またやってくれました森・ザ・ワールド!「赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER DELIQUESCENCE」/森博嗣/講談社/2013年/小説/感想

 正直、また凄いパスを投げかけて来たものだと戸惑いました。

 ”赤目姫”と言う比類無き存在と、それを取り巻く人々の特殊さを一般人代表的な2人が観測し続ける話になるかと思いきや、あっという間に、その観測者だった2人が今度は違う人物に変わって、場所にも、時間にも、自我にさえも囚われない場面展開へ飛躍してしまうので、とても捕らえ所が難しいのです。

 登場人物の見掛けや精神が固定されず絶えず変化するので、全てに繋がりがあるようで、その実繋がりは存在しないようでもある。そんな内容に戸惑わない人がいるだろうか?


 人間誰しも自我を維持するために自分を紐付け出来る確定要素不可欠なわけですが、その人間の惰弱な部分をとことん揺さぶり付けて来る森博嗣節が今作はくどいほど見られ、いつも以上に多い詩的な部分や専門用語にもモヤモヤして不安感が大いに揺さぶられました。

 だから、常に新しい刺激と発見を求める森さんが「何処まで抽象的な表現の羅列が一冊の本として赦されるのか?」と言うテーマにチャレンジしたのは理解出来るけど、少々食傷気味に終わってしまった感が勝ってしまいました。百年シリーズの再稼働としても肩透かしでしたしね。

 ただ、こういった挑戦から逃げない森博嗣さんは、やはり凄いとも思いました。小説と言う限られた枠の中で、ここまで自由に采配を振るえる手腕は流石です。今の自分では釣り合わないので、10年後、20年後の自分に読ませたい作品かもしれません。



 どうしてもファン目線だと贔屓目に読んでしまうところもあるでしょうが、皆さんは率直にどう感じたでしょうか?

 年齢層によっても違うでしょうし、百年シリーズを読んでいる、読んでいないでも評価に差が出ることでしょう。深く森作品に傾倒しているファンなどの反応も気になりますw

 僕は潔いまでにバッサリと切り落としたシンプルな森作品が好きなので、ちょっぴり残念だったかな.....





 僕の感性や知識では「誰」かにこの作品の凄さを説明することは無理ですねキッパリ

 ちなみに、そんな残念な僕のオススメは、第七章の「天知る地知る」

 ここだけで御飯三杯イケそうだったゞ(*ゝω・)b

装丁は相変わらずのいいセンス






 様々な人達の考察

  http://togetter.com/li/542460

  http://d.hatena.ne.jp/huyukiitoichi/touch/20130727/1374917350

  http://sskr.hatenablog.jp/entry/2013/07/29/223742

  http://roji42.blog.fc2.com/blog-entry-336.html

  
posted by lain at 21:24北海道 ☔小説