全人類を巻き込んだ痴情のもつれの行方は...「アルドノア・ゼロ」あおきえい(監督)/A-1 Pictures

 Gレコとは真逆に、現代アニメの道を歩いたアルドノア・ゼロは、地球VS火星と言う構図と、火星の姫と二人の男の三角関係と言う部分にほとんど絞って描かれていたため、非常に分かり易いメロドラマでしたね。

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 様々な特性の火星のロボットが現れたり、各陣営の群像劇もありましたが、誰がなんと言おうと三角関係のもつれアニメとして僕は観ていたので、衝撃的な盛り上げ方だった一期目の終わり方が上手いなぁと思っていたのですけど、2期目は上手く纏め過ぎた感じがしてしまいました。もっとドロドロした男と女の物語にして欲しかったです。


 再三思っていることなんですが、1期の終わりで伊奈帆くんの負った傷は相当なものでしたし、火星の軍もかなりの痛手を受けたのですから、19ヶ月後という舞台設定ではなく、もう少し彼らが心身共に大人になった3〜5年後くらいの設定で再開して欲しかったです。度重なる戦闘を経験しているのに、精神的に病んでいない面々の水着回で始まったのにもガッカリしました...

 意識不明で身も心も少女のままの姫を巡って大人になってしまった二人が私闘を繰り広げ、感情が分かり難い伊奈帆くんの顔がなにくそっ!と、一度でもなるシーンも見たかった(細かな演出で感情のうねりは描かれていたけれど、あえてそのルールを破って昂ぶらせて欲しかったのです。)

 結局三人共距離を置いて互いを想い合っているという、実に純朴な愛の描き方なので悪くは無い後味ではありますが、綺麗過ぎますますね。あれこれ深く考えたがるどっぷりファン達は、どう感じたのでしょう?



 良くも悪くも今どきアニメらしいキャラ観作品でしたから、Gレコに心酔している人は歯牙にもかけない作品だったかもしれないけれど、もしもGレコとアルドノアの良いところを掛け合わせたとしたら、物凄い化学変化が期待出来そうな予感がします。アルドノアの言葉ではなく表情でじっくり語る上手さがGレコにあれば、もっとキャラに感情移入出来たんじゃないかと思うし、机上の空論的痛快さが格好良いのと同時に弱点であるアルドノアの戦闘シーンを、Gレコ級に躍動感ある物に出来たとしたら、あの二人の男の命の重さが更に重いものに映ったかもしれません。

 完全な作品など無いし、ましてや誰かが作った作品に自分の感性がピッタリハマるのだってまずあり得ないことなのは分かっているつもりですが、あと少しこうだったらと思ってしまう作品に出逢うと、未練がましい不満を口にしたくなる自分がいて残念な気分になります。作品の善し悪し以上に、それを受け取る自分の柔軟さが駄目になって来ているのを実感してしまうので....





 どうでもいいけどアルドノアで一番の収穫は、今更”澤野 弘之”さんの”SawanoHiroyuki[nZk]”名義の楽曲の数々の良さに気付いたことかもしれないなぁ....♪

posted by lain at 18:00北海道 ☔Comment(0)アニメ

合う合わないと、良い悪いでは全然意味合いが違う「ガンダム Gのレコンギスタ」富野由悠季(総監督)/サンライズ

 TVシリーズの富野ガンダムとしては∀ガンダム以来だったGのレコンギスタが終わった。

 まるで久しぶりに会った友人が、会って居なかった間に身の回りで起きた出来事を一気に捲し立てて颯爽と去って行ったかのように、あっという間の出来事でした。



 何が凄かったって、今の「こうすれば売れる」を絵に描いたようなアニメ業界に反発した演出方法やセリフの数々、そして圧倒的な物量の世界設定に反して、それを読み解く説明を極力抑えていると言う、ピーキーな作りで最後まで駆け抜けたと言うことです。

 おかげ様で、正直なんとなくと言うレベルでしか内容を理解出来ませんでした。足早に過ぎてキャラへの思い入れも湧かなかったですし、細かすぎて伝わらないモノマネ選手権級にサラリと入れて来る要素もほとんど回収出来ず仕舞い....


 しかし、最終話放送を前に、監督自らが泣けるような作品では無いし、悪い意味でごった煮になってしまったと申し訳無さそうに認めていたので、きっとこれは至極当然の反応だったのだと合点が行きました。

 兎に角、もっと「尺」があれば違うやりようがあって、僕が一番観たかった人間ドラマを深く楽しめたのでは無いかと考えてしまいます。富野セリフや複数の勢力が入り交じること自体が駄目なのではなく、それらをじっくり描く「時間」が無かったことが一番残念でなりません。出来ることなら4クール、それが駄目なら一番描きたいところに重点を置いて、潔く優れたプロットや設定を切る勇気が必要だったように思います。誰か第三者が間に入って調整することが出来たら、咀嚼し易い作品にはなったことでしょう。切れないところを切るのは一番大事なことです。

 ただし、あくまでもタラレバの話で良し悪しは語れません。違うやり方をしたからといって、必ずしも作品の出来が底上げされるとも限らないのです。第一、自分の名前が監督としてクレジットされるのに、自らが満足しない作品を作ったところで、支えてくれるファンを満足させられるはずもありません。それに、それぞれのファンに合う合わないはあっても、この尺に凝縮したからこその味わいも確実にあるのです。




 ハッキリ言って僕は今回のGレコを半分ほどしか楽しめていません。不満ばかりを口にしてさえいました。

 立ち直りが早過ぎるキャラクター達の心情は理解に苦しむし、各陣営の人達の考え方が分かり難くて仕方なかったし、シリアスな展開の時にまで挟む富野ギャグに空気読めよ!と思ったし、登場人物達のセリフは富野さんの独り言に思えてならなかったし、中の人”石井マーク”とベルリのゆとりちゃんなところにイライラした。

 ああ、やっぱりGレコはガンダムにして欲しくなかったとつくづく思いもしました。まったくのオリジナル作品であれば、監督は無駄に脱ガンダムを意識せずに済みましたし、ファンもガンダムと言う先入観無しに作品へ入って行けたはず。初代の再放送を並行して観ていた僕は、SF色が強いGレコの世界観で、∀ガンダムのような優しいガンダムを演るのはしっくり来ませんでした。高い技術力が存在する世界と言うのは、常に争いが絶えず人間の醜い感情が顔を出す物だし、ガンダムとはそこをじっくり描く作品だったと思うのです。

 すっかりお孫さんを可愛がる良いお爺ちゃんになってしまった富野さんには、もう人が悪意を剥き出しにして殺しあうような作品は作れなくなったのでしょうけど、僕らはソレで育ってしまった。ある意味Gレコを受け入れられない人を作ってしまったのは、富野さん自らにも責任が有るのです(その責任に対する答えとして、近年の作品は人を殺さない作品を目指してらっしゃったわけですけど)

 好きだからこその愛憎。出来る子に対して厳しく接する先生の気分です。自分の中の素直な戸惑いを口にせずにGレコを褒め讃える事は出来ません。吉田さんの格好良くて可愛くて面白いキャラ絵、安田さんや形部さん、まさかの山根さんまで携わっていた多彩なメカの数々や美術に至るまで、実に隅々個性的で素晴らしいからこそ勿体無いと思う気持ちが沸々と湧いて来てしまいます。

 是非自らバッサリ切り、2時間弱の完全新作劇場版としてGレコを作り直して欲しいところなんですが、それは監督がラジオで完全に否定していたので、次は是非完全オリジナル作品をお願いしたい。いっそ中途半端に人殺しをせず、低年齢層を念頭に入れた幸せいっぱいなファンタジーを作ってみませんか?|▽`)





 色んな想いに振り回され、素直に受け取ることが出来なかったけれど、富野さんの希望的観測の優しさに触れた今、色んな意味でこれはこれで良かったのだと思えています。

 僕と同じように戸惑っている人たちは、配信中のGのレコンラジオを聴くだけでも、かなり溜飲も下がるはず。富野さんが出演しているラジオの最終回も聴き応えたっぷりです。



 聴取者からのメールで「Gレコは遺書なのでは?」と言うような内容に「うるせー!」と怒ってみせるほど元気な富野さん。

 これからも末長く元気に悪態つきまくって、お仕事頑張って下さい。

 そしてGレコチームお疲れ様でした!m(_ _)m




 だいたい、今まで何十年も色んな作品を散々楽しませて貰ったわけだし、監督が作るのを楽しめていれば、それで良い時期が来ているのかもしれない(・ω・)
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posted by lain at 08:42北海道 ☔Comment(0)アニメ