まだ生まれ出ぬ貴方の誕生日「銀河英雄伝説 第三章 内乱」河村隆一、間宮祥太朗(主演)

今から1552年後の4月4日に誕生する予定の紅茶好き(ブランデーはたっぷり)寝癖男子ヤン・ウェンリー。

いまだに地球単位での平和もままならないのに、いつか銀河を二分する戦争を終わらせる立役者として、彼のような人物が必要とされる時が来るのでしょうかね?




銀河英雄伝説は、尋常ならざる数の登場人物が有能さと愚かさを遺憾なく発揮して物語を盛り上げてくれる群像劇として本当に素晴らしかった。特に主役であるラインハルトとヤンの対照的な生き方には色々と考えさせられました。

甲斐性無しの名ばかり貴族である父のせいで姉を皇帝に奪われ、姉を取り戻す為に銀河帝国を打倒すると決めた最強のシスコン男ラインハルト。彼の野心の大きさや非凡さと反比例して幼な過ぎる心が悲劇を呼び込み、半身をもがれ自己嫌悪の海に沈んで行くのを見ているのは実に辛かったなぁ。そしてある意味、ラインハルトが頭角を現わしたことで、表舞台へと出ざるえなかったというのがヤン・ウェンリーでしたよね。




「軍隊というのは道具に過ぎない。それもない方がいい道具だ」

天才的な戦術家でありながら、自己否定の発言を繰り返す矛盾の塊なヤン・ウェンリー。歴史家を志望していた彼の意に反した才能に死ぬまで苦しめられることになる彼の理想に殉じた生き方は、社会の有り様に疑問を感じモヤモヤしていた学生時代の僕の心の隙間を埋めてくれたものです。

好き勝手に力でのし上がるラインハルトに対し、あくまでも文民統制を貫き通すヤン。君主制と民主主義の良いところ悪いところを代弁してくれている二人には多くを教えられました。骨太なSFであり、壮大な歴史絵巻であり、当然ヒューマンドラマとしても見応えたっぷりな銀英伝ですが、特にヤン提督の教えには大勢が感化されたに違いない。





今回せっかく彼の誕生日であると言うことで、舞台版の第三章 "内乱" を見たのですが、何度見ても河村隆一の成り切り具合が良いんですよね。熱心なファンであることを公言しているだけあって、自分の中でのヤン・ウェンリーが出来上がっている感じが伝わって来ます。河村隆一の名前を見ただけでアレルギー反応を見せている銀英伝ファンも、一度で良いから舞台版を見て頂きたい。納得のヤン・ウェンリーがそこに居ますw

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ただちょっと帝国側の人事が怪しかったですね。1章からキャストが入れ替わったラインハルトや、少し幼な過ぎるように思うキルヒアイス、そしてクールなイメージが壊れてビッテンフェルトかと思ったロイエンタール(内浦純一)もあれ?っと、ほんの少し思いました(アイゼナッハとアンネローゼさんは良かったなぁ....)

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「姉上はキルヒアイスを愛していらしたのですか?」という問いに見せた表情。舞台だから観客からほとんど見えないというのにこの演技っぷり。流石の貫禄を感じました”白羽ゆり”さん....





逆に同盟側は面白いようにハマってる役が多くて良かったです。シェーンコップ役の”岩永洋昭”、オリビエ・ポプラン役"中川晃教"、イワン・コーネフ役”中村誠治郎”の三人が良いタイミングで寸劇を見せてくれるのなんて最高に笑えました。

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まさかのシェーンコップがこの顔w
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中川ポプラン突っ込まれ方が可愛いw





帝国同盟合わせて原作並みに登場人物が入り乱れていたのも豪華でしたし、複雑化して来た舞台セットや宇宙艦隊のCGを映すなどの演出も含め、どんどん拘りが増している舞台版銀英伝。

ひとまず大規模な公演は4章で終わった(なにやら脚本が不評らしい4章)と聞いていたものの、6月に特別公演があると聞いて、まだまだ銀河英雄伝説は続いて行くのだなと思いました。原作は読むの面倒だし、OVAは話数が多過ぎて嫌だと言う人は、舞台で銀英伝の片鱗に触れるのも良いかもしれませんね。



それにしても内乱パートはどちらの陣営も辛い話でしたね....グリーンヒルさん.....キルヒアイス.......








舞台 銀河英雄伝説 http://www.gineiden.jp