恋人が居ない、ぼっち男性も是非お読み下さいペコリ「あなたの恋人、強奪します。-泥棒猫ヒナコの事件簿-」永嶋恵美/徳間文庫/2010年/小説/感想


『恋愛』


 この二文字って、『恋』なのか『愛』なのか酷く曖昧な気がしませんか?

 元々同じような意味合いだし、それぞれが描くイメージだけでなんとなく役割が決まっているだけな気がします。

 恋は特定の人だけを、愛は万人に向け、男である僕の中ではこんなイメージな感じ。


 じゃあ女子はどうなのだろう?

 恋=性欲? 

 愛=母性?

 
 もう耐えられないほどに傷つけられてもまだ相手を愛したり、自分から捨てたのに誰かが拾うと気に入らなかったり、優しさの大きさに眼がくらみ、相手の異常さに眼を瞑って現実から逃げたり、これも全部”恋と愛”の仕業なわけだけど、考えれば考えるほど恋と愛を分離して考える事自体がナンセンスなんだって思えて来ました。

 
 まぁ恋愛ド素人の僕が色恋を語る事自体がナンセンスなんですけどね(白眼



 今回読んだ”永嶋恵美”さんの「泥棒猫ヒナコの事件簿 あなたの恋人、強奪します。」を読んで、なんで傷つくのが分っているのに駄目男に惹かれて行くのか焦れったくて仕方無い気分で一杯でした。

 地雷原だと分っている場所に、あえて踏み込むくらいに勇気と無謀をポケットに忍ばせた行為だとさえ思う。

 何故に人を好きになると盲目になってしまうのか?

 やっぱり動物の本能が思考を飛び越えてしまうからだろうか?...


 今作はそんな女性達の盲目な恋愛事情を中心に、恋人を文字通り強奪してくれる、女性専用サービス会社”オフィスCAT”へ依頼せずにいられなくなった顛末を描いている。

 ある女性は束縛の過ぎる相手から別れる為に。またある女性は相手を想う気持から身を引こうと考えて等、流石女性作家だけあって様々な女性の恋愛事情が細かいディティールで生々しく書かれている為、男性目線からもとても面白かったです。

 しかも当事者だけではなく、妹が姉の付き合ってる駄目男を強奪して欲しいとか、継母を別れさせて欲しい幼い女の子の物語であったりするので、最後まで飽きる事無く楽しめました。


 また、まだまだ謎の多い”オフィスCAT”の面々の優秀さと、実質恋人を強奪する担当である”皆実雛子”の七変化な美女ぶりも実に魅力的♡

 僕も強奪されたいくらいだ…...バタリ



「あなたの恋人、友だちのカレシ、強奪して差し上げます」

 とりあえず10万円以上はかかりますけど、あなたもご依頼されてはいかがかな?壁]ω・)ニャ


男の僕でもめっちゃ楽しめたおん




永嶋家の食卓 - 公式ブログ http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/638653/538091


永嶋恵美 (emi826) - Twitter https://mobile.twitter.com/emi826


徳間書店HP

「あなたの恋人、強奪します。」 http://www.tokuma.jp/bunko/tokuma-bunko/6ce568d2732b30d230ca30b3306e4e8b4ef67c3f3042306a305f306e604b4eba30015f37596a3057307e30593002


続編「別れの夜には猫がいる」
http://www.tokuma.jp/bunko/tokuma-bunko/6ce568d2732b30d230ca30b3306e4e8b4ef67c3f5225308c306e591c306b306f732b3044308b
posted by lain at 07:21北海道 ☔Comment(0)小説

クマのぬいぐるみにはご用心!「テッド」/セス・マクファーレン(主演・監督)/2012年/米国/映画/感想

 友達が1人もいない少年”ジョン”は、クマのぬいぐるみをクリスマスに貰い”テディ”と名付けて大喜びして眠りについた。


 しかし翌日眼が覚めると”ぬいぐるみ”のはずの”テディ”が歩き回っていてさぁ大変!家族と世間も大騒ぎw


 ジョンの友人は見た目の可愛さと相反する辛口が人気を呼び、各方面から引っ張り凧で一挙にセレブへと駆け上ってゆく。





 しかし、いつの時代も流行り廃りはあるもので、テディも落ちぶれてただの薬物中毒の駄目人間、いや、駄目ぬいぐるみになり、いつの間にか35歳になった親友”ジョン”とダメダメな生活を続けていたのだが、テディと一緒に住んでいたらジョンの為にならないと彼の彼女が言い出し、気持ち悪いほど一緒だった2人は離れて過ごす事になるのだが....




 兎に角この映画は下品下品で仕方無い事だけは覚悟して欲しい。


 観に行くまではなんでR15指定なのか理解出来なかったけれど、今ならその理由が痛いほど分るww


 あえてどれくらいの下ネタなのかは言いませんが、軽く引くくらいにはヤバイです:(;゙゚'ω゚'):



 それと、アメリカンジョークや映画ネタを翻訳の方がだいぶ日本人に分り易い意味合いに改変してくれているんですが、それでもポカーンとしてしまう所が間間あるので、劇場内に変な空気が流れる場面もありましたw




 とはいえ下品で愛らしいテディとジョンの御馬鹿っぷりはめっちゃニヤニヤしてしまいます。爆笑と言うより、下品なネタに下品に笑ってしまう自分に失笑する感じかな?w 年配の方、生真面目な人はただただしらけて怒っちゃいそうな内容ばかりなのでwww


 クリスマスの奇跡でぬいぐるみが命を手にしたって言う美しい設定を踏み台にして、現実味のある哀しい後日談をメインに描くのって面白いですね。僕もジョンと同じくいい加減中年と呼ばれる年齢ですし、夢だけに溢れた作品より、テッドのような昔読んでた童話のその後の世界みたいなストーリーの方が楽しめるようになってきましたしね....




 とんでもなくド阿呆で下品なクマですが、根は良い奴だしこんなクマがいたら毎日が楽しいだろうなぁ(・(ェ)・。)







 レビュー記事


posted by lain at 06:47北海道 ☔Comment(0)映画

哀悼の静けさと共に「戦場のメリークリスマス」/大島渚/1983年/映画/感想

 今週の15日に惜しまれつつ亡くなられた”大島渚”監督。

 僕ら30代を含めた下の年代にとっては、正直映画監督としての印象がとても薄い。80年代を境に本業の映画から遠ざかり、数年振りにメガホンを取った最後の劇場作『御法度』でさえ1999年の物で、どちらかと言うとバラエティや政治ショーの人で「肩書き」だけが監督なイメージがありました。


 でも、唯一ちゃんと観た記憶のある大島作品が僕にもあります。

 世界基準として認められる前の”坂本龍一”や”北野武”を役者として起用した『戦場のメリークリスマス』だ。



 第二次世界大戦下のジャワ島捕虜収容所に、ちゃんとした裁判も執り行われないまま処刑されそうになっていたイギリス人捕虜”ジャック・セリアズ”が連れて来られる。

裁判で彼を助けた収容所の所長でもある”ヨノイ大尉”(坂本龍一)は、事あるごとに自分の指示を無視するセリアズに腹を立てながらも、心の何処かで彼の高潔な魂に惹かれてゆく。

 
 それぞれの国家がアイデンティティとする文化の違いが軋轢と暴力を産む泥沼の時流の中で、個々(1人1人)の交流の大事さを描いた今作は、敵味方関係なくどの国家も国民も間違えていると問い掛けているのがとても印象深い。特に我が身を賭して人と人との尊厳を伝えようとしたセリアズの痛々しい姿が胸を打ちます....


 それに劇中重要な立ち位置にいる”北野武”演じる”ハラ軍曹”と、捕虜との仲介役をしている”ロレンス”との奇妙な友情関係も面白かった。直ぐ激昂するくせに、結構捕虜に気を使っている軍曹と、「私は個々の日本人を憎みたくない」と語るロレンスは最後までこの作品のテーマを象徴する関係性でした。

 お互いへの理解不足が摩擦を産み、個々の恐怖心が集団と化して流れ出した結果、多くの命をすり減らしてゆくのだという事を改めて認識させられた「戦場のメリークリスマス」

多くの個性をまとめた大島渚監督の豪腕は当然素晴らしいですが、実体験を元に書かれた原作も相当素晴らしいものなのでしょう。是非読んでみたいです。

 
『石黒憲彦氏による 原作解説』
http://dndi.jp/00-ishiguro/ishiguro_133.php





 さて、自分達の演技を恥じていたと言う坂本龍一氏と北野武さんだが、上手い下手では言い表せない「味」がありました。色んな経緯はあったにせよ、彼等を選んだ大島渚監督の直感は素晴らしかった。


 その後なにかと縁が続いてゆく北野監督だけではなく多くの人々が哀悼の意を示していて、"デヴィッド・ボウイ"に至っては、彼が今月8日に10年振りのアルバムを出した時さえなんのコメントも出さなかったにも関わらず、今回の訃報を聞いた途端「オオシマさんの魂が、この世を去った。彼の才能の恩恵を受けた我々は、今それを惜しむばかりだ」と語ったほどでした。


『D・ボウイ、大島渚監督を追悼 「彼の才能の恩恵を受けた」』http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130118-00000349-oric-ent





勿論恩恵だけを周りに与えた人では無いし、憎みを持って大島渚と言う男を見ていた方も多々いる事だろう。

だが彼が遺した名作・名優の数を考えれば、ものの数にもならないでしょう。


改めてお悔やみ申し上げます。

あの世では、あんまり助監督を虐めないであげて下さいね(o´□`)vニコッ



追悼番組予定


『ニコ生で大島渚監督初期作品の追悼無料放送が決定』 http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/AUT201301190009.html

『BS朝日 - 追悼特別番組 大島渚の闘い!』
http://www.bs-asahi.co.jp/oshima/

『大島渚さん追悼でWOWOWが「戦メリ」放送』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130118-00000030-sanspo-movi
posted by lain at 07:16北海道 ☔Comment(0)映画