セイユウ・ラジオ・イイネ

いつから声優が”中の人”と呼ばれるようになったか忘れたけれど、今では舞台や声だけを生業にして純粋な役者活動をしている中の人はほとんど居ないように思う。

俗に言う”声優アイドル”の先駆けとなる人達が90年代から出始め、声一本より相乗効果(表現する場の拡大や、生々しい金銭的な意味まで)が期待出来ることが分かると、何処の事務所も挙って声優をマルチタレントとして扱い始めました。歌は当たり前だし、有名な芸能人とバラエティ番組で絡む方や子供向け番組の顔になった人だっている。

二足も三足も草鞋を履いた彼ら彼女らは、瞬く間に見えない人から見える人となりました。


それが、悪いことなのか、良いことなのかは難しい話です。キャラクターのイメージを壊したくなくて、純粋に声だけで勝負したい役者の足を引っ張る可能性もあるし、ビジュアル面に自信が無い方の役者人生を左右する場合もあることだろう。ただ、僕は声と見た目のギャップが逆に楽しめる人(歳相応に順応しただけかもしれない)なので、声優の顔出しについては開放的に考えています。えぇ!この人がこのキャラなの!!!と、僕ら視聴者がびっくりしたのなら、それは役者冥利に尽きると言うものでは無いだろうか?




そんなマルチな活動を見せる声優のコンテンツの中で、最近富に気になっているのがラジオであります。

昔はバジェットが豊富な会社だけが作っていたアニメ関連のラジオですが、今は注目度の高い作品(注目度を上げたい作品)は軒並みラジオ番組を持っていて、大量に作られている分、質がそこまで良く無い番組も多いものの、制作の裏話や声優達の素顔に触れることが出来る良い番組も多い。Gレコのラジオも、聴く前と聴いた後じゃ、アニメ本編の味わいが全然違いました。

少し前に”コードギアス はんぎゃく日記”にハマった時期があり、本編であまり活躍していないミレイ役”大原さやか”さんと、咲世子役の”新井里美”さんの掛け合いが面白過ぎて、主役である”福山潤”が出演するもう一つのラジオ番組がつまらなく感じてしまうなんてこともありましたが、この時はあくまでもコードギアス好きが高じて聴き始めただけでしたので、これを機会に他のアニメのラジオも聴いてみようという気には一向になりませんでした。だから、ここまでアニラジ熱が高まるのは今回が初めてなのです。


高校の頃に放送していた”林原めぐみ”さんや”國府田マリ子”さんのラジオ番組は、エリア的な問題と放送時間に泣かされ、まともに聴けなかったけれど、今はネットで場所も時間も選ばず気軽に聴けて便利ですね。過去に配信された番組も、公式がダメなら非公式で楽しむことも出来るしネット様様であります。

とりあえずネットラジオ関連は初心者なので、あちこちチェックしている途中なのですが、まさに部活動の延長のような雰囲気がおじさんには強烈過ぎる「響け!ユーフォラジオ」や、関智一さんの痛すぎる下ネタが酷い「PSYCHO-PASS サイコパスラジオ 公安局刑事課24時 選択なき幸福」であったり、小山力也さんの破壊力抜群なオンステージ「TVアニメ「血界戦線」技名を叫んでから殴るラジオ! 」などが楽しくて仕方ない中、まんまとハマってしまったのが”佐倉綾音”が出ている番組の数々です。これまで”佐倉綾音”を強く意識したことは無かったのですが、「四月は君の嘘」のラジオ番組『『四月』じゃないよ、『君嘘』だよ。ラジオ 』で弾けている小生意気な声色が何故かツボに刺さり、片っ端から彼女の出ている(いた)番組をチェックしている次第。





佐倉綾音が声優として一番大事な演技力を持っているのかどうなのかといえば、少々甘ったるい可愛さの声なので、彼女を好きと言う人と同じ数だけ嫌いと口にする方が居そうではあるけれど、幼さが抜けきら無い少年少女を演じさせたらぴったりな役者である気もする。

なんにしても僕はラジオでの彼女のキャラが好きだ。ファンからのメールであっても気に入らなければぽいっと捨てるし、可愛らしい同性へ異常な反応をするし、人並みの幸せを桜花する人に対しコンプレックスを剥き出しにするし、媚びた猫撫で声とのギャップが半端ない悪ふざけの過ぎる声も出すから、本当は開けっ広げな性格かと思いきや、実際は本性をカムフラージュするために強烈な自分を演じているようにも見える彼女だが、そんなネガティブな面の一つ一つまで気に入ってしまいました。


※矢作紗友里さんの影響が大きいことがよく分かるw




声ってとても性的なものだし、好きな理由を言い表すのは難しいですが、元より理由なんてどうでも良いものなんですよね。誰かが好きだと言ったから好きなのではなくて、自分がそう感じたから好きなのですから。

デビューから5年、21歳。豊富なラジオ経験から既にベテラン声優の風格さえ漂っている彼女の旬が末永く続くと良いなと思いつつ、今日もラジオに耳を傾けています。

♪┏∧∧┓ ♪
[( ・ω・)]

posted by lain at 22:41北海道 ☔Comment(0)ラジオ

死人に口有り、死体置き場でセラピーを「死と彼女とぼく イキル」川口まどか/ぶんか社

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 とある病院の事務員として働く”時野ゆかり”
彼女は幼い頃から死者の姿を視ることができる能力を持っていた
同じく、死者の声を聴き、動植物と会話できる能力を持つ”松実優作”
数々の死者と対峙してきたふたりの背後で、再び大きな闇が蠢き始める。





いわゆる心霊物でありますが、何が面白いって、ちゃんと霊を人間として扱い成仏出来るように説得し出すと言うこと。

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いきなり強烈な呪文やら、法具やらで大雑把に祓ったりなどせず、飲めるわけが無いコーヒーを出してじっくり霊達の話を聴き、成仏する為には何をどうしたら良いのか説教までする主人公達は、霊専門のカウンセラーのようにも見えて来ます。

霊達の背負う苦しみは、今の日本が切実に抱えている社会問題そのものであるし、恐ろしいとか不気味とか思う以上に彼らを身近に感じ、明日は我が身かと考えさせられてしまう。





ただ”生きたい”がために傷つけ合う現世では、いつも弱い者から順に弾き飛ばされます。だから、自分の死に納得が行かず霊となって漂う者達は、弱者の代弁者とも言える存在なのかもしれない。だが両親に殺されたというのに、死しても尚、健気な霊もいれば、自分勝手に生きた挙句身を滅ぼし反省の”は”の字も見えなくなっている霊だっているわけで、一方的に"弱者=被害者"という物言いは出来ない。川口さんはそういった道理もちゃんと理解している人だから気に入ったのかもしれない。

二人の主役の他に、中盤からは第三の霊能力者の物語も始まり、いよいよ本当に怖いには誰?”生きる”とはなんぞ?と言う内容にもなって行くから、ロメロ映画のようなテーマ性も持ち合わせているように思います。




川口さんの漫画は、ほとんど読んだことが無くて、かれこれ20年くらい前に数冊読んだ記憶があるだけ。本作は人気シリーズの続編ではあったものの、元のシリーズを知らずとも楽しめて良かった。これを機会に最初のシリーズから読みたくなりました。

いつもながら読みたい読みたいが増えてばかりな僕なので、死んだら間違いなく化けて出ることでしょうな...

  フワーリ  △
    ( ´ ・ω・)<モットヨマセロ〜
     (  ∪∪
     )ノ
 <⌒/ヽ-、__
/<_/____/

posted by lain at 07:23北海道 ☔Comment(0)漫画

家族って、どうやったらなれるんだろうね?「私・空・あなた・私」いくえみ綾/幻冬舎

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自宅でエステサロンを営む胡桃とその娘の林檎、杏が暮らす安達家へ突如、中学生の少女・れもんがやって来る。実は、れもんは蒸発した胡桃の元夫が浮気をして出来た子供。安達家の女3人は身寄りがなくなったれもんを受け入れ、「家族」となることに。腹違いの子供であるれもんは、「いい子」で家族の一員となり生活を送る。そんな中、女4人が暮らす家に訪れる新たな訪問者――植木屋の男性「イズミ」が、安達家へやって来て...!? 





 もしも、自分が父親と母親の浮気によって生まれ、しかもそのどちら共まともに暮らしたことが無いまま、父親が裏切った前妻の元へ預けられることになったら、どんな気分がするのだろうか?

 きっと僕だったら両親の仕打ちに憤ったまま気持ちを整理出来ず、ふて腐れた状態で全く血縁関係に無い自分を引き取ってくれた女性の心の内など考えようともせず荒んでしまいそうだが、本作の主人公"れもん"は自分に良くしてくれた母方の祖父と祖母に預けられて居たせいもあるのか、自分に優しくしてくれる新しい家族を気遣うように笑っていた。

 でも、その笑顔の裏には、行方の知れない実父、さっさと子供を捨てて再婚した母親、他界した祖父、認知症の祖母といった存在が付き付き纏っているのが見て取れて、何処か痛々しく見るに忍びなくなる。

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 そんな本音を言えず笑ってばかりの"れもん"が、経験の浅い植木屋のお兄ちゃんの登場で、本心を新たな家族の前で漏らすようになり色々と波風が立ち始めるものの、僕は逆に安心してしまった。下手に周囲に気を使い、気持ちを押し殺したままでいたら心が壊れてしまいかねないから、ちゃんと気持ちを口に出来るようになって来た”れもん”なら、衝突を繰り返しながらも新しい家族との絆を深め、今までの家族との関わり合いも自分の中で整理して行けるに違いないと嬉しくなったのだ。

 男と女。親と子。血の繋がりや単純に割り切れない性に振り回される少女と少女を取り巻く人々が、どんな紆余曲折経て本物の家族として生まれ変わって行くのかが楽しみだ。

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 おそらく初めて"いくえみ稜"さんの漫画を読んだはずだが、"いくえみ稜"さんが"くらもちふさこ"さんのファン(ペンネームの由来が”くらもちふさこ”さんの作品の登場人物)であることもあって、とても初めて読んだ漫画家さんとは思えないほどしっくり来る。家族だからこその説明を省いた会話の仕方や、"れもん"と彼女を引き取った"胡桃"さんの心の流れ、そして1番ご都合でファンシーな存在ではある植木屋のお兄ちゃんの軽くやさぐれた態度と不器用な優しさの表現、どれもこれも自然に胸へ届きます。

 特に、とても可愛らしい笑顔を見せたかと思うと、次の瞬間全てが真っ黒に染まっている"れもん"の浮き沈み描写はとても丁寧で真に迫るものがあります。同じような境遇では無いにしても、本当の自分を分かってくれる人が周囲に居なくて孤独を深めているような人に寄り添ってくれる作品だと思いました。


 いくえみ稜さん凄く良いですね。あまりにも流行っていたから、あえて避けて通った「潔く柔く」も読んでみようかな?

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植木屋のお兄ちゃん、僕の中じゃ窪塚洋介ですね

posted by lain at 20:02北海道 ☔Comment(0)漫画