ずっと待ってました....『その先の風景』/藤原 薫/FEELコミックス/祥伝社/2013年/漫画/感想

 僕は終末には決まって帰り道にあるTSUTAYAへ寄る。

 そこで1週間の間にどんな本が発売になったかをチェックするわけですが、先週末は久々に『おっ!』

 と、不覚にも声が出てしまった。

 とうとう沈黙を破った”藤原薫”さんの新刊が平置きされていたからだ。

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 藤原薫さんと言えば、美麗な表紙とは対照的に不安定だが独特な凄みがある止め絵と、少ないが効果的に本質を伝えるセリフがたまらなくお洒落で、ストーリーもそれに観合った背徳感たっぷりな切ない作品に仕上げる漫画家さんでしたが、絵の構図がまんまファッション紙を模写したようなものが多かった為にネットでは叩かれてしまったあたりで、ぱたっと漫画から遠退いてらっしゃいました。


 色々と葛藤があったのか?それともまったく関係の無い理由なのか?

 少し気になるところではありますが、こうして無事新刊が発売になった事が嬉しいですね♪



 いずれにせよ9年ぶりのコミックとは思えないほど今回のも面白かった。

 眠っている女性しか抱けないと豪語するイケメンと、心臓が悪いイケメンの妹との怪し気な関係が終盤見えて来るのだが、なんとも言えない狂気さでたまらない。

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 結局突拍子もない冒頭から、イケメンに良いようにあしらわれた元カノの最後のセリフまで、まだまだ藤原薫さんの健在っぷりを見せ付けられました気分です。


 これ!これなんだよ!!


 そう叫びたくなるほど変わらない藤原薫ティストがここにはありました。

 本当におかえりなさい。

 
 また、たまにで良いのでコミック出して下さい。
 
 ただ今度はもう少しスパンの短い発刊で御願します....




 『コミックナタリー - 藤原薫の9年ぶり新作単行本「その先の風景」発売』 http://natalie.mu/comic/news/86294


 関連過去記事

   『あの作家は今....?「藤原 薫」』

旅は終わる。想いは続く。『無限の住人』/沙村広明/講談社/アフタヌーンKC/1994年〜2013年/漫画/感想

 昨日、久し振りに漫画だけに没頭する日曜日を過ごしました。

 それこそ朝から晩まで漫画一色。

 勿論読んだのは足掛け19年でとうとう完結した『無限の住人』です。



 長期連載を乗り切った作者の大変さに比べれば些細な事ですが、流石にまとめて読むと非常に肩が凝り眼もゲームで遊ぶ以上に疲労感が残りました。しかし、それ以上に満足感は勝っていたと思います。

 百人切りだの不老不死だの言われていても完全無欠ではない主人公”卍”を仇討ちの為に用心棒として雇ったヒロインである”凛”が、仇討ち相手からも私怨を晴らす事で背負わなくてはならない責任について突きつけられるなど、善悪の定義が何度となく語られるのが無限の住人を支える色んな魅力の中でも大事な屋台骨で、それぞれの陣営の想いが死の連鎖を引き起こしていくのが虚しいのに、激しい闘いの高揚感の中で命が燃え尽きる刹那の美しさは極上でした。


 常に死が付き纏う生き方を選ぶ漢達の姿は、男なら一度は真似してみたくなるほど眩しい。


 罪を償う為に人を切る不老不死の男も

 国に忠を尽くす為に手段を選ばぬ非情さを貫く男も

 祖父の呪縛と己が夢の実現の為に足掻き続ける男も


 そして彼等を取り巻く全ての魂が美しかった。

 女子供にこの美しさが分らなくても構わない。救いようの無い馬鹿にだけ分ればそれで良いのだ。
 



 とは言うものの、やはりデビュー作ですから色々と甘いところも無いわけではなく、改めて1巻から読み直してみると正直場面転換が突然過ぎて分り難いところや、少々くどく感じるセリフがあったりもして、途中間延びしてしまった部分もあったように思います。しかし終盤のテンポの良さと、ほとんどの人が納得の結末を描いてくれた事への感謝の気持の方が圧倒的に僕の中で占めてしまったためベタ褒めになってしまいましたw

 命懸けで戦う登場人物達も大変ですが、作者である”沙村広明”さんも相当苦労なされた事でしょう。

 どのキャラも魅力的だから誰を殺して誰を生かすべきかもファンの心情を思えば難しい決断だし、落とし処を何処にするのかもかなり迷われたはず。

 それでも最後まで突き通した”らしさ”を本当にありがとう御座いました。



 最終巻の帯に書かれた「旅は終わる。想いは続く。」の通り、いつか卍さんや凛、天津影久の想いを継いだ子孫の話でも、いつか気が向いたら描いて下さいまし♡

 どうせ卍さんまだまだ死ねなさそうだし(*ゝ∀・*)b


 
19年間お疲れ様でしたo┐ヘコリ




 関連過去記事

  『捜さないで下さい....壁|エ)・)』
posted by lain at 21:23北海道 ☔Comment(0)漫画

捜さないで下さい....壁|エ)・)

 少しの間完結したばかりの「無限の住人」を一から読み直すので、ついでにゲームもブログも御休みします_(:3ノ ∠)_



 子供の頃から自分の生活に欠かせ無い物No.1は漫画だったものの、最近はどうにも漫画を読むのが億劫になってしまい、購入しただけで満足してしまうような状況が続いてしまって、積み本の数は何百何千に届きそうな勢いだったため、一念発起してそろそろ腰を据えて読書をする事に決め、手始めに完結したばかりの無限の住人を読んでしまおうと言う事に...



 それにしても無限の住人は20年近くも掛かってやっと全30巻とか、月刊ペースにしてもかなりのんびりペースでしたね。

 初めて僕が読んだのが高校生で、それでなくとも個性的でパンチのある漫画(ガンスミスキャッツ、地雷震、ディスコミュニケーション、岸和田博士の科学的愛情、寄生獣、スカタン野郎、セラフィック・フェザー、もう書き切れないよ...etc)が多かった”月刊アフタヌーン”の中で、一際個性的な作画スタイルが時代劇にピッタリだと感じたものです。

 鉛筆を巧みに操り描かれる一コマ一コマには躍動感があり、しっかりペン入れする作家さんの手法より明らかに登場人物の人生に重さを感じます。全体的にスケッチ画のまま漫画にしているように見えますが、その不完全ささえ魅力の一部なんですよね♪



 さ〜て、幾ら切られても回復する化物な100人切りの卍さんと、生身の人間のクセに化物みたいに強い集団”逸刀流”との闘いでも読み始めようか....|彡サッ
posted by lain at 06:33北海道 ☔Comment(0)漫画