今日親知らずを抜いて来た。通算三本目...
医者がそこら中に麻酔を刺し、むちゃくちゃ力一杯抜こうとする瞬間の緊張感は半端無く、何度経験してもドキドキ物。なかなか収まらない出血と、麻酔が切れてからじわじわ来る痛みも鬱陶しい....
どうしても歯磨きが疎かになりがちな親知らずは進化のバロメーターで、生えない人ほど人類学上進んでいるとか言われているらしい(by 機動警察パトレイバー 後期OVA「災厄の日」)
パトレイバーを観ていた頃は、まだ親知らずが生えていなかったので、遊馬のセリフに僕も新人類やぁー♪って喜んでた自分が恥ずかしい。
今なら分る、親知らずが虫歯で痛い”野明”をからかってたくせに、自分もしっかり親知らずが虫歯になった”遊馬”の気持ちが.........
『機動警察パトレイバー』は、こういった子供っぽい軽グチの叩き合いが最高にテンポ良くて面白いアニメでした。新たな高度成長期を背景に、レイバーの必要性についても良く練られていて、どこぞのぶっ飛んだ設定のアニメより設定がしっかりしてる分、ふざけたやり取りだけではなく劇場版のようなハードなシナリオにも耐えうる作品世界を持ち合わせていたのも素晴らしかった。
今振り返ると、もの凄いメンツが揃った作品だったなぁ。
アニパロから人気作家にのし上がって来た”ゆうきまさみ”と、メカデザは勿論自分でキャラも描けるマルチクリエーター”出渕 裕”が手を組み、”高田明美”・”伊藤和典”・”押井守” を加えたアニメなんて後にも先にもパトレイバーが最後ですよね。
押井さんと出渕さん仲悪いから一緒には無理かもしれないけれど、30周年とかで新しいパトレイバーアニメやらないかなぁ......(´-`)
混迷のゲドから5年、宮崎吾朗の苦悩は続きそうだ...「コクリコ坂から」/宮崎吾朗/スタジオジブリ/2011年/アニメ/映画/感想
監督デビュー作で内外からコテンパンにされた”宮崎吾朗”さんだが、2作目は思っていた以上に作品になっていました。
かなり昔の少女漫画が原作なので、すっかりジブリのオリジナル原作かと思って劇場の予告やイメージボードを劇場公開時は見てたんですけど、かなり最初のイメージとは違いました。なんかNHK等で放送しそうな昭和の風景アニメみたいで、高度成長期の程よい緊張感と和やかな空気感が良く出ていて、ジブリの美術レベルが相変わらず芸術の域である事も嬉しい限り。
取り壊されそうな建物の混沌とした雰囲気や、それを保存しようと奮闘する青年達の姿は清々しく気持ち良く、主役の2人以外の登場人物が実に活き活きとしている。いつもの通りジブリアニメの食事シーンでヨダレが思わず出てしまいそうになるのも見逃せなかったゴクリ
ただ、全体を通したバランスがどうにもちぐはぐだったのが残念で仕方無い。要所要所で良いシーンがあるのだけど、そのシーン同士を繋ぐ”背骨”が無いのだ。
これに関しては、監督の構成能力の欠如と、宮崎パパの横槍が大きいのだと思う。
大きな目標であり、大きな障害でもあるジブリの重鎮達にかき回されて、自分が何をしたいのか分らなくなってゆくのも理解出来ます。でもいっそジブリを飛び出してでも物造りをしたいと言う、情熱が宮崎吾朗さんにあればと言うのも事実であり、ツギハギの名場面を見せられているこちらとしては、現場の混乱っぷりが想像出来てしまってフラストレーションばかりが積もってしまった.....
それからキャストの影響が大きかった気がします。まだまだ多感な学生役なのに、既に大人の雰囲気を醸し出している男女を声優に起用している為初々しさがまったく無く、せっかくの熱い青春模様が通夜開けの低いテンションのように落ち着き過ぎていました。
あえて「無愛想」や「不器用」なキャラを演じるように指示されていたそうですが、作り手のイメージがしっかり固まっていないから役者にもちゃんと趣旨が伝わり切らなかったのでしょうか?
正直 ”声”の違和感だけを修正しただけでも、もっともっとコクリコを楽しめたと思います。
結果、劇場でやるほどの内容には届いていませんでした。
アリエッティの時も思いましたが、地上波の連続TVアニメとしてこの作品世界を活かした方がよほど良かった。そうすれば主役2人への思い入れも強まっただろうし、もっと甘酸っぱいロマンチックなシーンも描けたはず。 それに毎週放送しなければいけない連続アニメなら、否が応にも作らなければならないから作り手の臨機応変さが磨かれるし、一つの世界観の膨らませ方がとても上手になる事でしょう。監督としての下地が無さ過ぎるのは問題ですよ....
色々と問題があっても、この先しばらくはアリエッティの米林さんと宮崎Jrの2人が新たな二枚看板としてジブリを支えてゆくわけですから
『君達の頭こそ打ち砕け!』
こう叫んだ男の子のセリフを、他者では無く自分に向けて言える監督になって下さい吾朗さん....
にしても手嶌葵さんにはマジ癒される....
コクリコ関連記事
『今夜金曜ロードSHOW「コクリコ坂から」に宮崎駿と宮崎吾朗の熱いぶつかり合いを見よ』
公式HPのプロダクションノーツ http://kokurikozaka.jp/pnote.html
かなり昔の少女漫画が原作なので、すっかりジブリのオリジナル原作かと思って劇場の予告やイメージボードを劇場公開時は見てたんですけど、かなり最初のイメージとは違いました。なんかNHK等で放送しそうな昭和の風景アニメみたいで、高度成長期の程よい緊張感と和やかな空気感が良く出ていて、ジブリの美術レベルが相変わらず芸術の域である事も嬉しい限り。
取り壊されそうな建物の混沌とした雰囲気や、それを保存しようと奮闘する青年達の姿は清々しく気持ち良く、主役の2人以外の登場人物が実に活き活きとしている。いつもの通りジブリアニメの食事シーンでヨダレが思わず出てしまいそうになるのも見逃せなかったゴクリ
ただ、全体を通したバランスがどうにもちぐはぐだったのが残念で仕方無い。要所要所で良いシーンがあるのだけど、そのシーン同士を繋ぐ”背骨”が無いのだ。
これに関しては、監督の構成能力の欠如と、宮崎パパの横槍が大きいのだと思う。
大きな目標であり、大きな障害でもあるジブリの重鎮達にかき回されて、自分が何をしたいのか分らなくなってゆくのも理解出来ます。でもいっそジブリを飛び出してでも物造りをしたいと言う、情熱が宮崎吾朗さんにあればと言うのも事実であり、ツギハギの名場面を見せられているこちらとしては、現場の混乱っぷりが想像出来てしまってフラストレーションばかりが積もってしまった.....
それからキャストの影響が大きかった気がします。まだまだ多感な学生役なのに、既に大人の雰囲気を醸し出している男女を声優に起用している為初々しさがまったく無く、せっかくの熱い青春模様が通夜開けの低いテンションのように落ち着き過ぎていました。
あえて「無愛想」や「不器用」なキャラを演じるように指示されていたそうですが、作り手のイメージがしっかり固まっていないから役者にもちゃんと趣旨が伝わり切らなかったのでしょうか?
正直 ”声”の違和感だけを修正しただけでも、もっともっとコクリコを楽しめたと思います。
結果、劇場でやるほどの内容には届いていませんでした。
アリエッティの時も思いましたが、地上波の連続TVアニメとしてこの作品世界を活かした方がよほど良かった。そうすれば主役2人への思い入れも強まっただろうし、もっと甘酸っぱいロマンチックなシーンも描けたはず。 それに毎週放送しなければいけない連続アニメなら、否が応にも作らなければならないから作り手の臨機応変さが磨かれるし、一つの世界観の膨らませ方がとても上手になる事でしょう。監督としての下地が無さ過ぎるのは問題ですよ....
色々と問題があっても、この先しばらくはアリエッティの米林さんと宮崎Jrの2人が新たな二枚看板としてジブリを支えてゆくわけですから
『君達の頭こそ打ち砕け!』
こう叫んだ男の子のセリフを、他者では無く自分に向けて言える監督になって下さい吾朗さん....
にしても手嶌葵さんにはマジ癒される....
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公式HPのプロダクションノーツ http://kokurikozaka.jp/pnote.html