アートな漢字書ける人憧れるやん♡「ばらかもん」橘正紀(監督)/キネマシトラス/2014年/感想

幼い頃から漢字を書くのが苦手だった。

今のように小説を読まなかったし、じっと座って反復練習させられるのは実に苦痛で直ぐ投げ出した。おかげさまで『読めるけど書けない』を絵に描いた字の汚い人間に成長。当たり前のように電子機器で変換出来るようになった今、漢字が書けなくてもなんら困る事はない。そう嘯きつつも、字が綺麗な人、平仮名や片仮名で誤魔化さずに漢字を書ける人を正直ずっと羨ましいと思っている自分が情け無い...


書にはその人そのものが現れると言われるほど性格が出る。

せっかちで近道をしたがる人の字は、あちこち省略しがちで原形から著しく崩れ読み難いし、基本に忠実過ぎる人の字は読み易いが何処かそっけない。身体の配置、筆の握り方、筆圧、書くスペースの選び方、一画一画の流れ等々、様々なところに個性が出る。書をトコトン突き詰めれば、自分探しや人間観察の場として、これほどシンプルで奥深い物は無いのかもしれない。



そんな書の中でも、日本で一番高尚であるのが「書道」だと思う。

遥か昔から毛筆が使われていることもあるけれど、ボールペンシャープのように誰でも均一な文字を書ける道具では無いから、力加減や筆の流れがダイレクトに文字に表れるため、性格どころか感情を表現するに良く、修正が難しいから緊張感もあって書いている姿もダイナミック。実にアート向き。漢字への苦手意識から、子供の頃はその面白さに気付けなかったけれど、今はその創造的な試みへ大変興味があります。


「ばらかもん」は、そんな奥深い書道の世界を肩肘張らずに楽しめる作品でした。

基本に忠実な書を最高のものと自負して来た若き書道家が、自分の字を貶した偉い人を殴ってしまい、父親から島流しの刑を受けて田舎暮らしを始め、島の人々や子供達と自然のなかで過ごしているうちに、自分に欠けていたものに気付き、作品へのインスピレーションも得て成長してゆく内容が実に面白く、色んな人が色んな形で主人公である書道家に関わって来る中で、島の子供達の1人で、もう一人の主人公と言える”琴石 なる”(7歳)が凄く良かった。

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他の子供達と悪戯ばかりして主人公を困らせ、屈託の無い笑顔で主人公の凝り固まった全てを破壊する様はまさに爽快。なる役の”原涼子”ちゃんの演技も抜群だった。アフレコ現場の雰囲気がそのまま作品にも影響しているから、これほど心地良い作品になったのでしょうねwそんな”なる”達に触発されて、これぞ自分の書と言えるものが見えて来た主人公の字の数々も実に活き活きとしていて素晴らしい♪

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字の担当は”原雲涯”さんという書道家の方で、結構アニメ作品に関わってる人みたいですが、ほんと毛筆で言葉の持つイメージを膨らませるのが上手い方だと思いました。全然書道の世界なんて詳しく無いので、どれだけ有名な人なのかも知りませんけどw

原雲涯さんの字のようにドバッと思うがままに筆を走らせられたら、それはそれは気持ちが良いものなんでしょうなぁ....アートセラピーがあるなら、書道セラピーがあっても良いのかもしれないw



いつかじっくりと硯で墨を磨り卸す時間を作れる人間になりたい。余裕の無い生活ばかりしてたら、生きることを楽しむなんて到底無理な話ですしね。

書道に限らず、己を見直す何かが必要だと切実に最近思います(; ´,_ゝ`)



公式HP http://www.barakamon.jp/

原雲涯公式HP http://www.ungai.com
posted by lain at 07:11北海道 ☔Comment(0)アニメ