2017年10月18日

Made in Japanなアクションも捨てたもんじゃ無い「コードネームミラージュ」山口 雄大(監督)/広井王子(原作)/感想

僕は日本のTVドラマに基本絶望している。無駄にダラダラと男女のイチャイチャを引き延ばしたり、カメラがアップを撮してばかりで引いた画がまるで無かったり、セットや衣装が作品に合わないくらい真新し過ぎて雰囲気が台無しだったり、そもそも役者の演技が酷いことも多いからだ。


海外ドラマだって、当然演技が下手だったり、安っぽかったり、脚本がグズグズな物は確かにあるが、日本のドラマのそれは海外と比較にならないほど感じる。堤幸彦監督のTRICKやSPECのように、いっそのことB級として振り切っている演出作品であれば、逆にシリアスな面も輝いて来るのだけど、そういうバランス感覚を持ち合わせた作品も少ない。



ただ、映画も含め、最近はアクションシーンが痺れる作品が増えて来たのは確かだ。「るろうに剣心」の実写も、キャストのコスプレや恋愛要素等のマイナスな部分を軽く凌駕するほどアクションシーンが魅力的だったし、あくまでも特撮としてのプライドを見せつけた「シン・ゴジラ」の夜の街に映えるゴジラの姿は忘れ難い。いつまでもインディーズ扱いの超ド級監督塚本晋也さんの「野火」の衝撃的なあのシーンだって、とんでもない熱量だった。

それらと比べてもコードネームミラージュのアクションは十分見応えがあった。



最近何をやっているのだろう?と思っていた広井王子が原作と言うことで、ただの興味本位で見始めたのだが、日本警察内部にK13という秘密組織があり、個人情報を消された者達が非合法な手段で犯罪者を抹殺していくという内容に、直ぐさま夢中になってしまった。

なんと言っても役者のメンツが良い。イケメンなだけでなく、アクションもバリバリこなせる主役の”桐山漣”と、その宿敵として登場する”武田真治”の怖いくらいの色気だけでもお腹いっぱいなところに、要潤やら萩原聖人やら曲者をやらせたら抜群の男”石丸謙二郎”まで出て来てしまうから、一歩も引かない男共の思想がぶつかり合う本作の内容にぴったりな男臭さで面白かった。

ナイトライダーのようなAI搭載の愛車にしか心を開かない主人公も良いキャラだったが、個人的に一番好きだったのは、組織からいち早く追われる身となるスモークというコードネームを持つ男で、武田真治演じる鯨岡により、桐山漣演じるミラージュへの劣等感を利用され洗脳を受けたスモークが、自分のしでかしたことに言い訳もせず真っ向からミラージュと戦う回は本当に辛かった(良かった).....組織に良いように使われ、要らなくなったらぽいっとされる物語は、昔から好きではあったものの、こうして立派な社畜となった今、スモークのことを他人事で片付けられない自分もいて、とてもじゃないが彼を忘れられそうに無い.....

IMG_6146.jpg
 スモークは漢だった...IMG_6145.jpg
ミラージュの魂の叫び響いたなぁ.....





この世に存在しない2人の男、これから先どうなってしまうのか?

死んでいった者達のためにも、是が非でも続編をお願いしたい。

続編が決まったら、何は無くともアクション監督に園村健介氏を招集してもらいたいものである。



もしかしたら、広井王子は居なくても大丈夫だろうけど、園村氏は絶対必要なのではなかろうか?.......w










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posted by lain at 07:19 | 北海道 ☔ | TVドラマ 国内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2017年10月14日

ネトフリな私的海外ドラマ事情

短いようで長かった出張がとうとう終わった。やはり我が家というのは良い。

インドアな人間にとって、自宅、それも自室に居られないというのは死活問題なわけで、今日はいつもの日曜日以上にやりたいことが頭の中をグルグル回っている.....


振り返ると出張中、艦これとFGOを片手間にやりつつ、海外ドラマばかり観ていた。こんなにアニメを観ない、据え置き機を触らない1週間は久しぶりだ。馬鹿みたいに執着してきたオーバーウォッチも、数日空いた今なら少しは新鮮に感じるかもしれない。

で、お前はそんなに何を観たんだ?という話に戻ると、相も変わらずNetflixを中心に観ていた。元海兵隊の凄腕スナイパーの男が大統領暗殺の嫌疑をかけられ、大きな陰謀の渦に巻き込まれて行く「ザ・シューター」のシーズン2や、10年以上ぶりにTVへと返り咲いた「スター・トレック:ディスカバリー」、昨夜から配信が開始したデヴィッド・フィンチャーの新作ドラマ「マインドハンター」、そして現代や近未来を本気で風刺した1話完結物の「ブラックミラー」までたっぷりと。







ザ・シューターは、シーズン1の途中からダレて来て、今は惰性で観ているようなものだけど、他の三作品はそれぞれ見所があってあっという間に時間が溶けてしまう。スタートレックの新作はバルカンに育てられた人間女性が主役で、副長の彼女が越権行為で罪人に落ちるまでの序章から始まる。見所は彼女がどのようにして復活して行くか?や、人類との戦いを再開したクリンゴンの権力争いの行方で、特に艦隊へと復帰してからの彼女を取り巻く環境が実に面白い。長いこと待たされた甲斐があったというものだ。

マインドハンターは、まだプロファイリングが事件捜査の前線で信頼されていなかった時代に、その必要性を全米の現場の警官に説いて回って、来る日も来る日も犯罪者達と面会し続け、彼らを知ることで事件解決の糸口を見つけようとしている2人のFBIの男の物語で、激しい山場など冒頭以外無いまま淡々と粛々と進んでゆくのだけど、主人公たちの日常や犯罪者とのやり取りを見ているうちに、FBIである彼らや、自分の中にも彼ら(犯罪者)と共通する点を見つけてしまい、合わせ鏡を見るような感覚で目が離せなくなっていた。『深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている』とはよく言ったものである...





最後に、Twitterのフォロワーにオススメされて見ただけの作品だったブラックミラーだが、これが1話目から強烈で出張の夜を〆るに相応しい作品だった。欧州のどこかの首相らしい男が、ワイフと寝ているところを急遽起こされ、スザンナ妃という止ん事無き女性が誘拐され、無事に返して欲しくばTVカメラの前で豚とセックスしろと首相は要求される。金でもなく、思想でもなく、豚との性交渉を政府の、しかもトップに要求する展開に、思わず笑わずに居られないのだけど、あまりにも真に迫る首相やTVの前の視聴者の表情に、終盤は虚しさと憐れみばかり残っていった。

この匙加減は実に良い。ふざけてるのか?と言いたくなるような首相周辺の連中の真顔が最高に笑える序盤と、その後の見るも無残な首相の姿とのバランスたるや絶妙としか言いようがない。この先も現代社会や近未来を皮肉った内容(犯人の要求が動画共有サイトで拡散し、自分に不利な情報が鼠算の要領で増え続け、人の口に蓋が出来ないどころの話ではないところなど)が1話完結スタイルで続くらしく先が楽しみになった。






日本でも毎週キャストもお話も違う1話完結スタイルのドラマとかどうだろう?風刺というのはいつの時代も庶民の良い友人であるし、不平不満で自分を顧みることを忘れがちな今、ブラックミラーのような作品は凄く大切なことを教えてくれそうな気もする。

他省と自省の均衡は大切だなと思った。





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posted by lain at 07:53 | 北海道 ☔ | TVドラマ 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2017年10月13日

視聴者の中にデスノートを持っている人がいたとしたら、この映画の関係者の中で誰が真っ先に殺されるかな?...「Death Note/デスノート」Netflix/感想

もしも、名前を書くだけで人を殺せるノートが手に入ったら、あなたならどうする?

やっぱり自分が気に食わない連中を片っ端から始末するだろうか?

それとも.....



小畑健と大場つぐみによる大ヒット漫画「デスノート」。今更ストーリーの説明などする気にもならないが、その過激な内容は今考えても『ジャンプで大丈夫か?』と思ってしまうほど際どく、頭脳明晰で正義感の強い青年が、ぶっ飛んだ死神の気まぐれのせいで人生を狂わされ、いや、自ら狂っていく過程に、何度と無く虚しいため息が漏れたものだった。

特に宿敵”L”との戦いがメインであった第1部の展開が素晴らしかったため、その部分が様々なジャンルでメディア展開されたわけだが、一般的にウケが良かった邦画実写版はあまり好きになれなかった。何が嫌って、コスプレ同然の微妙な登場人物が数人いることもそうだけど、それ以上に死神が安っぽい3DCGで登場している点だ。

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2006年度版リューク
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去年公開された新作では、かなりディティールは良くなってはいる....



昔の日本映画は小説や漫画の実写化の場合、作者の強い反対が無ければ、そのネームバリューだけを生かし、あとは好き勝手に脚本やらデザインを決めていることが多く、登場人物の服装や髪型だって似ても似つかないことがしょっちゅうあった。それはそれで問題が無いでも無かったが、原作をなぞるだけではない個性が其処には在り『生身の人間』が演る場合の違和感が無いよう改変されているため、無理なく観れる利点もあった。

勿論昔だって特撮を使用して原作に寄せていた作品は沢山あったわけで、一概には言えないが、今の実写化のやり方があまりにも原作の見た目に寄せないと気がすまない物になっているため、原作を知っているとどうしても客観的に観るのが難しい。しかも寄せることによって、役者の演技が粗末だと素人のモノマネみたく悪目立ちするし、素晴らしい演技でも格好がそれだから、いまいち心に響かないなんていう副作用もあり、一体誰が得する実写化の流れなのかいまだに理解に苦しむ。単純に人気作の勢いが残っているうちに、ファンから搾り取れるだけ搾ってやろうとしているだけにも思えてくる。

今回のハリウッドでの実写化も実に陳腐で粗雑。映像の作りもそうだが役者も脚本もどれもこれもB級の中でも下に位置する出来栄えだった。アメリカでは一部のティーンに人気が出たなんて話も聞くけれど、原作への微妙な寄せ方とオリジナルの展開には苦笑するしかなかった。もしもリュークが、なんの変哲も無い普通の人間と同じ姿形で登場し、ここぞという時だけ死神に感じるようなキャラへ改変されていれば、諸手を上げて本作を迎えたかもしれない。





どんな大人気シリーズでも、シリーズを重ねるごとに亜種が生まれ、質もまちまちになるものだけど、予算が円滑に回りそうな海外でもこのレベルというのなら、まだ日本版のデスノート実写版を観てる方がマシに思えた。トレーラー程度の尺ならば、絵になるカットは沢山あったし、黒人がLに扮しているのもアメリカらしい改変で良かったように思うが、Lが体力勝負を挑んだり、シーンとシーンを繋ぐピースが明らかに足りなかったのがとても残念であった。

人を人たらしめている”背景”を疎かにする作品は絶対成功しないなと思った。





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posted by lain at 07:57 | 北海道 ☔ | 映画 米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする