2017年11月18日

ブルマは俺の嫁

朝から同僚と険悪なムードになっていた金曜日、ようやく昼休みかと気が緩んだところに”鶴ひろみ”さんの訃報が流れて来て、一瞬誰のことだか分からなかった.....



正直に告白すれば、彼女の名前をちゃんと覚えていなかった。それに加え「アンパンマンの”ドキンちゃん”を演じていた」と言われても、最近観ていないから咄嗟に声を思い出すことすら出来なかったのである。

しかし、”ブルマ”の名を見た瞬間しっかり声が脳内で再生された。

「そうだ、あの声だ」と....






恥ずかしながら、僕は亀仙人並みにブルマを”そういう”目で見ていた。作中でお色気担当として活躍していたのもあるが、エンディングのブルマの絵が大好きだったのだ。まさかのベジータと結婚しようが、今だに彼女は俺の嫁であると言いたい。

原作より先にアニメでドラゴンボールに触れていた身としては、鶴ひろみさんの声がブルマに合っていたのかどうかなど疑う余地もなかった。鶴ひろみさん込みでブルマだったのである。ガサツそうに見えて実は繊細で、柔らかなエロスも感じさせ、いざとなったら懐の広さを発揮するようなキャラに自然とフィットする声だったように思う。





声の仕事を生業にする方は、不特定多数に声を知られるため、こういった訃報の際は大勢に悔やまれて当然ではあるものの、鶴ひろみさんのように多くの関係者から悔やまれる方は本当の意味で愛されていたのではないだろうか?突然の発作にも対応し、ハザードを点けて車を道路横に停めるという気配りにも人間性を感じなんとも言えなかった。
もう青二プロダクションの訃報は見たくない。本心でそう思った.....

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2017年11月16日

血染めの主婦とドM刑事の共感の果ての果て「The Sinner −記憶を埋める女−」Netflix/海外ドラマ/感想

今週の日曜は、皆シン・ゴジラに夢中だった。あれだけの製作陣とキャストで見どころ満載であれば当然ではあるだろう。

勿論僕も東京の夜を焼き払うゴジラの美しさをツイッターで布教していた。



でも、内心ちょっと、シン・ゴジラ放送直前まで見ていたドラマの続きが気になっていたりもした...







平穏な毎日と引き換えに育児や夫や姑に少々草臥れていても、何処にでも居そうな女性の主人公なのだが、子供を連れ訪れたビーチで初対面のはずの男を滅多刺しにして殺してしまう。家族の平穏をぶち壊し、自分でも説明できない事態を招いてしまったことに苦悩する彼女は、わけもわからないまま殺した事実だけを抱いて刑に服くそうとする。

しかし、1人の刑事がそれに待ったをかける。こんな普通の主婦がわけもなく人を殺すはずがないだろうというのだ。同僚にも呆れられつつも、粘り強く捜査を進めるうちに見えて来たものとは?.......みたいな話で、全体としてはオーソドックスな内容なのだけど、演出面や主人公を取り巻く人物配置が実に上手く、それ以上の何かがこの狂気を生んだのだと感じられる良いドラマだった。

主演女優の記憶を封じ込めてしまうほどのトラウマを抱えた女性の演じ方も素晴らしかったし、彼女を助けようとする刑事が、妻子持ちのくせに実はマゾで、安らぎを女王様に求めている辺りの生々しさも面白かった。それこそ彼が主人公に肩入れする理由が痛いほど伝わってきた。


短いエピソード数で無駄に引き延ばす気がない構成も好印象であったし、事件は解決しても自身の幸福には遠いマゾ刑事を主役にした続編が見たいと思った。



あのままフェードアウトさせるには、あまりに忍びない.........


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posted by lain at 07:10 | 北海道 ☔ | TVドラマ 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2017年11月14日

この作品から救われて今ホっとしている...「ホサナ」町田康(著)/講談社/感想

読み終わって真っ先に思ったのは

「俺は一体何を読んだのだろう?」

だった....






とある女性に誘われ、主人公は犬好きと、その愛犬が集まるバーベキューに参加するのだが、それが運の尽きだったのか数奇な出来事に巻き込まれていく......という話。公園デビューしたばかりのお母さん的な立ち位置の主人公が、クセのある愛犬家集団に辟易しているだけかと思いきや、突如状況の掴めない事態に陥り、主人公が狂っているのか世界が狂っているのか分からなくてなっていくのが特徴的だった。

これまで読んだ「告白」「ギケイキ」もそうだったが、今回は一際おかしな文字の使い方や文法で読み難かったし、夢の内容を垂れ流したかのような自己完結展開だから、まとまりのあるストーリー性を期待すると肩透かしを食らう。

結局、自意識過剰な主人公が、周囲のエゴと自分のエゴを突き合わせて自滅していく町田康作品お馴染みの風景に落ち着くわけだが、どうも主人公が好きになれないし、無駄に思えるディティールや煙に巻こうとする言葉遊びも鼻についた。この人は「ギケイキ」くらいのボリュームでサクッと書いた方が後味が良いなと思った。





きっと、書こうと思えば「告白」のように書けたに違いない。でもあえてそれをやらなかったように感じる文字遊びだった。やはり同じような文章を書き続けるのは面白く無いのだろう。

中盤を超えてからが特に辛かった。暗喩的表現ばかりだし、ストーリーに関係ない予備知識やら、あまり使われない漢字を当ててくるからサクサク読めず、イマイチ山場も無いから先を読みたい気分になれなかった。なのに良くぞ最後まで読んだものだと我ながら思う。なんだかんだ言っても、自分の悪い面を映したような主人公ではあるし、このまま忘れてしまうのも忍びなかったのだろうか?.......


とりあえず、この先の作品に繋がる実験に付き合ったのだと考えることにした。自分好みの作品を求めるのも良いが、そのためには作者のモチベーションが肝心だ。書かぬ者は“座して待つ”これしか無いのである。




好きになった方が負けという真理だけは揺るぎそうに無い一冊だ。









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posted by lain at 06:59 | 北海道 ☔ | 小説 全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする