とりあえず洞窟は危ないから入っちゃらめっ!<(#゚Д゚) >ガバ「サンクタム」アリスター・グリアソン(監督)/ジェームズ・キャメロン(製作)/2011年/映画/感想

 大物監督が『製作総指揮』した作品は、どうも出来にムラがあってイマイチってのが多い。基本的なコンセプトは面白いのに、役者が微妙だったり映像がCGによる作り物であるのが丸わかりだったりと問題が点在してるのをよく見かけます。


 パプアニューギニアの密林地帯に馬鹿でかく開いている洞窟を調査しているメンバーが、巨大サイクロンの到来により逃げ遅れ、脱出の為に未調査の区域に潜水してゆくという内容の本作も見事に僕の偏見の餌食になってくれました。






 洞窟の探検と聞くと、インディジョーンズみたいなホコリまみれな横穴を想像してしまうけれど、実際には縦横無尽に洞窟は広がっており、もしもそこに大量の水が流れ込めば脱出が困難になってもおかしく無い。だから、もしも逃げ遅れたらどうなってしまうのか?というパニック映画が成り立ってしまったわけです(一応事実を元に脚本は書かれているらしい)


 無茶をしたがる投資家の男と、そんな男にホイホイついて行く我が侭女。不安を抱えたダイバー。周りに徹底したプロ意識を求めるベテラン。そして血気盛んな若者。これだけ強調性が無さそうな連中が集まっているのだから、何か起きない方が不自然に思えるほどの使い古された登場人物配置で、パニックの演出面も極普通。先が分らないのは端役の連中がどの順番で死ぬかくらいでしたw


 キャメロンはアバターで利用した3D用のカメラを投入して撮影させたそうですが、2Dで見たのでそれに関しての良さはまったく分かりませんでした。水中の嫌な圧力は非情に感じるし、狭い洞窟での閉塞感は映像でありながらも閉所恐怖症の人を震え上がらせそうな物に仕上がっているのですが、時々スピルバーグが製作総指揮した「Terra Nova」の安っぽい雰囲気を感じさせる場面があり、役者達の平均的な演技力共々ロケーションの美しさを台無しにしていたように思います。


 唯一面白いと思ったのが、ベテラン冒険家の息子が独り脱出する最後のシーンで、酸素ボンベが切れてヤバい状況の中、洞窟の上方にわずかな気泡の集まりを見つけてそれを吸う姿。


なるほど、そんな小さな気泡さえ大きな希望になってしまうのが肺呼吸である人間の宿命だったと感心してしまいました。



予算の問題があったのでしょうけど、もっと手付かずな洞窟の神秘に溢れた美しさが見たかったです。結果的に自然の美しさや恐ろしさより、人間の自己満足や醜さばかりが目立つ結果になってしまいました。




ジャンプ漫画や萌えアニメ、ソーシャルゲームのように、中身は似たり寄ったりで外面だけ交換して金儲けしてるのとなんら変わらない本作の製作のやり方は面白味に欠けますね。映画「CUT」で西島秀俊が痛々しい姿で今の商業主義な映画の有様を嘆いていたのをつい思い出してしまいました。


お金が無ければ作りたい物の枠組みを制限しなければならなくなるけれど、逆にお金があっても、よほど理解のあるスポンサーで無ければ、作品の方向性に否応なく影響して来ます。



作品性に有無を言わせない芸術性を有している監督さんは稀ですし、大抵は何を何処まで作るかを割り切っているのが普通なのはわかっているのですが、ビッグネームを振りかざして広告を立てる連中のやり方が嫌いなので、ついついぐちぐち書いてしまいました。


とりあえず映画界こそマンネリと言う名の狭い洞窟から抜け出しす活路を見出すべきなんじゃないですかね?


ワクワクの探検が生き地獄に早変わりするとか、まさに今の映画作りを表しているみたいですよ.... (´・д・`)ゞポリポリ






関連過去記事


『あっと言う間に打ち切り決定。原始の世界よサヨウナラ....『Terra Nova ~未来創世記/スティーヴン・スピルバーグ(製作総指揮)/2011年/FOX/米国/ドラマ/感想』



『ドM映画監督の肖像「CUT」/アミール・ナデリ(監督)/西島秀俊(主演)/2011年/国内/映画/感想』


posted by lain at 07:20北海道 ☔Comment(0)映画