名優の逝くとき

 親にあーでもない、こーでもないと、理想を押し付けられてばかりだった子供の頃は、早く大人になって自分の生活費を自分で稼げる大人になりたいと思っていたけれど、今年で36歳になる今では、見る物全てが新鮮だった子供の頃に戻りたくて仕方無い。

 同じように、自分がいつまで健康でいられるかと言う不安も大きくなって来ました。若いうちは根拠の無い自信で大概の事は乗り越えられたけれど、あちこちガタが来始めた今じゃ、体力の衰えに気力まで持って行かれてしまうのを感じます。

 だから死について感じ方も少し変わって来たかもしれません。「まだやり残した事があるから死にたく無い」という感覚から、「苦しい死に方はしたくない」と言う願いに移り変わったように思うのです。


 今朝知ったハリウッドの俳優”ロビン・ウィリアムズ”の自殺のニュースでも、僕が一番に気になったのは、苦しまずに彼が逝けたかどうかでした。自殺であるだろうということ以外、あまり詳しいことは伝えられていませんが、死因は窒息死と言うことで、相当死ぬまでに苦しんだのではないかと思えてなりませんでした。

 鬱に苦しでいたと言う彼には、それほどの苦しみを享受してでも死にたいと言う想いがあったのでしょうか?.......




 全ての作品を観たわけではないですが、彼の出演した映画を幾つか僕も観たことがあります。「いまを生きる」では型破りな教師っぷりを見せ、生徒への想いの強さに胸を打たれたし、「ガープの世界」での人懐っこい笑顔にはとても癒された。かと思えば、「インソムニア」でイカレタミステリー作家を生々しく演じ、その表情には心底恐ろしいと身の毛がよだったものです.....

 ジャンルを越えた演技力で、生きるということの苦しみと喜びを僕らに知らしめてくれる名優でした。


 もしも、その卓越した演技力のせいで鬱になり、こんな虚しい死を迎えたのだとしたら、やっぱりこの世界に優しい神様なんて居ないと言うことなのでしょうね。




 どんな生き方をすれば、1番幸せな死に様を迎えられるのか、もし模範解答があるなら是非とも教えて欲しいものだ.....

 ゆっくりおやすみ下さいロビンさん......




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posted by lain at 20:56北海道 ☔Comment(0)雑記

ジブリのラスボスとはこの人のことだっ

 スタジオジブリには、2人の化物がいる。宮崎駿高畑勲だ。

 作家性こそ真逆に思える両監督だが、子供が泣いたり笑ったり、感情をあっちへこっちへ忙しく動かしてしまうような表現の豊かと、そこはかとないとを混在させた作品を昔から作り続けて来た。


 しかし、彼等の妥協を知らない製作姿勢には、兎に角ベラボーにがかかる。設備運営費から追い込みに入った時の深夜にまでおよんでしまう人件費は当然の事、監督が描きたい舞台にピッタリな場所でのロケハンやら、なかなかやる気にならない高畑さんを遊ばせておく金まで幾らあっても足りない。

 だから、そんな金食い虫達を見事に誘導して来た鈴木敏夫と言う人は、宮崎、高畑両監督よりも化物に違い無い....



 つい先だって、327エピソードにもおよぶボリュームの「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」というラジオ番組をPodcastで全て聴き終えたのですが、だいぶ鈴木敏夫と言う人物の印象が変わりました。元々は巨匠2人にくっ付いているコバンザメであるとか、虎の威を借る狐程度に思っていたわけなんですけど、本当はこの人の客観性が2人の映画監督の作品を支えて来たのだと痛感しました。明らかに傍目から見ておかしい部分を指摘したり、一目でお客さんが興味を持つであろうキャッチコピーを用意して題字を書いたり、どんなに宮さんや高畑さんが怒ることでも、それが作品の為になるならなんでもする男が鈴木敏夫その人なのです。 なんども衝突があったそうですが、鈴木さんの見る目が確かだから宮さんも高畑さんもジブリに居続けているのは間違い無いでしょう。



 いっぺんに聴いたので、同じようなことを何度も何度も話している場面もありましたが、このラジオ本当に面白いです。れんが屋と呼ばれる鈴木さんの隠れ家にゲストが訪れ、脚本の無い会話を始めると言う内容で、鈴木さんの行きつけの床屋さんからジョージ・ルーカスまで、あらゆるジャンルの人が出演するのが特徴的。

 台本が無いため、話もあっちへこっちへ飛びまくるのですが、結局最後は鈴木さんのペースに皆が巻き込まれます。政治的なこと、スピリチュアルなこと、下世話な話やらあらゆる興味へ触手が伸びます。記者魂が根底にある人なんですよね鈴木さん。根掘り葉掘り聞きたがるし、他人がそれほど気にしていないようなことにも執着している。色恋沙汰も大好きだし、血液型にも五月蝿かったw

 鈴木さんもいわゆる団塊の世代なので、勢いばかりの怖いもの知らずでやってこれた人達の1人ではあるものの、昔ながらの良さに凝り固まっているだけの人物では無く、好奇心に溢れ物事の本質が見える柔軟な人物だと思いましたし、ジブリの映画製作の裏側、今の日本や世界のコンテンツの実状などを、そんな鈴木さんの口から知る事が出来るのはとても有益でした。

 無論、彼の言う言葉全て正しいわけでは無いけれど、僕自身が常々感じていることを言葉にしてくれていたのが大きかったですね。凄く良い時間過ごせました。鈴木さんの人脈が広い理由が分かりますね。男が惚れる魅力的なクソオヤジです♡




 収録中、普通に食事し始めるところなんかも、凄くジブリっぽくて面白い「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」。

 あなたもウッカリ鈴木敏夫さんの小言に耳を傾けてみては如何だろう?


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posted by lain at 07:07北海道 ☔Comment(0)ラジオ