お馬鹿男臭さ360°!!「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」三池崇史(監督)/宮藤官九郎(脚本)

何を観に行った時だったか忘れたけれど、金髪の男が全裸でボンネットに縛られ、絶体絶命なピンチに陥ってるバカパクな予告編が印象に残っていた「土竜の唄」

実際観てみても、当然バカパクな映画でした。




正義感はあるが、自制心に欠ける模範的とは言い難い巡査”菊川玲二”がクビを申し渡され、その気持ちの熱さと正義を愛する気持ちを買われて潜入捜査官として選ばれるという話なわけだが、どいつもこいつも馬鹿ばかりで品性の欠片もない。

菊川を送り出す警察側の連中は、いい加減で悪ノリしまくりだし、潜り込む先のヤクザはヤクザで、マゾっ気たっぷりの変態ばかりだし、僅かに残されたお色気担当である菊川の彼女”若木純奈”は婦警のくせに潜入先に押しかけ潜入捜査でもしてるのかと問い詰めて来るし、いちいち滑稽で面白い。

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生田斗真ファンとしては有りなのか無しなのか?w




演出の面ではミュージカルであったり、ディフォルメしたりと多彩な見せ方が飽きない作りで良かったのと、堤幸彦さんの作品などもそうですが、時折シリアスであったり、ちょっと良い話にもって行くバランス感覚も悪くなかったものの、男の馬鹿さ加減全開な内容なので、女性やジョークの通じない人には苦痛で仕方ないかもしれませんね。

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こういったカット一枚で夜の街を演出する感じ、アニメ好きにはたまらない



ヤクザ物ということで、アクが強い中高年役者ばかりなのが個人的には凄く良かった。相変わらず演技がへたっぴな岡村隆史もヤラレ役としてはまあまあ悪くないし、何と言ってもヤクザは面白くなくちゃダメ!だと豪語する蝶好き”日浦匡也”を演じた”堤真一”の感情が読めない眼にやられました。今回はかなりコミカルな役柄ですが、少々たがが外れた役をやらせたら一級品ですよね。完全に”生田斗真”が演じる主人公を喰ってました。

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漫画作品らしいご都合満載であるし、緩〜い潜入捜査設定にリアリティは全然無いけれど、男気溢れる日浦匡也に惹かれてヤクザ力がどんどん上がってゆく菊川のサクセス(?)ストーリーは悪くないので、続きが観てみたくなります。作る気満々で終わっていたけど、どうなることやら。




三池監督の新作もバカパクっぽくて気になる.....

posted by lain at 07:23北海道 ☔Comment(0)映画

好きが叶うまでの焦らしが好き勢に捧ぐ「終電にはかえします」雨隠ギド/新書館

 特例(幽霊と人の百合話がある)を除けば、ズバリ何処にでも有る百合である。

 知らぬ間に自分の心を占めていた先輩や同級生に対する、好きの距離を測りかねている少女達の姿が初々しい短編集だ。

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今時の都合の良いことを口走る女の子が
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後輩の顔に貫かれる



 もしかしたらいっときの気の迷いかもしれない。でも、その刹那なに身体と心が感じた愛おしさだけは嘘じゃ無い。そういうのを大事にしてる漫画家さんだとつくづく思った。露骨な性描写が無いのも爽やか。

 雨隠ギドさんは実に女性らしい憧れに素直な方。「甘々と稲妻」では、好きな子連れ教師と料理を作って家族ごっこに明け暮れる少女も出て来る。特別では無いかもしれないけれど、願望への寄り添い方が程良いから好きなのかもしれない。日頃ベタな物に飽きただのいい加減にしろだろ言っていても、根はメルヘンちっくであるから、こんな出会いがあったら良いなと普通に思ってしまうものの、そんな弱い自分を許せない気持ちもあるから複雑であります。


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後輩の男兄弟が勝手に気を回してプレゼントして来たコンドームを前に
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と、思ってみたりする






 かなり昔に、長い期間出張に行かされ、慣れ無い場所での共同生活に疲れていたとき、古本屋で何気なく手にとった谷川史子さんの本でベッタベタな温もりに触れて胸が震えた時のことを思い出しました。

 人生は甘えだしたらキリが無いし、自分の足で立つことを忘れてそれが当たり前になってしまう。けれど自分の強さだけで生きられもしない。ここぞというとき、支えてくれる誰かが居て欲しいというもの。たとえそれが漫画だとしても救われる瞬間が確かにあるのです。

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この投球姿の少女が非常に谷川史子キャラにダブって見えた
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甘々と稲妻の原点?違うかw





 出会うタイミングひとつで、世界は輝きもくすみもする。

 優れた物でなくとも良いのです。

 出会いたい時に出会えた物が人生において特別になって行くのだから。
   








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posted by lain at 07:12北海道 ☔Comment(0)漫画

ゲームボーイが生まれた日。そして僕のゲーム愛が死んでゆく...

 今日はゲームボーイが発売された日だ。

 SFCが出る少し前に任天堂が送り出して来たゲームボーイは、映像こそ白黒ではあったものの、親の目を気にしながらTVの置いてある部屋で遊ばねばならなかったファミコンと違い、場所を選ばないから子供時代実に重宝したものだった。

 しかし、僕は大人になるにつれて、携帯機から遠のき、急速な進化を遂げる据え置きのパワーにひれ伏して、世の不況に相反して伸び続けるハイエンドな家庭用ゲームに夢中になった。

 だからというわけでも無いが、わざわざ家に居る時にまで携帯機で遊ぶ大人の気持ちが分からない。携帯する必要が無い場所で、スペックの劣るハードを遊ぶ理由が僕には無いのだ。



 無論ハードの性能向上とゲームの楽しさは比例しないのだから、非力でも携帯機の必要性は十二分にある。タッチパネルが当たり前のように搭載され、画面が手元にあるからこその遊び心地が提供出来るのも魅力的だ。何時でも何処でも使えるのも良い。先端のソフト開発はハードの性能に振り回されたり頼りすぎたりなところがあって、肝心のゲーム性が単調であることも多く、それに対し非力な携帯機はいかに狭いところに纏めるかが大事だから、シンプルなアイディアが楽しく飽きさせないソフトが多い気もする。


 しかし、そんなアイディア勝負の携帯機向けゲームも、個人的な感覚としては一部のソフトを除きパッケージデザインが違うだけで内容は似たり寄ったりで単調な気がしてならない。同じようなローテーションの繰り返しを続け、終わらないループに閉じ込められてしまったような感覚である。

 今更言いたくも無いが、業界全体がそうなりつつある原因を作っているのは無料ゲーである。次々と出て来る新しいゲームの”側”の違いに乗せられ、ついつい遊んで見るものの、よくよく考えてみたら楽しいからではなく、ボタンを押すたび報酬が出て来る感覚に安心するからゲームを続けていたりしないだろうか?漂白観念に駆られて身体が動く、それではただの生活習慣病である。知らぬ間にタバコを咥えている喫煙者と何も変わら無い。何かの拍子にしばらくログインしなくなれば、無料ゲームなどあっという間に人生に必要無い物になるはずだ。




 ハッキリ言ってゲームなど人生に不要である。止めてしまえば無くて困る物では無いことに気づくことだろう。でもまだ止められ無い。ここまで書いても僕はゲームをしている。間違いなくゲームで心が震えた季節が僕にもあったからだ。

 とにかく今は、人生に残された時間は有限なのだから、同じ不要な物でもよりマシな、少しでも有益なコンテンツを消化したい気持ちが強い。どうせ騙されるなら完璧に騙されたいのだ。

 それにしても、無駄に目が肥えて、つまら無いことばかりを口走る。年老いるというのはこういうことなのだと痛感する日々であります。



 出来ることならゲームボーイを自転車のカゴに放り込んで仲間と走り回ったあの時代に戻りたいものだ.....
posted by lain at 07:04北海道 ☔Comment(0)ゲーム