「負け組の歌とは言わせないから」彼は声を振るわせてそう言った『0.7』/amazarashi/2012年/LIVE/感想

 初めて(おそらく)の北海道でのLIVEで、それがなんと初であるロックフェス”RISING SUN ROCK FESTIVAL”だった”amazarashi”

 僕は諸事情(金銭)につき今年もRSRは見合せたわけだけど、ここまで来たら札幌での単独公演も近いのかもしれない。しかい、いつになるか分らない公演を待つくらいなら、無理にでもRSRに参加しておけば良かったかと、今思えば非常に惜しいことをしたような気もする...

 そんなことを考えていたら、ついつい彼等のLIVE DVDをポチっていた。




 2012年の”ごめんなさい ちゃんといえるかな”ツアーZepp DiverCity TOKYO公演と、同じく2012年”渋谷公会堂”で行った”千年幸福論”のLIVEの模様を合わせた物になっており、限定版を買った人には他の公演で歌ったLIVE音源と、新曲の弾き語りが収録されたCDも付属されていました(限定版は新品での入手はほぼ無理で、中古でも高値が付いている)

 
 amazarashiのボーカル"秋田ひろむ"は顔出しせずに音楽活動を行うことで、作品世界により深く入り込んで欲しいと考えているため、LIVE中も絶妙なライティングと、ステージと客席を隔てるスクリーンによって秋田本人の顔は表情さえ伺い知りことは出来無い。

 だが美麗な映像演出と力強いボーカルによって素晴らしいステージが作られていました。音源やPVで彼等を好きになった人を裏切らない隙の無い一連の構成を観ていると、今まで彼が一貫性を持って行って来たこだわりの深さを感じさせます。


 生では無いし、顔も見えないが、ようやくLIVEでのamazarashiを、”秋田ひろむ”を見れたこと、聴いたこと、とても良い時間になりました。LIVE映像の合間に秋田ひろむ本人が故郷である青森の想い出の地をめぐり、今の心境を詩のように吐露しているのも非常に染みましたね。

雰囲気が少し尾崎豊とダブって見えて来ました。まるで他人のことを話ように自分のことを語るところや、楽曲への感情の込め方や、触ると暴発して粉々に壊れてしまいそうな繊細さとか...

 とにかく、勇気を振り絞って「自分」を表舞台に引き摺り出した男の背中には、戸惑いと喜びが滲み出ていました。


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 きっと彼はどんどん”人”に、自分に優しくなれるようになっていって、今のようなトゲは抜け落ちてしまい、今のような歌は作れなくなるはず。

 心から今までの自分を歌うことが出来るのも、そう長いこと無いでしょうから、やはり今の彼を目に焼き付けておきたいものです。
 


 歌うことで変化してゆく自分を持て余し、相反する想いに己の身を焼かれながら、足掻くことを止めない彼の真っ直ぐな感情は、暗闇の中で唯一の道標が輝きを放っているかのように綺麗だ。

その輝きの原動力を知っているが故に、彼が固く結ばれた拳をいつかほどいて、微笑みを手にする日がきて欲しいと想う半面、その異彩が白日の下に晒され、魔法が解けてしまうのは勿体無いという気持ちも有る.....



ぼくは本当に我儘な人間だ。







「自分を肯定する歌からリスナーを意識した歌へ。amazarashi初の映像作品を通じて、秋田ひろむが自身に訪れた心境の変化を語る」
http://www.qetic.jp/interview/amazarashi-2/90117/

0.7特設サイト http://www.amazarashi.com/0_7/





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『想いの強さは何処まで届くのか。「千年幸福論/amazarashi/Sony Music/2011年/音楽」』
http://lainblog.seesaa.net/article/238643215.html