怖く無くなったホラーの行方は...「バイオハザード6」/カプコン/2012年/PS3/XBOX360/ゲーム/感想

 発売から半年ほど経過したバイオ6を、安売りしてた海外版でちんたら遊び、シナリオを一通りクリアしました。



 北米版を買ったワケですが、既に多くの人が確かめた通りリーフリで、普通に起動したら日本語化されていました。グロ表現は本体のリージョンで判別し表現規制が切り替わるので、北米本体で起動すると敵キャラの欠損が解禁されるようになっているのですが、それほど激しい欠損では無いので国内版で充分な感じ。


 ゲームの内容についてはあえて書く必要も無く、良くも悪くも『バイオ』だなと思いました。

 4人のキャラごとの視点で今回の騒動を体験してゆくと言うコンセプトは面白いし、それぞれに違うUIを用意したり違う遊び心地(レオンなら今まで通りのバイオ。クリスはバリバリのミリタリー物。エイダだとスニーキング)を演出しているのも悪く無いと思うものの、無駄にQTEが入るのは頂けないしベタ過ぎるシナリオは先が読め過ぎて全てのキャラで遊ぶ意味が弱い気がしました。

 このキャラを進めることによって初めて本来のストーリーが見えて来るといった部分は”エイダ”編のみだったように思います。どのキャラのお話も何処かの映画で観たような展開ばかりで、それが完全に悪いとまでは言わ無くとも、もっともっと先が読めないスリリングな脚本が欲しかった。それでなくとも敵が怖く無くなったホラーっぽいムービーゲームになってしまったわけだし....

 せっかく複数の主役を配置したのだから、いっそこのキャラでの選択がこのキャラのエンディングに影響するといった、マルチエンディングの形をとった方が盛り上がると思います。PS3で発売された「ヘビーレイン」のように、主役級のキャラが1人死んでも、2人死んでも、ちゃんとエンディングまで行けるシステムの方が、リプレイ性に富んでいて飽きずに何度も遊べるのでは無いでしょうか?



 とはいえ、バイオはこのままバイオで良いとも思わなくもない。もっさりしているからといって、慣れた操作感を無くすのも違うだろうし、安っぽくてセンチな展開ではなく理不尽にお馴染みのキャラが死んでゆくのも違う気がします。お馴染みのキャラから新キャラまで、充分に出来上がっていて”クリス”と相棒の”ピアーズ”は腐女子的に最高だったし、”シェリー”は眩しいほどに白くて可愛いし、もしも実写化したならばキャストは”椎名林檎”しかいないなって思った”エイダ”はいちいち皮パンヒップと胸元がエロかったしね♡(結局そこかっ!)

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 和ゲーの続編はこう作るという教科書通りのポイントを抑えた隙のないキャラ配置は結構良かったですよ実際。結局ウィルスとの戦いがイマイチ進まなかったことが問題なのかもしれません。そろそろ一旦シリーズを完結して、新規キャラで新たなバイオを構築すべき時が来たのかもしれませんね....



 ちなみにだらだら遊んでいた僕のプレイ時間は20時間を越えました。マルチのマーセナリーズ等で遊べることを考えても、ボリューム面はなかなかのものがあります。見辛いカメラワークに少し酔いそうになったりもしましたが、操作面でもなかり改善された部分もありましたし、賛否あっても商品としてはそれなりの完成度があったと評価すべきでしょう。

 ここ数年バイオに触発されて作られた”デッドスペース”が怖さとゲーム性で目立っていた分、バイオにも1や4のような恐ろしさを求めてしまって5や6が物足りないと感じてしまい、期待の大きさから過剰に辛い感想に結びついている感じがします。まあ、ぼくはまともに1や4をクリア出来ていないので、普通にこういうゲームなのだと5や6を遊べているだけとも言えますけどねw



 なんだかんだ言っても、ちょくちょくコープしてくれるフレと無駄に地面に這いつくばってゴロゴロローリングしたり、馬鹿っぽく掛け声を掛け合ったりするのが地味に楽しいバイオ6。

 いずれ出るであろうナンバリングの7作目はどう期待を裏切る作品になるのか?

 良い方向でも悪い方向でも楽しみではありますね (= ワ =*)
posted by lain at 07:12北海道 ☔Comment(0)ゲーム

春アニメについて少しもぞもぞ...

 ついこの前新年明けての新作アニメが放送開始したぐらいに思っていたのに、あっという間に春アニメも出揃いGWの話もちらほら見掛ける時期になってるとか、歳取ると時間の流れが速いなんて言いますけど、ガチで速いっすね....(´・ω・`)←夏には35歳



 さて、いつも通りBSじゃないとアニメの放送数が少ない北海道なので、やっと新作をだいたいチェック出来たこのタイミングで僕の中でまとめてみました。

 
 ※北海道は旭川での放送スケジュール順に並べたもの↓


 日曜日
  
  宇宙戦艦ヤマト2199
  ガラスの仮面ですが
  這いよれ!ニャル子さんW
  
 月曜日

  ムシブギョー
  
 火曜日

  進撃の巨人
  マイリトルポニー
  ロボカーポリー
  アラタカンガタリ〜神話語

 水曜日

  翠星のガルガンティア
  変態王子と笑わない猫
  LINE TOWN
 
 金曜日

  銀河機攻隊マジェスティックプリンス
  はたらく魔王さま!
  惡の華
  波打際のむろみさん
  とある科学の超電磁砲S
  非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛
  レッドデータガール

 土曜日

  団地ともお
  ぼくは王さま
  プリティーリズム・レインボーライブ
  探検ドリランドー1000年の真宝ー
  学園NINJAランディ
  断裁分離のクライムエッジ
  カーニヴァル
  俺の妹がこんなに可愛いわけがない
  デビルサバイバー2
  やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
  フォトカノ
  革命機ヴァルヴレイヴ


 継続して観ているものも合わせると38本(内新作30本)新年から観てたアニメよりちょっぴり多いほどなので、相変わらずアニメ業界の勢いは止まっていないようですね。

 今回もいつものように可愛い女の子達にモテモテなアニメだったり、既に笑いにしかならないような特殊な事情&能力を抱えたキャラ設定アニメなどが多く並んでいますが、意外と面白い子供向けアニメがあったり、話題の漫画を原作にした野心作が数点あったり、珍しくロボット物が多かったりと、なかなかに個性的なラインナップが顔を揃えた気がします。



 似たようなアニメばかり最近観ていたので、1番遠ざかっている子供向けのアニメも観るようにこの頃しているのですが、観始めると案外大人での楽しめる部分がありますし、幼かった頃に気付かなかった事が見えたりして新鮮な気分になって良い感じです。

 今続編を放送中の「とある科学の超電磁砲」”白井黒子”役等を演じ、「オオカミさんと七人の仲間たち」では軽快で面白いナレーションが光っていた”新井里美”さんがOP&ED&ナレーションまで努めているダメダメで子供っぽい王様の物語『ぼくは王さま』は、教育テレビを毎日観ていた頃を想い出させる温かみがあるし、『マイリトルポニー』は兎に角テンポ良く色鮮やかなポニー達が所狭しと動き回るのがとても可愛い。主役は”沢城みゆき”なのでなおの事ツボに入りました♡

 それから90年代を舞台に(おそらく)したマンモス団地のほのぼのしたアニメ『団地ともお』がとても良い。勉強も運動もお手伝いもろくに出来ない主人公の”ともお”だが、持ち前のマイペースっぷりで子供らしい騒動を起こすのが微笑ましい作品だ。今の子供達には馴染みの無い光景と雰囲気で新鮮だろうし、僕等30代〜40代の世代には子供時代を想い出させてくれるものになっています。



 打って変わって三者三様なロボットものの話ですが、外敵と戦うために産み出された子供達が、ぶつくさ言いつつ自分達の感情にダイレクトに反応して動く人型兵器に乗ると言う、なんとなく現代っ子を意識した作りが微妙に鼻につく『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』

 ガンダムやエヴァの呪縛から逃れ切れていない印象を受ける平和ボケの中立国への敵襲来展開から、「ニンゲンヤメマスカ?」と言う唐突なメッセージとその後の主人公の特殊能力が奇抜で、3作の中でも足掻き方が激しい為にどう転んで行くかが怖い気もする『革命機ヴァルヴレイヴ』

 もの凄く高度な科学力をもって作られたロボとそのパイロットが、戦いの混乱の中で人類発祥の地である地球に何故か辿り着いていて、陸地を失っても生き残り海の上で文明の名残を抱えつつ逞しく生活していた地球人類と接触。その科学力の差をもってヒーローになってゆく展開が心地良い『翠星のガルガンティア』

 どの作品も正直今後の展開次第でどう転ぶか分らない状態ですが、生暖かい眼差しで見守りたいものですね (= ワ =*)



 他にもテレビ放送がやっと決まった『宇宙戦艦ヤマト2199』や、巨人の気持悪さと人間の死に様がキツイ『進撃の巨人』コミック最新刊が出るかもしれないガラスの仮面のショートアニメ『ガラスの仮面ですが』等々、まだまだ面白い作品があるのですが、その中でも一際異彩を放つ作品が『惡の華』でした。




 退廃的な作風の"ボードレール"をこよなく愛す主人公が、出来心で好きな女の子の体操着を盗んでしまい、それをクラスのつまはじき者の女子に見られ、秘密を握った女子に生活を掻き乱されてゆくって話で、本を読んだだけでクラスの誰よりも高みに居るつもりになっている気持ち悪い主人公が、何を考えているのか分からない女子に振り回され、みっともない様を曝け出し続けるのが、下手なホラーより怖くて見てるのが辛いほど緊張感があると思いました。

 原作を無視した作画スタイルが賛否ありますが、実写では輪郭がハッキリして役者が前に出てしまうところを、あえてトレースアニメにしたおかげで絶妙なさじ加減の緊張感が出せているのだと僕は思うので、あえて萌えが捨てきれていない原作漫画とは一線を画した手法こそ今作を際立たせているのだと思います。

 他にもOPの見せ方とか、EDの被せかたとか、効果的な音の入れ方も素晴らしいし、ときどき緩急をつけるために用意したキャラの魅力も良い。色んな良さがあって書き切れませんが、間違いなく「惡の華」は注目せずにいられない作品と言えるでしょう。

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※ついつい描いちゃった...


 みんなそれぞれ好みがあると思いますが、こういった今の売れ筋基準から逸脱した作品があってこそ、アニメはいつまでも面白いコンテンツであり続ける事が出来ると思いますし、「こうじゃなきゃ駄目」と言う型にハマってゆけば、表現の可能性をつぶしてしまいかねません。


 実写だから出来る事。アニメだから出来る事。

 そんなにハッキリと分ける必要は無いと思います。PC上で様々な処理が出来るようになった今、それぞれを分けて考えるより、どう組み合わせてゆくかが肝心なのでは無いでしょうか?

 劇場版エヴァの「Air/まごころを、君に」や、「イデオン」を観ていた時に実写が挿入された時はその意図があまり理解出来ませんでしたが、今思えば素晴らしい演出への挑戦だったように思えます。

 試されるべきは作り手以上に僕ら視聴者の柔軟で視野の広い感受性。歳を重ねるごとに凝り固まってゆく心をいかに解きほぐしていけるかによって、面白いものをこの世界に増やしていけるかが決まるのかもしれません。



 そんな大袈裟な事も考えてしまった、充実の春アニメでした.....
posted by lain at 19:40北海道 ☔Comment(0)アニメ

多いに悩み、大いに生きよう「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」/森博嗣/新潮社/2013年

 僕ら人間は、日々小さい事から大きな事まで悩んでいるつもりになっている。

 勉強や仕事で悩み。家族や友達との人間関係に悩み。果てには娯楽のはずのゲームやテレビで悩みだす。


 けれど、悩むときどんなベクトルで、どんな視点で物事を考えているだろう?自分の狭い利益の事に気を取られ、最善の道を見失っていないだろうか?

 そんな客観性を失い視野が狭くなった時、とりあえずあらゆる事を”抽象化”してみてはどうかと森博嗣さんは本書で提案していた。



 頭に血がのぼり感情的になって物事を考え、熟考する事もせずに決断を出したりせず、一旦その問題をぼんやりした曖昧な形にしておいたり、棚上げしたりしておいて、一歩引いた位置から周りが見えて来るのを待ってみようくらいの落ち着きが肝要なのではと言うのだ。しっかり時間をかけて考えればこういう見方もあったかもしれないと気持ちが変わる事もあるだろうし、短絡的に決断しなくなるから後悔は減って選択肢は増える。もっと合理的で満足感のある生き方が出来るはずだと、庭いじりをたとえに上げて森さんらしい言葉で語っている。


 テーマが抽象化なので、実際に本書を読んだ僕にも上手く説明出来ませんが、何故”原子力発電所”に反対する人は、それに変わる具体的な案を提示しないで反対しているのか?とか、何故”尖閣諸島”は相手の国の物だと主張する意見が上がって来ないのか?といった切り込みで客観的に思考する具体例にも触れてらっしゃっているので、そうその通りだと合点がいってしまう所がきっとあると思います。

 森さんの著書に「的を射る言葉 」と言う本がありますが、本当に森さんの言葉はいつも腑に落ちる。思わず「そうその通り!」と言いたくなるしっくりさで僕らのモヤモヤの原因を言い当ててくれます。

  
 しかし、森さんの書く魅力的な理想の思考の仕方を、僕自ら真似する必要があるかと言えば、それはまた少し違うとも思う。感情的で愚かな酷く人間らしい自分も僕は嫌いではないし、そんな悠長に思考をしている暇がどれだけの人に許されているかと言うのも事実であって、日々生活に追われ余裕の無い相手には何を言っても無駄な場面も多い。森さんの美学が好きだから森さんの考えの通りに思考するなんて事はミスチョイスも甚だしい限りなのです。理想で腹が膨れるなら誰も苦労しないのである(白目


 僕らは何をしてても不安定で完全では居られない。お腹が減ってもだめだし、お腹一杯でもだめだ。寝不足でもだめだし、寝過ぎでもだめ。常に何かしらの要因で身体と心のバランスは崩れてしまい、今自分が1番欲するところへ流れ着いてしまう。

 だがそんな不安定な状態を是正し、完全では無くともそれに近づける事は出来る。叶わないから求め甲斐があるというものなのだ。



 結局、もっと考えて欲しいと嘆く森さんの狙い通り色んな事を考えてしまったし、氏がまとめたままの結論を僕も出してしまった。

まだまだ森博嗣と言う人の手のひらから、一人の人間として飛び出せそうに無い自分の浅さが身に染みる....




森さんの本を読んでいると、高卒な僕は大学で勉強してみたくなる。こんなに抽象的について具体的に説明してくれる先生の授業が受けられるならキャンパスライフも相当に刺激的なものになるだろうから。

いまでは作家"森博嗣"として有名ですが、やはり根っこは酸いも甘いも知り尽くした研究者なのだと思いました。森博嗣さんの分析力に触れると、自分まで森さんの思考に近づいたような錯覚さえ覚えてしまいますw


自分を見つめ直すには素晴らしい一冊でした。


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ちなみに本書で一番突き刺さった言葉は「願い」を「意見」にしてはいけないでした -(=゚ロ゚=)→グサッ
posted by lain at 07:21北海道 ☔小説