まだまだ攻殻は死なないコンテンツだった!『攻殻機動隊 ARISE 1』/黄瀬和哉(監督)/冲方丁(脚本)/2013年/Production I.G /感想

 世界中にジャパニメーションの凄さを見せ付けた金字塔「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」

 そしてその魅力を上手く引き継いだTVシリーズ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」

 それぞれ続編が作られ、世界的にもヒットしたものの、あまりにも世界観が出来上がり過ぎてしまい、もうこれ以上拡げる余地が無くなって飽和状態になっていたように思います。

 正直これ以上無いくらいに劇場版とTVシリーズそれぞれの終わり方は完成度が高かったと思います。「イノセンス」のバトーにしても、「S.A.C. 2ndGIG」のクゼにしても....


 だから押井守さんの影響下で製作していたS.A.C.から美術以外のキャストもスタッフも総入れ替えして作る「攻殻機動隊ARISE」の製作が発表された時、これは面白い事になるぞと素直に興奮しました。何より大好きな”坂本真綾”が主役をやる事になりましたしね。




 長い間今までのキャストが声を担当して来ましたから、意外と不満の声が上がるかと思ったのですが、ポジティブな声が多くて安心しました。今回は今までで1番素子が若い頃の話に当たるため、大人っぽい声より少年らしい声質の真綾がハマって見えるからでしょう。キャラ絵もそれに合わせて若い感じに仕上がっています。

 ストーリーに関しては、確固たる『自分』を判別する事が難しい電脳化された世界だからこそ成立するミステリーを”冲方丁”さんが上手くまとめており、素子が上官の死の真相を追いながら馴染みのメンバーと繋がってゆく構成のため、完全に既存の攻殻と繋がりが無い完全新作なのに自然と新生した攻殻機動隊の世界に入り易くなっているのが良いですね。上司をハメた連中にキレたり、まだまだ他人に裏を掛かれるような甘さを見せる感情的な素子の姿も見所でしたw

 他にもリアルさを求めた渋い効果音がじわじわ来るアクションシーンもキマっていましたし、”沢城みゆき”演じるフチコマの旧式モデルっぽい"ロジコマ”がまた萌えをもたらしてくれそうなのも嬉しい♡

 微妙かと思ったコーネリアスのBGMも、慣れれば懐かしの未来世界の匂いがして来て独特な新空間を作る事に貢献していました。ED曲はSlyuの新活動名義”salyuk×salyu”で最高にカッコイイしね♪





 あらゆる面で”Production I.G”の本気を感じる仕上がりでした。2流の会社なら今までと大差無い製作陣で新作を製作した事でしょう。まだそれぞれ固さがあるような気もしますが、何話か作ってゆくうちに良い流れを産んで行きそうで楽しみですゞ(*ゝω・)ノ


 それにしても、攻殻機動隊に今が追いつくには、あと何年掛かるのでしょうね?

 1989年に原作が世に出てから20年以上経過しても、まったく色褪せない攻殻の世界。まだしばらくは広大な可能性を秘めた存在であり続けるのかもしれません....



 公式HP http://www.kokaku-a.com/
posted by lain at 21:34北海道 ☔Comment(0)アニメ

ムサいおっさんの自画撮り転生映画「アリラン」/キム・ギドク/2011年/韓国/映画/感想

 大なり小なり、誰でも大抵は自分の存在を周りに認めて貰いたい欲求を持っていると思います。

 どんなに自分が努力しても、自らの視点から成果を実感するのは難しく、第三者による違う角度からの反応により初めて自分の価値の裏付けが出来るからです。

 無論そんな裏付けだって賞味期限が過ぎると効果は薄れ直ぐに輪郭がボヤけてしまう。だから常に自分の形を確かめようと我々はなんらかのアクションを第三者の前で繰り返します。


 大衆受けする本を書いたり。海外サッカーでゴールを決めたり。テレビの中で嘘くさい笑顔を作ったり。

 時には人を殺してニュースに取り上げて貰ったり....



 自分に価値を見出して死ぬ前に『何か』を残そうと考えるのは、”本能”の成せる技だと言われたりもしますね。だから誰かと結婚して子供を作り会話する事が1番早くて正しい『自分の残し方』かもしれない。だがそれが出来ない人や、それじゃ満足出来ない欲深い人は、何百、何千、何万人でも足りず、なるべく多くの人々の心に入り込もうと画策します。まるで癌細胞のように。

 昨夜観たドキュメンタリーもどきな映画も、一人の落ち目な監督が世の中に忘れ去られたく無い一心で起こしたアクションの一つでした。





 このドキュメンタリーを自作自演した”キム・ギドク”と言う人は、世間から鬼才だの異才だの騒がれ、世界的にもファンが多い監督だそうだ。

 「だそうだ」と言うだけあって、僕は正直彼の作品を観ていないと思います。暴力的だったり性的だったり、内に籠り続けた想いを自棄っぱちにぶちまけたような作風だと噂に聴いた程度の存在でした。

 なのに何故彼のドキュメンタリーを観る気になったのか?

 単に日本でこの「アリラン」の公開決まった時期に、非常に上手くギドク氏を持ち上げた作品紹介記事をたまたま読んでしまい、うっかり騙されたと言うのが本当のところな気もしますが、こんな恥部を晒しただけの自画撮りを世界各地で上映して貰える男に興味が湧いたからかもしれません。

 しかし観始めると”それ”は想像以上に強烈でした。ボロ小屋で世捨て人のように汚い身なりで生活する男がただただ自問自答や恨みつらみをカメラの前で繰り返すばかりの内容なのです。ハッキリ言って犯罪者が自分の凶行を肯定したいがために事前に撮った動画のような陳腐さでした。キム・ギドク作品や彼の人となりを知らない人にはポカーンな内容なのです。

 ただ、何処までが狙いで何処からが本心なのか判別し難い彼の真剣さには引き込まれるものが有りました。映画を撮りたいけれど満足の行く映画を作れる自信が持てない自分の素直な気持ちを、複数の”自分”同士が対話する構成で成り立たせているのが意外と面白いです。結局最後は自分の自信を打ち砕いて去った連中を巻き込み自殺し、今までの自分とオサラバすると言う感じで終わるので、なんだかな〜としてしまうのは変わりませんけどねw



 しかしよくもまあこんな私的な作品を配給会社は上映を決めたものだと思います。よほどキム・ギドクと言う男に惚れ込んでいるのか、話題性で儲かると踏んだのか分りませんけど大した度胸ですよ。

 自分が映画を撮り続ける理由を裏付けしようと足掻いた結果、彼は2012年の「嘆きのピエタ」で金獅子賞を手にしたわけですし、その賭けは正しい選択だったのかもしれません。まあ本当に良い映画かどうかまだ観ていないのでなんとも言えませんけどね.....


 ここまで自分を周りに認めさせたいと強く願い実行する人は怖いものがあります。本当に犯罪者と紙一重な存在に感じて嫌悪する半面、彼のように強く自分を晒す生き方に憧れる自分がいるのも確かです。


 彼の今後も気になるが、まずは自分がどう生きて行きたいか。それを見つめ直さないといけない気持ちで一杯になる作品でした。

 とりあえずピエタ観てみたいな.....




 



 
posted by lain at 07:13北海道 ☔Comment(0)映画

オンリーワンな憑依系デカ物レースゲーム「Driver: San Francisco」/ Ubisoft/2011年/PS3/XBOX360/感想

 あまりにも世界でXbox360が順調に成長してしまった(日本以外...)為に、悪く言えば「増長」してしまった”Microsoft”社は、今年発表した次世代機”Xbox One”を当初の計画通り素直に発表してしまい、その後のバタバタ(ポリシーの変更等)も含めて多くのユーザーの不興を買ってしまったように思います。


 これに合わせて、ゴールドメンバーシップ会員には年内月2本ずつゲームを無料で提供すると言うニンジンで釣る作戦も発表しましたけど、勿論日本での展開はしょぼいタイトルばかりで、今のところフルプライスで販売したようなソフトは一本も無料にはしてくれません。

 どうせニンジンで釣るなら、国内は期間限定セールなどで注目度が高まっているゲームオンデマンドの価格に切り込んでゆき、セール期間の作品だけではなく、価格改定した作品ももっとダッシュボード内で大々的にPRすれば良いのにと思いました。

 例えば『Driver: San Francisco』なんて意外と良いゲームなんですよ。




 犯罪者を追跡中事故に逢い瀕死の状態の刑事が、昏睡状態の中で派手なアメ車を乗りこなし、犯罪者を追い掛けるオープンワールド(車から降りる事は出来ない)のゲームで、マップ上に有るあらゆる車の運転手に自由自在に憑依して捜査を続けると言う奇抜な設定が面白い作品。
 
 オープンワールド物ですから、いつも通りサブクエスト的なイベントも豊富で、ついつい続けて遊んでしまいたくなるし、犯罪者を止める為にどんどん周りの車を操作して体当たりをかますフランクさも笑えますw

 ただ慣れて来ると単調にはなって来るので、これがフルプライスならここまで楽しめたかどうか分らないのも確か。だからこそオンデマンドの価格改定が勝負だと思うんですよね。1200円と安かったから僕は買ったわけですから....

気になっているけどまだまだフルパッケージでは値段が高いなぁ〜と思ってるソフトが、オンデマンドで少しでも安く買えれば自ずと僕みたいに買う人が増えると思うのです。


 憑依した車に同乗者が居たりすると、おバカな会話とかも楽しめるし、中盤から終盤になると、宿敵と言える犯罪者も同じ能力を使って来て、最後にはそこら中の車を投げつけ合うという開いた口が塞がらない展開もこのゲームでしか味わえないと思います。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」をリスペクトした実績を作っちゃう辺りの遊び心にもニヤリとしてしまうはずなので、気が向いたら遊んでみて下さいね☆(ゝω・)vキャピ ←PR終了


Xbox Oneだけではなく、PS4も含め、次世代はDL配信がお得に感じる時代になると嬉しいですね。

Steamみたいに....



Driver: San Francisco Xbox360
http://marketplace.xbox.com/ja-JP/Product/Driver-San-Francisco/66acd000-77fe-1000-9115-d8025553087e
posted by lain at 07:02北海道 ☔Comment(0)ゲーム