これでもまだ、アニメーター目指しますか?「アニメがお仕事!」石田敦子/少年画報社

 主人公がアニメの制作現場で奔走するSHIROBAKOを観ていたら、ついついこの漫画を読み直したくなりました。


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 有名なアニメーター”石田敦子”さんの経験から語られるアニメ業界の厳しい現実の数々と、それに耐え抜いた者だけが見ることを許される美しい光景が胸を熱くする良い業界漫画なんですよね。


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色んな想いを抱えたアニメーター達が実に魅力的





 自分より先に動画マンとしてアニメ業界に入っていた双子の弟の元に転がり込んで来た”イチ乃”ちゃんを中心に、動画マン視点からアニメ業界のネガティブな面(8割)と遣り甲斐(2割かな....)とに焦点を合わせてゆくのですが、一昔前の昼ドラ級に次々と問題が起きるので、憤った感情のやり場に困って非常にモヤモヤします。あの大張さんと結婚していたことがある石田さんならではの、クリエーター同士の特殊な恋愛事情もドロドロと描かれていてかなりやばぁい....

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 今より少し前(主人公がPHSの話しをするくらいに)の業界ネタなので、オタクへの風当たりがかなり厳しく描かれているし、アナログでの制作過程が中心になるからピンと来ない人も居るかもしれませんが、良い画を作って良いアニメにしたい!と頑張っている人なら、一度はぶち当たるに違いない人間関係の難しさや賃金・労働時間の世知辛さに関しては激しく共感するんじゃないでしょうか?




 本当に試練の連続なアニメがお仕事。一つ壁を越えて希望が見えたと思ったら、直ぐ様次の壁が現れます。それでもなお描くことを止めない、止めたくないイチ乃ちゃん達を見て、アニメーターになりたいと思う人がどれだけいることだろう?SHIROBAKOはアニメとして本当に面白い。制作進行から原画、音響、声優、美術、原作者、監督、アニメに関わるあらゆる人のことも上手く描いています。でも実際の現場を描いた作品としては口当たりが優し過ぎる気もする。媒体こそ違うけれど、現場の厳しさと遣り甲斐の狭間で揺れ動く心模様としては、間違いなくアニメがお仕事!が上だと思います。



 アニメの仕事だけじゃなくて、一見夢がある仕事に思えても、やってみたら他の仕事と変わらなかったなんて当たり前なんですよね。その当たり前の中で、どんな意識を持って働いて行くのか?淡い希望や期待は打ち砕かれてナンボ。その打ち砕かれた先に本当に何も無いのか?と悩みながら頑張ってゆくほか無いのが仕事なのです。


 この春から新しい環境へ飛び出してゆく若者達が、石田さんのような厳しくて優しい先輩の背中を見つつ、遅い歩みでも一歩ずつ自分らしい答えに近づいてゆけたら良いなと思います。





 どうでも良いけど石田さんの絵は昔から何処か色っぽいさがありますよね。


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こういう身体のラインの見せ方もなんかエッチ...




 勇者シリーズや魔法騎士レイアース、ナデシコのOPだって大好きでした。作画が乱れまくってた「神八剣伝」も石田さんのデザインしたキャラ目当てで毎回欠かさず見てたなぁ....今は漫画で手一杯なようですが、いつかまたアニメがお仕事な現場につめていただきたい。また見たいです石田敦子さんの画が動くのを....




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ツイッター @ishida_atsuko 
posted by lain at 07:22北海道 ☔Comment(0)漫画

これが新手の勧誘詐欺かっ!?「SHIROBAKO」水島努(監督)/P.A.WORKS

 観終わって一番に思ったのは、なんて罪深い会社説明会ムービーなのだろうかと言うことでした。

 アニメを作るお仕事の楽しさだけではなく、ちゃんと辛いことも描き、それでも遣り甲斐のある良い仕事だと堂々と胸を張って終わっているから、自分がアニメーターになりたいと思わない人でも、確実に作る人達を応援したくなる内容でした。


 間違いなくオブラートには包んでいる(女性キャラが可愛い子ばかりだったり、優しくて面白いおじさんばかり。敵対してる者同士のやり取りも抽象化したギャグで面白おかしくしているなど)ので、真実をそのまま伝えているわけでは無いけれど、アニメに携わる色んな立場の人の生の声に説得力があってつい引き込まれてしまいます。

 アニメーター達にとって、一番身近な制作現場が舞台ですから、流石に自分たちの目でまざまざと見て来たことを描くとなると、スタッフ全員キレキレの良い仕事っぷりだったのではないでしょうか?監督、声優、作画etc、アニメのお仕事に興味がある、もしくは目指している真っ最中の人達は、僕以上に本作に引き込まれたに違いありません。

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動くはずの無いドールやぬいぐるみが主人公と語り合い、動き回る心象表現が上手い。




 学生の頃に仲間と一緒に自主アニメを作っていた主人公が、”制作”と言うアニメーション作りの技術と関係無い立場に居たことで、僕ら素人は主人公と一緒に悩んで笑い、アニメとの関わり合いを自然と考えさせて貰えました。こんな会社案内映像見せられたら、誰でも好感を持ってしまいますよね?

  業界ネタも面白かったなぁ。あ、このキャラはあの人のことだ!この作品はあれのことだよね?と、ついつい顔がニヤけてしまいました。作っていた人達は本当に楽しかったでしょうね。有名作品のオマージュを作中アニメとして散々作れたし、見せ場になった時、違うアニメになったかのような映像になるから、息抜きになったことでしょう(仕事としてはハードだろうけどw)

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この必死に納品してるオジさんも、元になった実在のプロデューサーが居たりする






 そう何度もやれるネタでは無いし、この手のアニメ作品としてはSHIROBAKOが金字塔になるかもしれません。

 さあ、人生の選択を間違えて、アニメーターになる時が来ましたよ君たち!m9(゚Д゚)<バンサクツキタッ!!

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posted by lain at 06:33北海道 ☔Comment(0)アニメ

全人類を巻き込んだ痴情のもつれの行方は...「アルドノア・ゼロ」あおきえい(監督)/A-1 Pictures

 Gレコとは真逆に、現代アニメの道を歩いたアルドノア・ゼロは、地球VS火星と言う構図と、火星の姫と二人の男の三角関係と言う部分にほとんど絞って描かれていたため、非常に分かり易いメロドラマでしたね。

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 様々な特性の火星のロボットが現れたり、各陣営の群像劇もありましたが、誰がなんと言おうと三角関係のもつれアニメとして僕は観ていたので、衝撃的な盛り上げ方だった一期目の終わり方が上手いなぁと思っていたのですけど、2期目は上手く纏め過ぎた感じがしてしまいました。もっとドロドロした男と女の物語にして欲しかったです。


 再三思っていることなんですが、1期の終わりで伊奈帆くんの負った傷は相当なものでしたし、火星の軍もかなりの痛手を受けたのですから、19ヶ月後という舞台設定ではなく、もう少し彼らが心身共に大人になった3〜5年後くらいの設定で再開して欲しかったです。度重なる戦闘を経験しているのに、精神的に病んでいない面々の水着回で始まったのにもガッカリしました...

 意識不明で身も心も少女のままの姫を巡って大人になってしまった二人が私闘を繰り広げ、感情が分かり難い伊奈帆くんの顔がなにくそっ!と、一度でもなるシーンも見たかった(細かな演出で感情のうねりは描かれていたけれど、あえてそのルールを破って昂ぶらせて欲しかったのです。)

 結局三人共距離を置いて互いを想い合っているという、実に純朴な愛の描き方なので悪くは無い後味ではありますが、綺麗過ぎますますね。あれこれ深く考えたがるどっぷりファン達は、どう感じたのでしょう?



 良くも悪くも今どきアニメらしいキャラ観作品でしたから、Gレコに心酔している人は歯牙にもかけない作品だったかもしれないけれど、もしもGレコとアルドノアの良いところを掛け合わせたとしたら、物凄い化学変化が期待出来そうな予感がします。アルドノアの言葉ではなく表情でじっくり語る上手さがGレコにあれば、もっとキャラに感情移入出来たんじゃないかと思うし、机上の空論的痛快さが格好良いのと同時に弱点であるアルドノアの戦闘シーンを、Gレコ級に躍動感ある物に出来たとしたら、あの二人の男の命の重さが更に重いものに映ったかもしれません。

 完全な作品など無いし、ましてや誰かが作った作品に自分の感性がピッタリハマるのだってまずあり得ないことなのは分かっているつもりですが、あと少しこうだったらと思ってしまう作品に出逢うと、未練がましい不満を口にしたくなる自分がいて残念な気分になります。作品の善し悪し以上に、それを受け取る自分の柔軟さが駄目になって来ているのを実感してしまうので....





 どうでもいいけどアルドノアで一番の収穫は、今更”澤野 弘之”さんの”SawanoHiroyuki[nZk]”名義の楽曲の数々の良さに気付いたことかもしれないなぁ....♪

posted by lain at 18:00北海道 ☔Comment(0)アニメ