80年と1日記念の夜に『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』/藤子・F・不二雄/1997年/アニメ/感想

 昨日12月1日は、もしも生きていれば80歳を迎えていた”藤子・F・不二雄”さんの誕生日と言う事で、CSのテレ朝チャンネルは藤子先生の代表作第1話を放送しているし、80周年にちなんだグッズ等販売を行っていたり、100校を越える私立小学校へドラえもんを全巻セットで寄贈したりと、大々的なキャンペーンが実施されたそうです。

 
 やはり藤子・F・不二雄さんと言うと、『ドラえもん』というイメージが強いですよね。数ある作品の中でも、高度成長期の日本に実際居そうな他人頼りの一人っ子”のび太”が主人公でしたし、そこになんでも叶えてくれそうな”ドラえもん”が現れ、のび太の痒い所に手が届く”ひみつ道具”を”四次元ポケット”から出してくれると言う反則業が、非情に子供心をくすぐりました。

 今回、80周年と言う事で、藤子先生が最後まで描き切ることが出来なかった遺作『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』をアニメで観たのですが、相も変わらぬ”のび太”の見栄っ張りな願いを、のび太のママよりのび太に甘いドラえもんが結局聴いてあげてるのが微笑ましくて仕方無かったです。新しいドラえもんも良いけれど、やはり"大山 のぶ代"さん率いる旧キャストの声は落ち着きます。劇場版になると途端に優しいお兄ちゃんになるジャイアンの声も、土壇場で勇気を出せるのび太の自棄っぱちな声も、どれも本当に耳馴染む。子供の頃に擦り込まれたものですから当然なんですけどねw


 さて、この”ねじ巻き〜”なんですが、いつものようにジャイアン達に強がって、出来ないことを出来ると言っちゃった”のび太”が、ドラえもんに牧場をおねだりするところから始まります。何故に牧場が欲しいのかと言うと、ネジを巻くと命が宿ると言う秘密道具”命のネジ”を使い、命を与えたオモチャの馬の為に広い場所が欲しかったようで、たまたまドラえもんが持っていた福引の小惑星引換券のはずれ券で理想的な星が当たったため、のび太はいつものメンツと自分達が大事にしている”ぬいぐるみ”や”オモチャ”のネジを巻いて命を与え、夢のような牧場生活を始めることになります。

 しかし、たまたま(二度目)そこに凶悪な脱獄囚が潜り込んでしまい、たまたま(三度目)「タマゴコピーミラー」という道具で脱獄犯の分身が山ほど増えてしまったからさぁ大変。のび太達と命が宿った友人達は、無事この楽園を護り抜けるのか?と、なってゆきます。

 こういった夢溢れる箱庭感は劇場版ドラえもんの楽しみの一つだと思います。こんなことが出来たらいいなぁ〜と思えるような物を、のび太達が秘密道具を駆使して創意工夫をこらし、伸び伸びと作る姿は見ているだけでワクワクします。子供というのは、環境さえ整えてやれば、後はなんでも自分で発見して楽しめるんですよね。しかも劇場版は藤子先生の真骨頂であるSF色も強いから好きです。

 ドラえもん以外、それほどヒットしなかったため、ドラえもんばかりの人生だったかもしれませんが、ドラえもんと言う作品は、なんでもやろうと思えば出来てしまう柔軟な作品でしたから、藤子さんも結構楽しみながら描いていたのでは無いでしょうかね?

 
 ただ、少し年齢が上の読者向けにシュールで怖い作品を、もっと描いてみたかったのだろうな、とも思います。ドラえもんだけが原因では無いでしょうけど、色んな葛藤が藤子さんにもあったのだろうなぁ。

 そんな事を思いつつ、「ねじ巻き都市冒険」の未知の存在”種まく者”が、のび太に惑星の命運を託すシーンを観ていたので、非情に感慨深いものがありましたよ....




 藤子・F・不二雄さん。


 あなたが亡くなってもドラえもんは相変わらずおっちょこちょいです。

 のび太の泣き虫は治りそうにありません。

 ジャイアンはいつになったら音痴だと実感するんでしょうね?

 スネオはちゃんと自立した大人になるんでしょうか?

 しずかちゃんがお風呂で覗かれることに慣れてしまわないかオジさん心配です....




 沢山夢をありがとう御座いました。

 これからもあなたの夢は歩き続けることでしょう。

 何処かの星で、描きたいけど描けなかった漫画を描きつつ、時々僕らのことを思い出して下さいねヾノ*‘ω‘ )


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posted by lain at 07:04北海道 ☔Comment(0)アニメ