リドリー先生の大それた道徳教育『悪の法則(The Counselor(原題))』/リドリー・スコット(監督)/コーマック・マッカーシー(脚本)/2013年/米国/映画/感想

 年末が近づき、また映画館が新作で色めき立っている中、一日の仕事終えてからいつものようにレイトショーへ。 SPECの完結編を1番に観たいところだったけれど、もう終わりそうな作品をあえてチョイス。


 しかしその選択を2時間後に後悔する羽目になる....


 



 予告だけだとスタイリッシュでテンポの良いスリリングなアクション映画に見えなくも無い「悪の法則」ですが、まったくもって娯楽性のある作品ではありません。充分に金を稼いでいそうな弁護士である主人公が、悪い友達と悪いお仕事をしようとしたものの、更に悪い人に上を行かれて絶望の淵に叩き落とされると言う展開で、食物連鎖というか弱肉強食というか、自分にはどうにもならない状況の中どんどん追い込まれてゆく殺伐さだけが後に残る教訓映画です。


 悪への道を甘く見てる主人公と、主人公の周りの人間の末路が哀れと言うか、非情に痛い。ちょっとオシャレにしたアウトレイジを観てる気分になりました。



 ただアウトレイジと違うのは、哲学的で抽象的な表現が多用されているということ。登場人物がタイマンで会話する場面も多く、その会話の時間がまた長い。なので脚本家や監督の意図する言葉の元ネタが分らない人にはただただ眠くなる暗号になってしまいます。僕は普通に居眠りしそうになってました。  気軽に大物役者の娯楽作を観に行く気分で劇場に行くのは止めておいた方が良いです。僕みたいに仕事終わりの疲れ切った状態で行ったら、確実に居眠りすることでしょう....





 劇場に貼ってあるポスターの煽り文句は、あまり正しいチョイスではありませんでした。誰が一番悪い人なのかなんて、あの人が出て来た途端分かるくらいなので、謎でもなんでもありません。もっと、野性の生き物が普通に「営み」として行っている自然の摂理の非道さが伝わるスタイリッシュなものが良かったかもしれない。


 難解な作品を、いかに有名どころの役者で釣って観に来させるかばかりに配給会社が終始し、作品の本質を観客に気取られないようにお茶を濁しているのがどうにも気に入らない。作品の善し悪し以上に、配給会社の姑息さが鼻に付いてしまいました。JAROに電話したろか....(´・ω・`)





 とにかく、『通』になり過ぎた人達(リドリーやコーマックやブラビ)だけが本当の意味で愉しめる作品だと言えるでしょう。『ド偉い人達が本気で道徳番組作ったら、こんなの出来ちゃいましたっ!!』が、正しい煽り文句に違い無いゞ(*ゝω・)ノ






posted by lain at 09:55北海道 ☔Comment(0)映画