劇場版による補完の有り様にぐちぐち「UN-GO episode:0 因果論」/水島精二/2011年/アニメ/映画/感想

 まだまだ終わらないプラモ作りのおかげで、やっと「UN-GO」の劇場版を消化出来ました。




 UN-GOは古き神々の力がちょいちょい絡んで来る反則気味の探偵アニメなんですが、その神の力の裏をかく駆け引きや頭脳戦が実に奇抜で、相手にたった一つだけどんな質問でも答えさせる事が出来る神の化身”因果”を使い、ライバルであり自分と違って社会的地位も確立している”海勝 麟六”と競うように主人公の”結城新十郎”が事件の真相に近づいていくのが実に面白い作品です。


 流石はノイタミナ枠だなぁ〜と思いつつTVシリーズは観ていたものの、急にお話が飛んだように感じた瞬間がありました。因果と同じく神である”別天王”が現れた時です。

 別天王は自分と契約した人間の言葉通りの世界を周りの人間に見せる事が出来るのですが、その能力については既にみんな知っている体でストーリーが進むので非常に戸惑いました。別天王と新十郎達が出会うエピソードを描いた劇場版を良いタイミングで見れればそれで良かったのかもしれませんけど、僕の住む北海道での放送は3ヶ月ほどズレ込んでいましたし、劇場版のDVD発売も放送後と言うことで完全に意味不明でした。

 劇場版は劇場版としてそれなりに観れる作品だったように思いますけど、たった49分間なのですから2話分に分けてTVシリーズに組み込んで欲しかったです。そうすればTVシリーズの良い盛り上がり最中に水を差された気分にもならず最後までUN-GOの世界観を楽しめた事でしょう。


 収益の回収やマルチメディア展開の一環から短期間上映目的で劇場版を作るのが常套手段になりつつありますが、劇場版は劇場版、TVシリーズはTVシリーズで楽しめるように構成して欲しいものですなぁ。



 なんだか製作会社の営業に良いように踊らされているようで不愉快ですが、それでも続きをみたいと考えてしまう力のあるシリーズでしたよね、実際のところ....

 で、どうですか?続編作ってみてわ (= ワ =*)じ〜



 公式HP http://www.un-go.com/




 関連過去記事
 
  『こんな融合の仕方もいいねw「UN-GO」/水島精二(監督)/坂口安吾(原案)/會川昇(脚本)/ボンズ/2011年/アニメ/感想』

  『ちょこっと読了「明治開化 安吾捕物」/坂口安吾/1953年/小説/感想』
posted by lain at 06:29北海道 ☔Comment(0)アニメ

ベネディクトレックな映画だった「スター・トレック イントゥ・ダークネス」/J・J・エイブラムス/2013年/米国/映画/感想

 やんちゃしてばっかりの向こう見ずな”カーク”船長に抜擢されてから上り調子の”クリス・パイン”と、日本人が出演していた事で国内でも大人気だった「HEROES」で存在感ある悪役”サイラー”を演じた"ザカリー・クイント"が再度コンビを組む「スタートレック イントゥ・ダークネス」観て来ました。





 今回はロンドンで起きたテロ事件の首謀者を追って、クリンゴンの勢力下にカーク船長率いるエンタープライズ号が赴くと言う内容。


 テロ犯役にはクリスやザカリー以上の存在感を持ち、今1番脂の乗った役者である「SHERLOCK」の”ベネディクト・カンバーバッチ”が選ばれ、ぶっちゃけカークとスポックの2人を合わせても彼の強烈な冷笑の前ではお子様扱いだったように思います。流石キャッチーな物への喰いつきが早い"J・J・エイブラムス"ならではの人事でしたw



 とにかく配役はとても良いしアクション映画としてのまとめ方も上手く、CGも綺麗で素晴らしい映画なんですけど、ほんの2時間弱の尺なのでスタートレックシリーズの魅力である他惑星の探索や精神描写が物足りないところもやはりあるように感じます。


 宇宙船同士が撃ち合ってエンタープライズがボロボロになるのも面白いですけど、カークとスポックのホモホモ展開以外の人間ドラマも味わいたい。せっかくベネディクト・カンバーバッチが”カーン”を演じて「論理と感情」をテーマにドラマ性を高めようとしても、展開の早さが仇になって深みが出し切れていませんでしたしね。序盤カークの恩人である”クリストファー・パイク”がごにょごにょするシーンくらいまでは良かった気がするのだけど...


 やはりめまぐるしく進行するシナリオより、大事にドラマを育てて最後に胸が熱くなるゆったりとしたスタートレックを観たいなぁ。そのためにも地上波での枠が欲しいわけですが、「エンタープライズ」以降TVシリーズ作って無いので寂しい限りですよ....






 アクション性の高い映画で無いと予算が取れないのは分りますが、これはこれ、それはそれとして「スタートレック」本来の魅力も残して行って欲しいとちょっぴり思う2作目でした。






 公式サイト  http://www.startrek-movie.jp/





 関連過去記事




posted by lain at 09:57北海道 ☔Comment(0)映画

宝石人間アラワル!「宝石の国」/市川春子/講談社/アフタヌーンKC/2013年/漫画/感想

 散々”アフタヌーン”にはワケの分らない世界を見せられて来たけど、この”市川春子”さんの「宝石の国」も類に洩れずワケが分らない。


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 その昔繁栄していた生物が海に飲まれて命を落とし、海底に棲む微生物に喰われて無機物となった。それから長い年月を掛けてそれらは結晶と化し、海から地上へと上がって住まうようになったのが宝石人間達だそうだ。彼等は、月からやって来て宝石である自分達を月へ持ち帰ろうとする存在と戦っている。ちなみに襲撃者達はバッサリ切ると、まるでレンコンのような切り口だったりする....

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 ね、ワケが分らないでしょ♡


 幻想的な世界観には細かい設定など無用で、謎が謎を呼び最後まで謎のままの方が面白い事も多く、ワケが分らないのは決して悪い事では無いと僕は思います。そういう意味での宝石の国は素晴らしい構成ですね。「なんとなく」世界感を感じ取れる雰囲気作りが絶妙です。


 宝石人間達はそれぞれ実際の宝石の特性を人格にも反映させていて、優秀で人望の厚い”ダイアモンド”、仲間が眠りにつく夜にしか出歩かない孤独な宝石”シンシァ”、何をしても使えない落第生な主人公”フォス”などが、自分達のコンプレックスと外敵との両方を相手に戦いつつ見せる表情がとても良いです。全員で28人いる宝石人間達を擬人化させる事は、「ヘタリア」のように国ごとの色を出す擬人化より遥かに難しいように思います。腐女子の妄想力には実に驚かされますね (= ワ =*)

 『市川春子『宝石の国』 元ネタ宝石一覧』



 春子さんの描く登場人物は、男の子のようでもあり、女の子のようでもある中性ラインでデザインされ、身体の線の細さや顔のシャープさから「ファイブスター物語」の”ファティマ”や「少女革命ウテナ」の”長谷川 眞也”さんの仕事とダブって見えて魅力的。美しくも脆い彼等宝石の物語がどう落ち着いてゆくのか実に楽しみだ。


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 一見すると、およそアフタヌーンには似つかわしくないような絵柄な気もしますが、似たような漫画ばかりのジャンプなら絶対編集のOKが出ないところを、アフタヌーンはしっかり認めてGoを出せる点、懐の広さを感じますね。



 とにかく、ワケの分らない世界に、しっかりベタな魅力も放り込んで来る市川春子さん上手いっす(ゝω・)b



 宝石の国公式サイト http://ptpt.x0.to/pp/
posted by lain at 07:22北海道 ☔Comment(0)漫画