お留守番は命懸けっ「ホーム・アローン3」/1997年/米国/映画/感想

 クリスマスも終わったこの時期に、わざわざ観るものでも無かったけれど、3作目を観たかあまり覚えて無かったので録画したのを観てみました。



 物々しい導入部分がまず長いですねw

 空軍のマイクロチップが盗み出し、国外へ持ち出そうと悪党共がするのですが、空港の手荷物検査の際同じ袋を持っていたおばさんがうっかりマイクロチップ入りのラジコンが入った方の袋を持って行ってしまってさぁ大変。

 悪党共は執拗におばさんの足取りを追い、とある住宅街の何処かにおばさんが住んでいることを突き止めます。そして、彼等は一軒一軒しらみつぶしに調べてゆくのですが、それを主人公の男の子が発見し警察に通報。しかし、悪党共の巧妙な手口により男の子の悪質な悪戯であると片付けられてしまいます。

 更にお隣が狙われたため、もう一度警察に通報するものの完全に相手にされず、家族にも冷ややかな視線を浴びせられた男の子は、自分で証拠を掴もうと行動を開始することに....







 いきなり国防の危機と言う設定がなんかアメリカらし過ぎてうんざりというか、クリスマスにほんわかするにはもうちょっと身近な危機感の方が家族で楽しめると思いました。悪党共も以前の2作品に比べて個性が弱いし、あんなに序盤周到な連中が後半に入ってあれほど乱れること事態おかしい....ここまで子供の狙い通りに事が進むのはある種ホラーで怖いですなw

 しかもそんな周到な罠を仕掛ける主人公の男の子も残念ながら役不足な気がしました。もっとコミカルで表情豊かな子供が良かったです。天使のような笑顔と、悪魔のような妖艶さが欲しかった。まったく繋がりが無い前2作品を連想させるような(鏡の前での絶叫や、1人ベッドでお留守番の時に「泥棒」を心配する等)シーン・セリフを彼に言わせているのも失敗でしたね。おかげでまるで近年のガンダムを観てるくらいに冷めてしまった。主役降板で別物を作ることを決めたくせに、これではセルフオマージュの出来損ないではなかろうか?あちこちオマージュが盛込まれているのに、大家族でバタバタする売りも引き継がれていませんでしたしね.....


 ただ、ところどころは面白いし、子供に手玉に取られてズタボロになった頃の悪党共の姿は滑稽で笑えるw個人的には警察が家に踏み込んだ時に呆然とする犬がMVPでした♡





 ほんと難しいですよね。あれだけの子役が築いたシリーズを引き継いで作るのは。このレベルじゃ単に商業目的で続編を作っただけに見えてしまうのも無理の無い話でしょう。その後作られた4、日本未公開の5の一貫性の無いシリーズ構成がそれを物語っていると思います。やっぱマコーレー・カルキンは偉大だったなぁ。

↓今のマコーレーの活動



 何緩〜く遊んでるんすか......




 
posted by lain at 10:33北海道 ☔Comment(0)映画

狂気が狂喜を産み、凶器を産み落とす「愛と悔恨のカーニバル」打海文三/徳間書店/2003年/小説/感想

 本書を読み終えて最初に思ったのは、これ以上の愛情表現は無いだろうということ。様々な愛の形をハードボイルドと言うオブラートに包み、僕らに届けてくれた打海文三さんだが、彼自身はどんな愛を渇望していたのだろうか?.....



 インモラルで片付けて良い気がしないほど、こんな救いようの無い愛も世の中にはあるなと打海作品を読んでいて思うわけですが、今回のアーバンリサーチシリーズ最後を飾る「愛と悔恨のカーニバル」は、それに相応しい究極の愛でありました。

 「されど修羅ゆく君は」で大人の女性達を相手に色男を取り合っていた当時13歳の”戸川姫子”が19歳になり、偶然子供の頃の親友に街で出会い自然と男女として付き合うようになるのですが、どうやら彼には秘密があるようで、知り合いの探偵から彼が以前付き合っていた女性が行方不明になっている事を知らされます。

 それと時を同じくして、彼は駅のホームでうずくまる見知らぬ女性を自宅に保護していたところを襲撃されることになります。なんとか撃退したものの、彼はそこから一気に暴風域の中心となって次々と殺人を犯してゆくことに....



 彼が殺人を繰り返す理由。これは理解出来ない人もいるかもしれない。でも、ここまでアーバンリサーチシリーズ、もしくは打海文三作品に触れて好きになった事がある人ならば、彼が殺人を繰り返す理由に「あぁ」と、どこか納得してしまうことだろう。

 ネタバレかもしれないが、あえて書かせてもらうと、これは「食べちゃいたい」くらいに相手を愛してしまった人と、その人を愛さずに居られない人間の哀れな刷り込み具合の物語であります。

 「自分が人間でなくなる感覚」を期待したと語る殺人鬼の男。「人間でいるのが辛いから」と続けます。それはその身に凄まじい愛を感じた者の苦悩だったに違い無い。姫子と生きたいけど生きられない。妄執に囚われ捻れてしまった愛の行く末は、決まって死しか無いと言うのに渇望し続ける彼の姿は本当に痛々しかった....愛であり哀である"性"を持て余し、自分を抑制したり解放したりを繰り返す人間の根本が彼の中にはありましたね。

 そんな彼を愛してしまった姫子の想いも彼には届かなかった。それが本当に苦しくて切ない。ただ、打海ヒロインらしい、たくましさで終わることは救いでした。いつか姫子はウネ子さんのような素敵な女性になることでしょう。



こんな痛々しい愛ばかりを書いて来た打海さん。男を値踏みする女性の辛辣さ、甘さを上手く書いているが、こんな抜き身な書き方をしていたら自分の首を自分で締めるようなもの。ドが付くほどマゾだったのだろうか?...まあそんな打海さんを敬愛しているのだから、僕もマゾということになってしまいますがw

 救いようの無い愛に塗れた打海ワールド。しかしそこには純粋に命掛けで人を愛して生きたいと渇望する魂があるから、不器用な彼等への愛おしさで心がいっぱいになるのでした....


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 関連過去記事

 『ろくでなしを葬る子守唄「苦い娘(旧題「ピリオド」)」/打海文三/中央公論新社/2005年(1997年)/小説/感想』

  『”小白の栴檀草”の花言葉を君に贈ろう「兇眼」/打海文三/1996年/徳間書店/小説/感想』
posted by lain at 07:04北海道 ☔Comment(0)小説

音楽は楽しい嬉しいちょっぴり哀しい「クリスマスの約束2013」/TBS/小田和正/感想

 完全に小田さんにとってライフワークとなった『クリスマスの約束』が今年も無事終わりました。

 去年は馴染みのメンツばかりで新鮮味が無く、この奇跡のような時間も終わりが近いのだろうか?と、漠然とした不安を感じたものですが、今年のはそんな不安が杞憂だったのだと感じる素晴らしいステージでした。



 最初のゲストがまずヤバかった。

 数年前から病気がちで、鬱状態であるとも告白していた吉田拓郎だが、小田さんとの4曲は本当に素晴らしかった。声量こそ全盛に遠く及ばないだろうけれど、気持ちの籠もりかたが半端ではなく、最後の「人生は語らず」を聴き終えた頃には、鼻の奥がツーンと痛くなるくらい眼が潤んでしまいました....

 「音楽が非情に楽しい」と小田さんに語る拓郎さんの想いが実に声に表れてましたね♪そんな凄い拓郎さんの本気を目の当たりにしたせいで、大橋卓弥さんメインの「奏」は今までで1番の「奏」になっていたのも、音楽って想いを繋ぐ道具として決して欠かす事の出来ない存在だとつくづく思いました。



ここまででもかなり充実感があったのですが、次の桜井さんとのラブラブ具合もヤバかったですよねw笑顔を絶やさない桜井さんと、ちょっと気恥ずかしくしている小田さんの姿には、腐女子ならずとも萌えたに違いない♡

桜井さんが原型を作り、小田さんと完成させた「パノラマの街」も、そんな二人の関係性を感じて聴き惚れてました。

個人的には尖った曲の方が桜井さんの曲好きなんですけど、改めてLIVE Verで聴くと「365日」って良い曲だと思いました。熱心なファンでは無いので敬遠してましたけど、いつかLIVEにも行ってみたいです。



そして完全に今回のトリと言える東北大の生徒との合唱を迎えるわけですが、正直小田さんの曲は合唱向きじゃなかったですねw東北大の総長に震災後まだまだ元気が出ない母校や地域の為に、この先末長く歌い継がれるような曲を作ってくれとお願いされ、「緑の丘」という曲を作ったらしいのですが、暗めの曲調なので誰もが口ずさむような軽快さがほぼ皆無なので.....小田さんが一人で歌えばまた違う印象になるのでしょうねw


でも「ふるさとになって行く」って最後のフレーズ凄く好きです。番組終わりに生徒達と名残惜しそうに3番だけ歌っている様子も微笑ましかったですしね。小田さんのいつか出るであろう新しいアルバムに、ソロVerと合唱Verの両方を収録して欲しいな♪

いやぁ〜本当に充実した構成でした。否が応でも来年のクリスマスの夜に期待してしまいます。

来年も小田さんとクリスマスを過ごしましょうね♡☆(ゝω・)vキャピ









え?誰か忘れて無いかって?





あ、女子二人ねw

貴重な女性出演者二人でしたが、収録時間が押していたせいか、放送分では1曲のみと言う事と、あまりにインパクトのある出演者達の後では、あまりに荷が重かったですね。何処かを重視すると、何処かで軽視される人が出てしまうのは仕方ない事ですが、一歩間違えると完全に編集で削られるところでした。

来年以降、女性アーティストをどう扱ってゆくのかが、今年の課題になったのかもしれません。


長年支えてくれた彼女達なので、切り難いのも分かりますが、新しい華を用意するのも面白いかもしれませんね。





 今年の演奏曲

  ・the flag/小田和正
  ・落陽/吉田拓郎、小田和正
  ・リンゴ/吉田拓郎、小田和正
  ・今日までそして明日から/吉田拓郎、小田和正
  ・人生を語らず/吉田拓郎、小田和正
  ・Mr.Postman/小田和正、根本要、スキマスイッチ、水野良樹
  ・奏/小田和正、根本要、スキマスイッチ、水野良樹
  ・デイ・ドリーム・ビリーバー/小田和正、根本要、スキマスイッチ、水野良樹
  ・365日/桜井和寿、小田和正
  ・その日がくるまで/桜井和寿、小田和正
  ・パノラマの街/桜井和寿、小田和正
  ・クリスマス・イブ/桜井和寿、小田和正
  ・緑の丘/東北大学混声合唱団、小田和正
  ・What the world need now is love/松たか子、 JUJU、小田和正
  ・やさしい夜/小田和正





関連過去記事

『聖夜の残響「クリスマスの約束2012」/小田和正/TBS』
http://lainblog.seesaa.net/article/310304238.html?1388101369
posted by lain at 08:41北海道 ☔Comment(0)音楽