金だけで生きられるほど、人生は易しくはない「最強のふたり」エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ(監督)/フランソワ・クリュゼ&オマール・シー(主演)2013年/フランス/感想

 で幸せは買えない」という言葉は、の有用性を知らない人間の言葉だと揶揄する風潮が世の中にはある。

 があれば社会保障も娯楽も多くの物が買えるというのに、本当にで幸せは買えないと思っているのか?というおに余裕がある人も居れば、で買えるのは表面的なサービスだけで、本当の意味での幸せは手に入らないと、やっかみ半分でいきり立つ人もいる。僕はどちらも正しいと思うから、「おだけでは幸せは買えない」という言葉を提唱したい。「だけでは」と入るだけで、真理は鮮やかに見えてくるような気がしないだろうか?


 物凄く美味しい食べ物屋さんでも、お冷のコップが傷だらけだったり、少々盛り付けが汚かったら「気持ち」が味覚に影響する。もしも器や接客対応が整っていても、そこに義務的なヤラサレテル感を感じ取ったら、孤独で胸がいっぱいになり味も感じず食事を楽しめない。もしもそんなことは瑣末なことで、何も気にせず楽しく食事を出来る人がいるとしたら、深い心の繋がりを世間に求めていない人なのではなかろうか? ....


 なんにしても、が伝えるのは、あくまでも表層の幻想であり、それ自体に生身の温もりは一切ありません。本気で働いて稼いだり、目の前で黙々と苦労している親からの仕送りを受け取ったり、自分から意味を見出さなければ、ただの紙切れと属の固まりでしかないのです。

 ここまで書いても、おだけで幸せが買えるとあなたは思いますか?



 もし、それでもがあれば幸せを買えると思うのならば、この映画は観ない方が良い。おだけでは幸せになれなかった男の話ですから.....




 半身不随になってしまった富豪が、介護の人間を片っ端からクビにしていたところに、ただ失業手当て欲しさに就職活動の証明を貰おうと黒人が面接にやって来て「不採用にしろ」という。そのまったく媚びる様子を見せない姿に興味を持った富豪は、お試し程度に男を採用。まともに介護の仕事が出来ない黒い男とのドタバタ賑やかな生活が始まる。

 ようは箱入り娘がお以外の繋がりを求めて、ガラの悪い男と恋に落ちる話と似たようなものなんですが(どこが?) 社会的に肩身は狭いが五体満足の黒人と、社会的に認められているが指一本動かすことの叶わない男という対比が実に良い。手足が動かない為に、人生を楽しむことを半ば諦めている富豪の心を、黒人男が気兼ね無しに丸裸にしてゆく過程は危なっかしくも爽快で、最後に素敵な奇跡を残して去ってゆく黒人男は本当に良い奴だった。


 日本人は殻に閉じ籠ってる自分を開放してくれる本作の黒人男のようなキャラが大好きだ。そして待ってばかりいる僕らは、人生を台無しにするプロである。みんなで待っていたら、誰がきっかけを作るというのか....

 本作の富豪の男は、僕らのように受け身なばかりで、黒人男から一方的に元気を貰ってばかりに思えるかもしれないけれど、実はそんなことはなくて、まともに家族に顔見せできるような仕事をして来なかった黒人男が、家族に甘えるだけの自分から、家族への責任を果たす自分へと成長するきっかけを与えていたりもする。

 互いに良い影響を与え合えるからこそ、このコンビは最強なのです(*´艸`*)





 間違いなくは必要だ。

 富豪じゃなくて貧乏な半身不随者だったら、もっと切実で生々しいドロドロしたドラマになってしまうところである。


 でも、やっぱりおだけじゃ幸せになれそうにはない。

 幸せになるには、まず人を見る目がお金と同じだけ必要だと凄く思った....



 (;´Д`)<誰だよ金さえあれば心は要らねーとか言った奴....





 公式サイト http://saikyo-2.gaga.ne.jp

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posted by lain at 20:53北海道 ☔Comment(0)映画