無論、「自分以外はクソだっ!」と、思っている人もいるでしょうけど、それは強がりか無知か無恥なだけ。
僕らがこうして”誰か”とやり取りをする為使う”言葉”だって、身近にいる人達の影響をモロに受けて覚えて来た産物であり、それと意識していなくても絶対に周りから吸収して活かしてしまうのが人なのだから、単に”受動”か”能動”かの違いでしか無いと思います。
さて、萩尾望都さんの豪華な対談相手の”高橋留美子”と言えば真っ先に浮かぶ「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」のようなラブコメが軸の作品で、王道で非常にキャッチーな作りが万人受けする作家さんな印象ですが、「高橋留美子劇場」や「人魚シリーズ」等のSFチックなファンタジーが日常を狂わせる短編も深みがあってとても面白い。
対する”萩尾望都”さんは、今更語る必要も無いほどの巨匠で、SF作品を中心に頭角を現し、脚本のエンターテイメント性は勿論、詩的で胸に突き刺さるセリフと、迫力の有る心理描写を画に還元出来る豪腕の持ち主(近年は長期連載作品が無いですし、留美子さんのようなキャッチーな作品も手掛けていないので若い世代は萩尾さんの凄さを知らない事でしょう。しかし、多くの信者を抱える”森博嗣”さんなども萩尾さんを愛して止まない漫画家であると公言するほど凄い人なのです。)で、方向性はまったく違う。
だからキャリア30年を越えた色の違う大御所漫画家2人が何を語らうのかとわくわくしていたのですが、結構普通に漫画を描く事になったきっかけや、影響を受けた作家の話などをしていて拍子抜け... もっとコアな話になってしまうかと、変な期待してたんですよねw
肩すかしを喰らった気もしなくもないですが、たわいもなく萩尾さんへの愛着を見せる留美子さんの浮かれ具合や、お互いに好きな漫画が欲しくて必死に探しまわった事があると言う話題で盛り上がる両者の姿などから、ただの漫画好きの少女だった過去を連想してしまい、とても親近感が湧いて来ました♡
楽し気で徐々に会話に火が付き、これからという所で対談記事が終わってしまったのがとても残念。たった5ページにまとまり切るはず無いですよ、2人の経験年数からしてw 短いながらも留美子さんの萩尾さんに対する尊敬の念と、萩尾さんの良き先輩的な和やかな雰囲気が楽しめただけでも嬉しかったですけどね♪
本当に貴重な組み合わせだったので、萩尾望都さんは今までにも対談して来た内容が収録されている本を出しているし、いずれ完全版として2人のやり取りが発刊されたりすると嬉しいなぁ....
萩尾望都さんが海外の作家のファンであり、高橋留美子さんがその萩尾さんのファンであるように、高橋留美子ファンの中から、新たな漫画家が育ってゆくのでしょうね。
これから先の若い世代に多くの影響を与え、無数に2人のDNAが繋がりあっていって欲しいですな☆(*ゝ∀・*)b
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