生きる事を難しくしているのは誰?「告白/町田康/中央公論社/2005年/小説」

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 久々に凄い物を見た!これが素直な気持ち。鋭い洞察力と圧倒的な文章力を兼ね備えた者で無ければ書けない作品と言えます。

 
 以前に、フォロワーさんの「告白」を読んだと言うつぶやきに対して、”湊かなえ”さんの「告白」と勘違いして反応してしまった事から知ったのが”町田康”さんの「告白」でした。

 大変に恥ずかしい思いをした分、どんな作品なのか気になっていました。なにせフォロワーさんが言うには、湊かなえさんの「告白」より面白いと言うのですから....

 半信半疑ながらもネットで調べてみると、実話に基づいた作品でしかもかなり評判が良く、これは是非読まねばと思い至ったわけですが、なんとページ数は600を軽く越えており、それだけでも読むのどうしよう...なんて思ったりもしましたwww


 江戸時代末期の安政4年に産まれた”城戸熊太郎”は、早くに産みの母を亡くし、それを不憫に思った父と後妻に、ことあるごと褒められて育った。そうして甘やかされた彼が後に起こした事件が「河内十人斬り」

 熊太郎がいかに人を殺すまでに至ったのかが、幼少の頃からこと細かに作中では描かれます。熊太郎の思考の流れを上手く例えた文章は説得力を持ち、自分自身にも重なる部分を熊太郎に見出してしまって、かなりナイーブな気持ちにもなってしまいました....

 しかし、ダメダメな熊太郎に作者自身が自分の言葉で「あかんではないか」と、つっこんだりする場面がある事や、登場人物達の口調が関西弁である事が、重くなりがちな展開を上手く和ませてくれました。この辺はかなり町田さん上手いです♪


 作者が思わず「あかん」と、つっこむほどに熊太郎はダメダメ男で、頭は悪く無いのに思うように言葉にならず誤解を招き、とても要領が悪く辛抱強さも無い...しかもひねくれ者だから人の望む事なんて素直に聞いたりしないで悪ぶってしまう.....でも心の奥底では自分も普通に皆と同じ事が出来たらなぁ〜なんて思っているから憎めない奴なんですw

 そうしてそんな生き方をしているうちに、少しづつ後戻り出来ない場所まで辿り着いてしまうわけですが、それもこれも、彼の純粋さ故では無いかと思うわけで...いつまでも子供なままの幼稚な考えと、彼の要領の悪さから来る不運と、周りから貼られたレッテルによって、どんどん引くに引けなくなり、更に周りの人とは違う方向を向いて歩いていってしまうのがあまりにも哀しかった...

 
 自らの愚かさと、社会の愚かさの狭間に苦しみ、翻弄され自滅してしまった男”城戸熊太郎”....彼の半生を描くのに600ページは短いくらいだったかもしれない。それほどあっと言う間の読み心地だった....

 熊太郎の考えや行動から、現代の若者達の理由の見えない犯罪の背景も見えて来る内容は必見です!これほどのディティールで本を書けたらさぞかし気持ち良いだろうな♪


 それにしても、人生とは、まっこと流れ星のごとく一瞬の輝きであるものよのぉ..熊やん.....(>へ<。)

posted by lain at 22:57北海道 ☁Comment(0)小説

オッサンの為のガンダムじゃ!「ガンダムUC/古橋 一浩/福井 晴敏/サンライズ/2010年〜/アニメ」

 もう既にEP3が公開されていますが、やっとスカパーでEP1が放送されたので観てみました。


 長らく流れを止めていた宇宙世紀。ガンダムと名の付く作品は数多く制作され続けているものの、そのほとんどは別な世界感を持った作品ばかり。若い方達にはそんなガンダム作品も新鮮に楽しめるでしょうけど、僕らぐらいの年齢だと(30歳以上)どうしても違和感を感じてしまう....

 だが、とうとう僕らの為にあるようなガンダムが帰って来た!


 シャアの反乱から三年が過ぎた宇宙世紀0096年。アナハイム工専に通う少年”バナージ”はある少女と出会い、使い方次第で恐ろしいほどの力を見せるという”ラプラスの箱”と呼ばれる物をめぐる戦いに巻き込まれ、少女を護りたい一心でガンダムユニコーンに乗り自ら戦いに身を投じていく....って言うお話♪

 福井晴敏さんの原作全10巻の小説が元になっているんだろうけど、正直、福井さんの作品はどれも映像作品しか触ってないので、原作がどれくらい面白いか知らないし、映画の「亡国のイージス」も「ローレライ」も「戦国自衛隊」もそれほど面白いとは思えなかったので、このガンダムUCにも期待はしていなかった....

 がしかし!箱を開けてみると言い回しやキャラデザ(おっさんキャラに萌える!キリ)に富野ガンダムを感じるし、ヒロインの”オードリー”の髪型や、名前だけだが”ブライト・ノア”の名前が出ただけで嬉しくなってしまうw新しいのに古いガンダムを感じる描写が自然で好感が持てます♪

 去年映画も公開された美少年ばかりが目に付くガンダムも、目の付け所が面白かったけれど、露骨に初代ガンダムの匂いをさせる部分があったのがどうにも我慢出気なかった。違う世界感ならガンダムと言う名とデザイン以外は全て新しくして欲しいのです...

 そういう意味ではUCは正当な血をひくガンダムですから、特にめだった不満も無く安心して観れる出来です。しかもユニコーンガンダムはカッコいいよ♪現代に合った細かいメカ設定の追加等も見られ、より一層SFとして優れたガンダムになっているように思います。ただ、ラプラスの箱設定がどうも大袈裟な気がしなくも無いがw


 ガンダム熟知し愛し、自然な状態で続編を書いてくれた福井氏は実に優れた指揮者。今回のUCのように、既にある世界感を膨らませ広げて整える方が彼には向いているんじゃないですかねww
 とにかく是非このままの出来で最後まで行って欲しいものだなぁ♡2話以降がとても楽しみだ♪ヘ(゚∀゚*)ノヽ(*゚∀゚)ノキャッキャ


アニメ版公式 http://www.gundam-unicorn.net/index.html


posted by lain at 03:22北海道 ☁Comment(0)アニメ