人間健康が一番!愛と金は二番で良いやっ・・・

 先週末、僕は病院のベッドで胸・両手・両足・股間に様々な機器を取り付けられ長い夜を過ごしていた。2、3年前にMRIで見つかった盲腸内の小さな糞石が、成長し痛みを伴う存在になっていたのを取り除く手術を受けたのだ。


 よく「盲腸を散らす」という表現を耳にするかと思うけれど、それはあくまでも石が無い状態なら飲み薬で可能な治療法だそうで、僕のようにお腹に石がある人には効果はあまり期待出来ないと言わた。朝以降飲まず食わずで血を二度に分けて何本も抜かれ、各種検査・診察に6時間かけた挙句の入院・手術勧告にガックリ。その晩試合がある錦織圭のことを想いながら、初めての経験に心と身体を備えた。

 多分一生忘れないだろう、担当別に同じ事を聞かれ何枚もの承諾書にサインしたことや、手術台までの道のりの異様な白さと僕を待ち構えていた看護師と医師の刺さるような視線のことは。

それにしても、全然眠くならないけど大丈夫か?と思ってたら気を失ってた全身麻酔恐るべし...




 たった1時間〜2時間程度で手術は成功。昔のように盲腸付近に大きなメスの後を残すこともなく、”おへそ”その他二箇所に1cmも無いくらいの切れ目を作ってそこから内視鏡による手術で盲腸を摘出。
麻酔から覚めて意識が朦朧として視線が定まらないなか、切除したものを見せられたが、血の塊であること以外分からなかった。ちなみに、この手術法だとそれほどリスクが無いのか陰毛を剃ったり切ったりもおそらくされていない。

 手術勧告から3時間後という考える間を与えない初めての手術の味は、あっという間過ぎてまるで現実感が無かったけれど、麻酔から目覚めてからの一夜こそが本命だった。


 左腕の点滴

 右腕の自動血圧計

 首輪のように自由を奪う心電図

 容赦なく脚の血行を促進し続けるフットマッサージャー

 強制的にお漏らしをせまり、ひたすら違和感をプレゼントしてくれたカテーテル

 そして、極めつけに眠りへの道を妨げる看護師達の献身的検診の数々・・・・・・・・・・・・・・

 朝になり、あらゆる装置が外れた時の爽快感たら無かったw




 術後はやっぱり少し辛く、お腹に力を入れると痛いから、咳き込んだりクシャミするのも怖く、胸を張って歩くことも出来ず長時間立っていられない。
カテーテルを抜いた後の尿の排出にもかなり痛みを伴う。尿道で性的な行為を喜んで行って人の気持ちは、一生分からないだろうなと思った。


 他には微熱が退院する朝まで続いていたりもしたけれど、経験したことの無い生活が案外楽しかったかもしれない。型遅れのOSを搭載した有料PC兼テレビの使い方を熟知したり、売店までの経路をぶらぶらとリハビリの意味も込めて散歩したり、何が必要で何が不要で、何処から何処までを自分でやれば良いのか理解してゆくと、それほど悪くない環境だった。
丁寧だけど何処か機械的なアナウンスでの起床や、お揃いのパジャマと腕についたタグといい、体の良い軍隊のようでもある。<老人ばかりの軍隊養成所>そんな場所があったら見てみたい。きっと若者を駆逐する軍隊なんだろうな....



 そういえば、形式的には看護師の人達は、誰もかれも親切で優しい方ばかりだったものの、術後明けの朝、機器を外す準備が整えられたタイミングでおっとり刀な登場をした偉そうな先生にはまさかと思った。手術室で目にしてもいないオッサンがボソボソと話し掛けて来たかと思ったら、3分と居ないうちに僕なんぞには興味は無いと言わんばかりに手術の状況を連れの2人と雑談しつつそそくさと退出して行った。

 「お大事に」の一言くらい無いのか?と思った。


 そんな肩書だけの偉い先生が居ることは「ブラックジャックによろしく」で知ってはいた(大事なことは漫画から教わるタイプ)けれど、本当にここまで酷いとは思わなかった。どれだけお医者様様なのか.....

 それに比べて献身的に何度も患者の様子をチェックする看護師は偉い。他国の医療は知らないし、看護師という職業がやり甲斐のある雇用体制であるのかどうかもあまり知らないが、現場で必死に働く人達は少なくともあの先生よりも頑張っている。

 彼等彼女等がとても面倒を見てくれるので、病状が良くなるにつれて放置度が上がってゆくのが少し寂しいと感じる僕までいた。お年寄りの長期入院患者などは、少しでも構って貰いたくて面倒を起こしたりしたくなるかもしれないなと思った。





 病院にもよるのだろうけれど、この入院で色んなことに感心し、同時に失望もした。退院してもまだまだ身体の自由は利かないし、各種手続きのことで不安もある。

 とりあえずは痛み止めを止めるところから始めようと思う。何処まで自分の身体が治って来たか実感出来ないし、会社もそう長く休んでいられない。

 ATPツアーファイナルで得難い経験を手にした錦織のように、僕も今回のことが将来に活きることがあれば良いなと思う。



 でも、もう入院は要らない...........
posted by lain at 07:53北海道 ☔雑記