あの、世界一の雑食野郎が帰って来たっ!「EAT-MAN THE MAIN DISH」吉富昭仁/シリウスKC/講談社

 その昔、ボルト1本から何でも組み立ててしまう男が居たことを覚えているだろうか?

 当たり前に手を使って組み立てるわけではなく、ネジやその他の部品を口から食べ、体内でソレをやってのける男のことである...

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 小型の原始的な装置から、複雑なミクロの精密機械まで、何でもバラバラにしてペロリと食し、生き物以外は体内で元通りにして排出出来てしまう彼だが、一体何者なのかは未だにハッキリしてしない。色んな可能性を作者はほのめかして来たけれど、とにかく無愛想であること、依頼されたことは必ずやり遂げるということ、そして不死のようで不死でないこと以外謎である。


 ちなみに、何を考えているか分からないその男の名は”ボルト・クランク”

 実にそのまんまであるw

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 EAT-MANは主人公であるボルトが無口のため、その代わりにゲストキャラがよく喋ることが多い。基本はセリフ少なめのアメコミヒーローだから、セリフがほぼ皆無の回もあり、それはそれで吉富さんの陰影が効いた作画を渋く楽しめて良いが、彼が喋らず周りが話すことによっておしゃれなミスリードを味わえるのがまた面白い作品だと思う。

 だから水戸黄門のような浪花節がベースにある作品との親和性は強く、個人的には「超人ロック」を連想してしまう。最近”百合”物やらスクール水着を着た人魚やら、可愛いくてちょっぴり怖い女の子を描いていた吉富さんが、男臭いハードボイルドな退廃的SFにすんなり戻って来れたのも、EAT-MANが良い意味で予定調和が心地良い作品だった証拠かもしれません。



 連作終了から10年ほど経っているとは思えないほど、あの頃のままのボルトを味わえた第1巻。伝説の男らしいエピソードばかりで本当におかえりなさいという気持ちでいっぱいになった。

 犯人だと誤解されていても気にしないボルト

 昭和のアニメのガキ大将が草を咥えているような感じにボルトを咥えるボルト

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 人間以外の依頼もキッチリこなすボルト

 質量保存の法則が当てはまらないボルト


 どれもこれも僕の知っているボルト・クランクらしさでいっぱいだ。大抵10年も経てば作画のテイストが変わっていたり、作品の空気感が違うように感じて違和感が鼻についてしまうところだが、そうならなくて本当に嬉しかった。

 この先何処まで続くのか分かりませんが、出来ることなら死ぬまでライフワークとして連載を続けて欲しいものです。


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posted by lain at 21:26北海道 ☔Comment(0)漫画