愛と友情の叩き売りじゃ泣けないよ....「聖闘士星矢Ω」/車田正美(原作)/東映アニメーション/2012〜2014年/アニメ/感想

 小さなお友達から大きなお友達まで大人気の漫画雑誌『少年ジャンプ』

 近年はワンピースを初めとした少年漫画らしい絵柄の作品が掲載されていますが、昔はもっと濃い絵柄の灰汁が強い漫画家さんの作品が多かった。「ろくでなしBLUES」の森田まさのりさん、「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦さん、「シティハンター」の北条司さん、「北斗の拳」の原哲夫さん、「ジャングルの王者ターちゃん♡」の徳弘正也さん、「キン肉マン」のゆでたまごさんなど、上げればキリが無いほど暑苦しかった(失言)

 今上げた漫画家さんのほとんどは、若干年齢層高めを狙った雑誌へと主戦場を変えていまだに活躍なさっていますが、なんだかんだ長期連載が許されるのは過去のヒット作の続編・改変作であったり似たようなティストの作品ばかりで、ベテランがチャレンジ出来るスペースが商業誌にほとんど無く、漫画家本人が安定を捨てて賭けに出るにしても難しい世の中なのが見て取れます。

 そんな、作らざる得ない物に頼らなければならない漫画家さんに残念ながら「聖闘士星矢」の車田正美さんも当てはまるのかもしれない...



 熱くてクールなバトルを描かせたら天下一品だった車田正美さん。普通なら泥に塗れ汗臭いだけの少年漫画の肉弾戦が、車田正美さんの手に掛かれば華麗な歌劇に早変わりでした。車田キャラ独特の顔の輪郭や瞳の描き方が少女漫画に通ずる所もあってか、イケメンキャラ達の友情にハマった女性ファンも多かったです。姉と一緒に金曜午後5時にテレビ前で並んで聖闘士星矢を観ていたのも良い想い出....

 僕が若干腐れているのはハッキリ言って姉の影響ですしね(白眼)



 そんな大好きな 聖闘士星矢ですが、最終回を週刊ジャンプで迎えることが出来なかったことや、収益の問題によりハーデス編をアニメ化出来ずに終了(その後10数年が経過したのち、OVAで製作された)してしまうなど、これだけの人気作であっても不遇な一面があるものの、「聖闘士星矢 エピソードG」(作画は「シャドウスキル」の岡田芽武さん)なる初代聖闘士星矢の前日談を描いた作品や、星矢達がハーデスと繰広げた聖戦から遡って243年前に行われたの聖戦を舞台にした「聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話」、そして車田正美さん自らが星矢達のその後を描いた「聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話」などが作られていますし、もうしばらくしたら初代で1番人気の十二宮編が映画化されて公開予定でありますから、いまだにあの頃の熱を忘れられないファンや、新たな読者の開拓にも成功しているのかもしれませんね(僕はエピソードGを途中までしか読んでいないし、他の二冊は完全に未読なので良いとも悪いとも言えません。エピソードGは結構楽しかった♪)

 ただ、その波に乗るかのように作られた新アニメシリーズ「聖闘士星矢Ω」、こいつは結構困り者でしたね....


 一応の続編なので懐かしのキャラが出て来て嬉しかった半面、彼等の扱いが微妙であったり、声優さんがイメージと違う人に変更されていたりで違和感が拭い切れず、せっかくの新世代聖闘士達の戦いまで陳腐に見えてしまったのが残念でしかたありませんでした。

 それでもまだ最初のシーズンまでは結構Ωらしい聖闘士星矢で楽しめましたね。主人公のペガサス光牙とライバルであるオリオン座エデン、そして2人を繋ぐアリアと言う少女の哀しい物語は見応えがありました。これが聖闘士星矢で無ければ良いアニメだったなと思えたかもしれません。なのに次のシーズンになって旧世代聖闘士の出番が一気に増したことや、せっかくクロスを持ち歩き易く改変したクロストーン設定を、従来のクロスを収納した箱を背負うやり方に変更したりと方向性がブレてしまい、どんどん一辺倒で面白味に欠ける展開に繋がって行きました。パラサイト四天王なんて、毎回聖剣聖剣としつこく喚き、人間の分際で私に傷を付けれるとでも思ったか!系の似たようなセリフばかりだったので、まったく記憶に残ってませんねw Ωの正体もなんだかなぁ〜って感じでした....


 これだけ出来が変わってしまったのは、前期と後期でスタッフが入れ替わったことと何か関連があるのでしょうかね?どこぞの偉い人の横槍でつまらない物に差し替えられたのだろうか?

 「キャシャーン Sins」「ハートキャッチプリキュア!」の作画監督だった馬越 嘉彦さんが後期で外れ、シリーズ構成の人間まで入れ替えたのも大きかった気がします。完全にパラスとの戦いに入ってからキャラの個性が一部を除き死んでいましたね。なんども言いますが、セリフ回しが本当につまらなかったです。旧世代の聖闘士達ならこう言うだろうという場面で何度肩透かしにあったことか...もっと初代の聖闘士星矢を読み尽くしてセリフやシチュエーションを研究して欲しかったです。 ついでに言うと中川翔子ファンには悪いけど沙織お嬢様の声にもガッカリしてました。 もっと年上の抱擁力溢れる女性の声が良かったんです(´・ω・`)



 一度でも輝かしい結果を残した作品は、様々な人々の思惑に翻弄され当初の魅力を何処かに置き忘れてしまうのもザラですが、過剰に期待したファンが勝手に傷付くだけならまだしも、原作者自身の評価を穢すことにもなりかねない話なので、こうした中途半端な企画には原作者がしっかり眼を通してもらいたいです。



 まぁ、眼を通した結果がこれなら自業自得というものでしょうけどね┐(;´Å`)┌




posted by lain at 07:20北海道 ☔Comment(0)アニメ