ロックにチョコは必要無い!必要無いんだ....

 年に何度か訪れる嫌な日の一つであるバレンタインデーに歯を抜いた。長年噛み合わせ的にも無意味であった最後の親知らずだ。

 親知らずの根っこが微妙に曲がっていたせいか、抜歯後の出血もなかなか収まらず、世の中が甘〜いチョコの話題に包まれている中、そんな虫歯の元になるものを食べたくならない一日だった。





 まあ最初から恋人も良く会う女友達も居ない僕にチョコをくれる人なんてまず居ない。僕がバレンタインデーなんてチョコを売りたい連中の陰謀だと叫んでも、苦し紛れで痛々しく見えるだけだろう。別にチョコで無くてもいいから、好きな相手には気持ちの篭ったプレゼントを是非送って貰いたいものだ。できるだけ僕の目が届かないところでね♡

 バレンタインに縁が無いといえば、中年のロックバンドほど世の中の風習に迎合するのが似合わない存在は無いのではなかろうか?当然多くのファンからチョコは貰うに違いないが、自分たちからチョコを渡すような真似はするまい。去年25周年を迎えたthe pillowsがまさかの甘甘なバレンタインデーソングを作ったら即ファンをやめると思う。

 そんな捩れた信頼を寄せるpillowsの『ムーンダスト』と2枚目になるトリビュート「ROCK AND SYMPATHY -tribute to the pillows-」を後れ馳せながら聴いた。




 無駄な力が抜け、また少し違うスタイルに変化し始めているようでありつつ、pillowsらしさは失っていない感じのムーンダスト。「都会のアリス」などを聴いて古株は嘆くやもしれないが、昔のままで歌い続けるのは誰しも無理な話だ。僕もハングリーなpillowsが失われてゆくのは寂しく感じる勢の一人ではあるが、彼らはCDや配信の音源よりライブ、生の音が素晴らしいバンドなので、ライブで何も感じなくなった時こそ真にファンが絶望する時かもしれません。それと、全体的に初期のpillowsっぽい匂いがするビートの曲が多いのも案外楽しめる。来月の札幌公演に行った時、これらの曲がライブでどう化学変化を起こすのかが楽しみで仕方ない。








 ある意味ライブに行くまでグレーな扱いになってしまったムーンダストに対し、pillowsを愛して止まない若手満載の第二弾トリビュートは白黒ハッキリしてました。ずばり原曲は偉大だということです。

 BUMPやミスチルといった大物が参加していた前回のトリビュートアルバム「シンクロナイズド・ロッカーズ」と比べて若手と中堅が集まった今回のアルバム、やはりというかなんというか、ピロウズの原曲への想いが強過ぎるあまり、歌の上手い人達のカラオケを聴いてる感覚が常にありました。確かに曲自体は各バンドらしくアレンジがなされていて、おおっ!っと感じるところもありましたが、どこか物足りない曲が残念ながら多かった。


 ただし、懐かしのアルバム”KOOL SPICE”から知名度の低い「開かない扉の前で」を歌った”カミナリグモ”や、自分たちのバンド名にpillowsの曲の名前を付けるような酔狂なバンド”WHITE ASH”による「WHITE ASH」の持ち歌感は素晴らしかったし、他のバンドによるカバーも、やっぱりこの曲は違う人が歌っても名曲なんだなと再認識出来るだけでも聴く価値があると思う。

 なんか無理してバンドを続けなくても、ちゃんと若手に魂は引き継がれてゆきそうで嬉しいやら寂しいやら複雑な気分ですね...






 25周年を迎えたとはいえ、さわおさんを除けば既に50代であることを考えても、この先何年バンドを続けられるか分からないのも確かなpillows。

 これからは音源やステージ一つ一つが最後になるかもしれないと考えて、じっくり味わいたいものだ。




 あ、そういやpillowsに唯一”チョコ”というキーワードが入った曲があった。

 誰にも貰えなかった人と、これからも貰う予定の無い人にこの曲を送ろう....


 





posted by lain at 21:58北海道 ☔Comment(0)音楽