょうが、旅先での出来事は何かと記憶に残るものです。

 福山雅治主演のガリレオシリーズ「真夏の方程式」の男の子にとっても、忘れがたい夏の旅になったことだろう....





 地下資源の採掘を目的とした調査に伴う住人達との意見交換会に呼ばれた湯川准教授が、泊まり先の宿で起きた殺人事件に巻き込まれ、いつものように不本意ながら深入りして行く内容で、たまたまその宿が親戚の家で遊びに来ていた男の子に懐かれ、嫌嫌ながらも彼の思い出作りに協力する湯川氏のぶっきら棒な優しさがなかなか良かった。

 事件に関しては、これまたいつも通りの浪花節で別段驚きは無いものの、宿の親子三人がそれぞれに背負う罪の形や、それに巻き込まれ一生呵責に苛むことになるであろう少年と湯川氏の交流には染み入るものがありました。工作&実験シーンが特に良かったなぁ。透き通るような海なら僕も見たいわ。工作って自分でやるのも良いけど、夢中になってる人の作業風景を見るのも楽しい。今年のお盆はプラモでも作ろうかしら....





 一夏の思い出としては、ほろ苦いで済まないほど重い出来事ですが、楽しいだけじゃない夏休みの方が人として成長出来るに違いない。ここまでハードなのはあれだけど、ただゲームやアニメに溺れるだけの日々にせず、まとまった時間があるからこそ出来る挑戦をこの夏で試みて欲しいですね。

 まぁ、無駄に時間を浪費し後悔するまで、その貴重さに気づかないのが人間でありますが.....
posted by lain at 07:06北海道 ☔Comment(0)映画

大切な者は亡くなって初めて....

 まるでアンパンマンに道徳を学ぶように、僕らはごく普通に任天堂のゲームに触れて来た。ゲームを少しでも嗜む者であれば、ファミコンやスーパーファミコンは勿論のこと、ゲームボーイやDSにWii、必ずどれかにお世話になった(なっている)ことだろう。



 任天堂と言えば、遊び心のあるゲーム機を採算を考えずに出したり、仲間や家族と和気あいあいと盛り上がれる単純だけど奥の深いゲームを作る会社と言うイメージが僕の中にはあるけれど、そんな自由でマイペースな発想を赦している体質が魅力以上に弱点になりつつあったように思います。そして、それを救うべく登場したのが岩田聡さんだったに違い無い。

 元々プログラマーだった岩田さんの凄さを僕などが語るのは失礼なだけなので割愛するが、岩田さんが人頭に立ち出してからの任天堂がソーシャルゲームに突き上げを食らうまで、押しも押されもせぬ躍進を見せていた事実だけでもその手腕が分かるかと思う。ゲーム本来の面白さを第一に考えつつも、ちゃんと商売として成り立たせる実に任天堂らしい社長っぷりでした。




 正直ここ10年、まともに任天堂ハードでゲームをクリアしていません。まんまと世界を席巻するFPSや箱庭にハマっていたからです。でも、岩田さんが亡くなって改めて彼の仕事を振り返ると、あぁ、これもやったなぁ...あれも好きだったなぁ....と、ここ数年遊んでいたゲーム以上に感慨深い想いが次から次へと溢れて来ます。

 社長業に就いてもプログラムを打っていたと言う岩田さん。様々な形でファンにゲームの魅力を伝えようとしていた姿が、もう見れないかと思うと寂しい限りです....



 宮本茂、横井軍平、桜井政博などなど、任天堂にまつわる人物は数いれど、岩田さんのように開発と運営の両方の才を持った人物は、もしかするとこの先現れないかもしれませんね。

 今年からスマホゲームに参入を決めた任天堂が、岩田さんのゲーム愛を裏切るようなマリオをスマホの画面の中で走り回らせることが無いようにと切に願っています。





 本当にお疲れ様でした岩田さん....
posted by lain at 07:03北海道 ☔Comment(0)雑記