人が死なないミステリー再び....「名探偵夢水清志郎事件ノート コミック版」/はやみねかおる(原作)/箸井地図(作画)/星海社/2012年

 世の中に存在するミステリー作品には、「被害者」と言う名の『死者』が付き物。

 ほとんどの小説・映像作品で、子供向け大人向けに関係無く人々がバッタバッタと殺されてゆきます....

 架空の世界での出来事とは言え、人が死んでゆく様を刺激的に感じて喜ぶ僕達には、結構犯罪者の素質があるかもしれませんね(白眼


 だからと言うわけでも無いかもしれませんが、『人』が死なないミステリーはどこか物足りなかったりします。

 今年の春から放送しているアニメ『氷菓』などは、身の回りのどうでも良さそうな些細な出来事をわざわざ

 「私、気になります!」

 と、ヒロインに言わせ、仕方なく物臭な主人公が重い腰を上げて推理をする始末w 氷菓は主人公の心象風景の描き方、謎解きそれぞれがそれなりに面白いのですが、どうしても生き死にが関わらないと緊張感に欠け

 「そんな事どうでもいいじゃん」

 と思ってしまう事もチラホラ....


 そんなわけで、人を死なせない事件を起こし、尚かつ不自然だったり大袈裟過ぎて興ざめしないワクワクするような”謎”を作るって難しいわけですが、小さい子供が楽しく読めるミステリーをと、挑戦し続ける作家さん達の創意工夫は、人が死ぬ作品より際立って見えるのもまた事実。

 前置きが長くなりましたが、今回はそんな人が死なないミステリーを書き続けている”はやみねかおる”さん原作の『名探偵夢水清志郎事件ノート』シリーズを、人が不自然に死にまくる漫画「探偵儀式」を描いた”箸井地図”さんがコミック化した作品のお話♪

ほんわかしたw

 
 自称名探偵の男 ”夢水清志郎” が、物語の語り役である女の子の家の隣に引っ越して来るところから物語は始まります。

 兎に角この男、名探偵のオーラがゼロな上、非常識だし食べ物に意地汚なく、もの凄く忘れっぽいw ついでにまったくもってやる気が無いので、依頼があってもなかなか調査をしようとしない体たらく.....

 周りはそんな彼の反応にやきもきさせられる事になるわけですが、流石は自称名探偵は最後にちゃんと全ての謎を解き明かしてくれますww しかも、犯人逮捕に興味が無い彼は、誰もが納得出来る事件の解決さえも実現してしまいます。 だから、とても後味も良い♪


 いまいち働かない探偵の代わりに、子供達が事件についてあれこれ考えているシーンが多く、少年探偵団の様相を呈しているのもジュブナイル作品として面白い作品です。 原作の良さと、可愛い画でありながら何処となく不気味な雰囲気を醸し出す箸井さんの作画もマッチしていますね。


 少々苦しい謎解きシーンもありますが、子供達が自分達の身の回りと重ね合わせて楽しめるストーリーがとても良いので、人が死なないミステリーだから得られる心の充足感がきっとこの作品にはあるはずです♡(*´∀`)



 はやみねかおる http://park3.wakwak.com/~hayamine/page1/page1.html


死なないミステリー繋がり
「時には紅く染まらないミステリーを「先生と僕/坂木司/双葉社/2007年/小説」」
http://lainblog.seesaa.net/pages/user/search/?keyword=%8D%E2%96%D8%8Ei&vs=http%3A%2F%2Flainblog.seesaa.net%2F&tid=seesaa_hotspot&hid=167&c=12&search=1&ic=shift-jis

posted by lain at 07:11北海道 ☔Comment(0)漫画